連載 vol.94「つながる」力 「おかえりモネ」と過ごした日々──朝ドラで学んだ「誰かの役に立つ」ということ 【小野寺 崇(宮城県登米市職員)】

地方自治

2024.02.05

目次

    本記事は、月刊『ガバナンス』2022年1月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
    所属等は執筆(掲載)時点のものです。
    ※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。

     宮城県登米市と気仙沼市が舞台となり、21年5月から10月まで放送されたNHKの連続テレビ小説「おかえりモネ」。私は、市担当でドラマづくりのサポート役として約2年間携わった。

     サポートの仕事は、ロケ場所探しや人、物の紹介、エキストラ募集など多岐にわたり、NHKの様々な分野の100人を超えるスタッフと行った。ロケ場所探しは200か所以上行い、実際のロケ現場にも全て同行。同時並行で市内の盛り上げや関連番組対応も行った。悪戦苦闘しながらも、NHKスタッフの深い登米への愛を感じる毎日で、常に高いモチベーションで取り組めた。

     何人かのNHKスタッフから同じことを言われた。「『朝ドラ』の舞台地は、放送が終わってからが勝負。ただ撮影して終わりという付き合い方はしたくない。この地域をどう盛り上げていくかを一緒に考えたい」という言葉だ。その熱い想いに何とか応えたい、何とか役に立ちたい、という思いで一生懸命サポートに取り組んだ。「人は想いで動く」ことをあらためて感じた。

     ドラマの放送が始まってからは、毎日、涙を流しながらドラマを見た。ドラマでは、登米市と気仙沼市の魅力が溢れ出ていた。NHKスタッフからは「登米の皆さんから感じた温かさなど、スタッフが感じた全ての想いが映像に込められている。一緒に頑張ってくれて本当にありがとう」と言われ、その言葉にも涙した。ドラマの放送中は、市民や全国の沢山の方から喜びの声をいただいた。その声を聞く度に、頑張って良かった、公務員になって良かった、と心の底から思った。

     ドラマの中で、主人公モネは、登米で「誰かの役に立ちたい」という思いで、周りに助けられ、もがきながら「気象予報士」という夢を見つけ、登米から旅立った。「朝ドラ」を担当して得た経験・想いを沢山の人につなげていくことが、今後の私の大きな使命だと強く感じている。熱い想いをつなぎ、地域を熱く盛り上げて、誰かの役に立っていきたい。勝負はこれからだ。

     

    (宮城県登米市職員/小野寺 崇)

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