霞が関情報
霞が関情報「地方財務」2022年1月号(ぎょうせい)
時事ニュース
2022.02.11
※2021年12月時点の内容です。
霞が関情報
(「地方財務」2022年1月号)
健康的食事でレシピ(農林水産省)
農林水産省は、国連で採択された「国際果実野菜年2021」に基づく取り組みの一環として、健康的な食事に欠かせない果物や野菜を使ったレシピを公開している。同省は、気に入ったレシピを見つけて料理にチャレンジするよう提案している。
レシピは、6月から8月まで公募した。一般家庭で作ったり食べたりできるお勧めのレシピが全部で259品集まった。管理栄養士による審査の結果、特に優れたレシピ21品を表彰・公表。そのレシピを同省のウェブサイトに載せている。
同サイトには
▷野菜と果物の食材
▷1品で1人が摂取できる野菜と果物の量
▷調理時間
──のジャンルを設け、希望のレシピを検索することができるようにした。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」の結果によると、1日当たりの野菜摂取量の平均値は、2019年で280.5グラムとなっており、同省が定めた「健康日本21」の目標に達していない。
21年は国連が定めた「国際果実野菜年」に当たる。そこで、果実や野菜を毎日の食生活に取り入れる重要性を考える機会にしてもらいたい考えだ。
帰宅困難者対策で方向性(内閣府)
内閣府は「首都直下地震帰宅困難者等対策検討委員会」を設け、議論を始めた。近年は鉄道など公共交通機関の耐震対策が進む一方、スマートフォン普及といったデジタル化の進展によって個人への情報提供方法が多様化してきた。これらを踏まえ、被災状況や公共交通機関の運行状況に応じた帰宅方法などについて今後の対策の方向性を示すのが目的だ。
検討委員会は、有識者のほか、公共交通機関や自治体の代表で構成。座長は東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻の廣井悠教授が務めている。
これまでの帰宅困難者向けの対策は「3日間の一斉帰宅抑制」を「1都4県全域」で実施するとしている。これについて
▷原則として3日間の一斉帰宅抑制は続ける一方、被災状況や公共交通機関の復旧状況などに応じ、応急活動の妨げにならない範囲で順次帰宅も可能とする
▷対象地域を、応急活動の妨げや群集事故が発生する恐れのある地域にする
──といった方向性で検討する。
2011年3月の東日本大震災によって、首都圏で約515万人が帰宅困難者になったとされる。帰宅困難者への対策の必要性が顕在化したため、内閣府に設けられた対策協議会が基本方針やガイドラインを作成。これらに基づき一時滞在施設の確保といった施策が展開されている。
温室効果ガスが5.1%減(環境省)
環境省は、2020年度のわが国の温室効果ガス排出量(速報値)を公表した。それによると、温室効果ガスは二酸化炭素(CO₂)換算で前年度に比べて5.1%減って11億4900万トンだった。14年度以降、7年連続のマイナスとなった。
政府は、30年度に温室効果ガスの排出量を、基準となる13年度に比べて46%削減する目標を設定。今回の結果は基準と比べると18%減少に相当すると分析している。
20年度の排出量の減少について同省は、新型コロナウイルス感染症の影響もあるとみており、目標達成に楽観視はできないとしている。
速報値によると、CO₂の排出量は10億4400万トンで、前年度に比べて5.8%減った。これを部門別にみると、工場など産業部門や、自動車など運輸部門が大きくマイナスとなった一方、家庭部門で増えた。
賃金引き上げ企業が減少(厚生労働省)
厚生労働省は、2021年の「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果をまとめた。それによると、21年に従業員1人当たりの平均賃金を「引き上げた・引き上げる」民間企業の割合は80.7%で、前年に比べて0.8ポイント減った。新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けた宿泊・飲食サービス業などで賃上げを見送る傾向がみられる。
調査は、全国の民間企業の賃金改定の額や率、方法などを明らかにするのが目的。7月から8月に、労働者100人以上の1708社からの回答を集計した。
調査結果によると、1人平均の賃金を「引き下げた・引き下げる」企業は1.0%で、同1.1ポイントのマイナスとなった。
産業別に賃金を「引き上げる・引き上げた」企業は、宿泊・飲食サービス業が最も低く56.5%だった。