霞が関情報
霞が関情報「地方財務」2024年1月号(ぎょうせい)
時事ニュース
2024.02.06
※2023年12月時点の内容です。
霞が関情報
(『月刊 地方財務』2024年1月号)
群マネで11地域選定(国土交通省)
国土交通省は、道路や公園、下水道などのインフラを、多分野や広域的に維持管理する取り組み「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」を推進するモデルとして、11地域(40団体)を選んだ。全国展開する一環で、先行的に課題解決に当たる。同省は、モデル地域での群マネの計画策定や業務の実施の検討をサポートする。
モデルに選定されたのは▷北海道幕別町と音更町▷秋田県大館市▷滋賀県草津市▷大阪府と岸和田市など同府12市町▷兵庫県の養父市など5市町▷奈良県と同県宇陀市など4市村▷和歌山県と同県橋本市など4市町▷島根県の益田市など3市町▷広島県と同県安芸太田町、北広島町▷同県三原市▷山口県下関市──の11か所。
群マネ展開の背景には、建設から50年以上経過するインフラが増加し老朽化が進んでいる、多くの自治体での技術系職員や関係予算が不足しているなどの課題がある。同省は、既存の行政区域にこだわらない広域的な視点で、複数・多分野のインフラを捉える「群マネ」の考え方が必要だと判断した。
インフラの維持管理には、機能や性能に不具合が生じてから対策を講じる「事後保全」ではなく、発生前に対応する「予防保全型」への本格転換が必要とされる。斉藤鉄夫国交相は記者会見で群マネについて「予防保全型への転換の一つの大きな柱」とした上で、モデル地域での実践を通じ「インフラ管理の効率化などについてさまざまな気付き、知恵、方策などを出してもらい、全国の自治体と共有したい」と説明している。
男性育休取得率が7割超(人事院)
人事院は、2022年度の「仕事と家庭の両立支援関係制度の利用状況調査」の結果を公表した。それによると、男性の一般職国家公務員の育児休業取得率は前年度に比べて9.7ポイントアップし、初めて7割を超えて過去最高の72.5%になった。
調査は、仕事と家庭を両立させる制度を考えるため、育児休業や介護休暇、配偶者同行休業の実態を探るのが目的で実施している。
育休取得率は、22年度中に子どもが生まれた職員に対する同年度中に最初の育休を取った職員の割合。同年度に取得したのは6043人で男性は4057人。女性は1986人で取得率は99.1%だった。
育休期間の平均は6.8月で、男性2.0月、女性16.7月。男性で2週間以上取った割合は87.6%だった。
食料安全保障で体制整備(農林水産省)
有識者や中央省庁で構成する農林水産省の「不測時における食料安全保障に関する検討会」は議論の取りまとめを出した。不測時の食料供給確保のための政府の体制などを内容とする、新たな法制度が必要だとした。同省は次の通常国会への法案提出を視野に入れている。
取りまとめは、農水省を含め関係省庁が連携し、総合的に政府一体となって対策を講じることが必要だと指摘し、新たな法制度の内容として、首相をトップに据えた政府の対策本部の設置を提案。国による供給確保に向けた計画作成の指示を生産者などに出せるようにする。
具体的には、重要な品目(コメや小麦など)の供給が2割以上減少し、大きな影響が発生する場合、出荷・販売の調整や、輸入と生産の拡大の計画作成を指示する。1人当たりの供給熱量が1日1900キロカロリーを下回り、最低限度必要な食料が不足するおそれがある場合、熱量を重視した品目への生産転換を要請する。
政府は6月に決定した「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」で「食料安全保障上のリスクに応じて、不測時の対応根拠となる法制度を検討する」としている。
派遣の時給が144円増(厚生労働省)
厚生労働省は、2022年の「派遣労働者実態調査」の結果をまとめた。それによると、派遣労働者の平均賃金は、時給換算で1510円だった。前回調査(17年)の1366円から144円増加した。調査は、5人以上の労働者を雇用する事業所で働く派遣労働者から約1万1000人を無作為抽出し、22年10月1日現在の状況を聞いた。有効回答数は7119人。
賃金への評価を聞くと「満足している」は41.1%。「満足していない」が38.0%で、その理由について「派遣先で同一の業務を行う他の派遣労働者より賃金が低いから」という回答が24.6%と最も高くなっている。
今後の働き方について「派遣以外の就業形態」を希望しているのが37.0%で、このうち74.3%が正社員を望んでいる。