全国の情報担当部署、担当職員を紹介! こちら「鹿屋市」情報化本部
時事ニュース
2021.08.19
この資料は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊J-LIS」令和3年4月号に掲載された記事を使用しております。
なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと使用しております。
市民サービスの向上を目指した「鹿屋市役所スマート化計画」実現へ
令和3年度から「スマート化計画」を始動する鹿児島県鹿屋市。スマートな「市民サービスの充実」「職場づくり」「職員の育成」を3つの柱として、自治体DX推進に取り組む。
鹿屋市と情報行政課の紹介
鹿児島県鹿屋市は本土最南端へと伸びる大隅半島のほぼ中央に位置し、人口は約10万人で古くから大隅地域の交通・産業・経済・文化の拠点として役割を担っています。市の北部には高隈山系が連なり、西部は鹿児島湾(錦江湾)に面して美しい海岸線が見られ、南部は神代三山陵の1つである吾平山上陵を有する山林地帯となっています。
平均気温18.1℃、年間降水量2,537mmで(統計かのや令和元年度)、1年を通じて温暖な気候や豊かな自然環境に恵まれています。第1次産業を基幹産業として肉用牛、豚、カンパチなど全国でも有数の食料供給基地を形成しています。なかでも、肉用牛は第11回全国和牛能力共進会において、鹿児島県が総合優勝を果たし「和牛日本一」に輝きました。鹿屋市から出場した7頭は農林水産大臣賞をはじめ上位入賞を果たし、日本一に大きく貢献しました。
また、日本最大級の「かのやばら園」や国立大学法人鹿屋体育大学、海上自衛隊鹿屋航空基地などがあります。
情報行政課は14名の職員で、庁内のシステム管理、RPAの推進やセキュリティ対策などの情報化に関することはもちろん、統計業務や情報公開・個人情報保護関連などの業務を担っています。
市役所のスマート化
本年3月には「鹿屋市役所スマート化計画」を策定しました。計画期間は令和3年度から5年間で、鹿屋市情報化計画の4施策のうち「ICTの利活用の分野」に特化した、スマート化に関連する情報化の取り組みや人材育成等についての計画です。
スマート化計画では市民サービスの維持・向上のために、ICTを活用し新しい技術を導入した「①スマートな市民サービス」の充実を図り、また、その受け皿となる「②スマートな職場」づくりと「③スマートな職員」の育成を3本柱に、「スマートな鹿屋市役所」の実現を目指します。以下に、スマート化計画の概要をご紹介します。
①スマートな市民サービス
・スマート申請システムの導入:「行かない」市役所
便利な市民サービスを提供するため、書類申請手続きなどがオンラインでできるようになります。
申請にはマイナンバーカードとクレジットカードを利用し、24時間どこからでもスマホ等で手続きができます。証明書等は郵送されるため、市役所に行く手間がなくなります。
・申請書事前作成システムの導入:「書かない」市役所
従来は窓口で記入していた申請書などを事前にスマホ等で入力することで、窓口ではQRコードをかざすだけで申請書の記入がすみ、そのまま印刷して提出できるようになります。
・窓口情報システムの導入:「待たない」市役所
窓口に出向いた場合に、待ち人数や受付状況をスマホで確認できるようになり、順番がきたら通知されます。
②スマートな職場
意思決定手続きのデジタル化やWEB会議、テレワーク推進など職場のスマート化を目指します。
・電子決裁システムの導入
文書管理や庶務事務(起案文書、時間外勤務申請、出張命令簿など)の電子決裁システムを導入し、業務の効率化とペーパーレスを推進します。
・テレワークの推進
テレワーク専用パソコンを28台整備し、稼働できる体制を構築しています。
・WEB会議の拡充
各課でWEB会議が開催できる共用パソコン18台を整備し、本庁と支所間をオンラインで結び市民が相談できる体制を構築していきます。
・自治体クラウド
システムや帳票の標準化を図り、鹿児島県内複数市による自治体クラウドを令和5年度に実現します。
③スマートな職員
仕事も生活も充実させるため、仕事の効率化と職員のICTスキル向上を目指します。
・RPA、AI-OCRの活用
令和元年度から導入しているRPA等を活用する業務を順次拡大していきます。
・人材育成
職級ごとの育成体系による研修(eラーニング等)を実施し、ICT全般にわたるスキルアップを図っていきます。
今後の目標
計画は5年間ですが、新しい技術の導入を含め、毎年度計画の見直しを行い、国の施策に対応しながら自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進していきます。
また、スマホアプリ「かのやライフ」等での情報発信も活用するなど、より便利で簡単な市民サービスを提供できるように、情報行政課が中心となって全庁的に計画の実施に向けて取り組んでいきたいと考えています。