「つながる」力 ~自治体職員によるリレー連載~
連載 vol.120「つながる」力 つながりの中で生き、他者から支えられ、今の僕がある【川口恭輔(香川県土庄町職員)】
地方自治
2024.12.19
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2024年3月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
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瀬戸内海に浮かぶ小豆島土庄(とのしょう)町。自然豊かな場所で僕は暮らしている。老若男女問わず島内の人とのつながりは深く、野菜や魚のおすそ分けは日常茶飯事。人との関わりが大好きな僕にとって、恵まれた環境だ。仕事では現在、工務の仕事を担っており、香川県土木部にいつも助けてもらっている。
そんな僕がより多くの人とつながろうとしたきっかけは、四国財務局の寺西康博さん(現東かがわ市官民連携マネージャー)が開いたフォーラムだった。その場には、人生で初めて感じる圧倒的な熱量があった。様々な立場・職種の方で構成される寺西さんのコミュニティ「テラロック」で、これまでの価値観がひっくり返るような衝撃を受けた。引き寄せられるように、僕は寺西さんの場づくりやコミュニティ運営を手伝った。
2018年、寺西さんらが開催したフォーラムで、脇雅昭さん(現神奈川県知事補佐官)と出会い、僕の理想の公務員像を体現していることに再び衝撃を受けた。脇さんはSNSに疎かった僕の背中を押して、フェイスブックのインストールまでしてくれた(因みにSNSに疎すぎて、1か月間友だちが脇さんだけだった(笑))。そして、オンライン市役所を脇さんらと運営する神戸市の長井伸晃さんからの打診で、配信番組のパーソナリティを経験した。オンライン市役所では、知見の共有に加え全国の魅力的な公務員と出会った。オンラインからつながった全国の仲間と対面したときの感動は一生忘れないだろう。
つながりが広がる中でも、僕にとっての生きがいは土庄町内の小さなコミュニティだ。毎年7月に開催する住吉神社夏祭りは親世代から引き継いだ行事で、舞台を用意し余興が行われる。参加した住民の笑顔を見ると心から幸せを感じる。公私で忙しく、後ろ向きになりそうなときには、寺西さん、脇さん、そして、たくさんの仲間が笑顔をくれる。僕自身も誰かの笑顔のために、自分にできることを圧倒的な熱量を持って続けていきたい。
(香川県土庄町職員/川口恭輔)