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霞が関情報「地方財務」2024年10月号(ぎょうせい)

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2024.11.13

※2024年9月時点の内容です。
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『月刊 地方財務』2024年10月号

基本計画変更で合同会議(農林水産省)

 農林水産省の食料・農業・農村政策審議会(農水相の諮問機関)などの合同会議は、食料・農業・農村基本計画の変更について議論している。食料安全保障の確保に関する取り組みも盛り込む方向で検討を進める。地方の意見も聞いた上で、今年度内に答申をまとめる見込みだ。

 同計画は、10年程度先までの施策の方向性を示す農政の中長期的なビジョン。「農政の憲法」といわれる食料・農業・農村基本法に基づき策定される。情勢の変化に対応できるよう、おおむね5年ごとに変更することとなっており、食料自給率の目標を定めている。

 食料自給率は、国内の食料全体の供給に対する国内生産の割合を示す指標。政府は、2030年度までにカロリーベースで45%に引き上げる目標を掲げている。ただ、長い期間、低迷が続いているのが実情で、23年度は38%にとどまっており、目標達成までの開きがまだ大きい。

 これは、輸入に依存している小麦や大豆の国内生産の拡大が自給率を押し上げる方向に作用する一方、自給率の高い米などの消費量が減ったため引き下げる作用をしているのが理由だ。

 同法が改正され、食料安全保障の観点から国民が最低限度必要とする食料の供給を確保する方針が掲げられた。これを受け合同会議は、自給率だけでなく、食料安全保障に関する他の目標なども設定する方向で議論する。

心の健康がテーマ(厚生労働省)

 厚生労働省は閣議に2024年版の「厚生労働白書」を報告した。今年のテーマについて掘り下げる第1部のタイトルを「こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に」と設定。心の不調を抱える人を含むすべての人が、地域や職場で生きがいと役割を持ち、安心して暮らすことができる社会の構築が不可欠だと強調した。

 白書によると、うつ病や適応障害、統合失調症といった精神疾患の外来患者数は増加の傾向にある。同省の調査を基に算出すると、2020年に精神疾患を有する総患者数は約615万人で、このうち外来患者数は約586万人だった。仕事が精神障害の原因だとして労災保険が認定された件数は22年度に710件となっており、過去最多だった。

 心の健康に対する意識について聞いた調査結果も紹介。「総合的な健康状態にとって最もリスクとなること」という問いに対して「精神病を引き起こすようなストレス」と答えた割合は24年に15.6%で、過去20年間で3倍に増えた。

 白書は、現代社会のストレスの多様さを幼年期から老年期までのライフステージに沿って考察した上で、心の健康に関する対策や支援の現状、今後の方向性を示している。職場でのメンタルヘルス対策を、経営戦略の視点から浸透させることも重要だと指摘した。

 心の不調を抱える人への対応について、各ステージで共通する理念として「当事者の意思の尊重と参加」を提示。「隣人のこころの健康にも留意する」「自己決定の幅を広げる」ことが必要だと訴えた。

博士人材の活用で検討会(経済産業省・文部科学省)

 経済産業省と文部科学省が設けた「博士人材の民間企業における活躍促進に向けた検討会」(委員長・川端和重新潟大副学長)は、博士号取得者(ポストドクター含む)や博士課程学生の就職のため、企業や大学、政府が取り組むべき実務的な事項の検討に入った。来年初めには議論を取りまとめ、年度末には大学や企業向けの手引き・ガイドブックを作成する予定だ。

 検討会のメンバーは、企業の人事担当者のほか、経団連や大学の関係者ら。博士課程修了後の就職のルートの狭さが要因となって修士からの進学の魅力が乏しいといわれる。こうした状況を踏まえ検討会は、博士課程から就職するルートを広げることで
▷高度な専門性を企業などで発揮してイノベーションを創造する
▷博士課程の魅力の向上につなげ、修士からの進学を促す
──といった将来像を示したい考えだ。

 経産省の調査(2020年)によると、博士人材を採用していない企業の割合は76.6%だった。ただ、採用したくてもできていないのが35.6%となっている。

 一方、企業側からは「マッチングがうまくいかなかったため」とする声も多い。就職への経路は指導教員からの紹介などがメインで、就職サイトや大学の活用が少ないため、ミスマッチが生じやすい構造となっているとみられる。

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