
最新法律ウオッチング
【2026年法改正】国家情報会議設置法|最新法律ウオッチング
NEW自治体法務
2026.08.05
この記事は4分くらいで読めます。
出典書籍:『月刊 地方財務』2026年7月号
★「最新法律ウオッチング」は「月刊 地方財務」で連載中です。本誌はこちらからチェック!

月刊 地方財務 2026年7月号
特別企画:予算を「育てる」査定の技術
―ストーリーの共創としての予算査定 編著者名:ぎょうせい/編
販売価格:2,750円(税込み)
詳細はこちら ≫
最新法律ウオッチング 第142回 国家情報会議設置法
※2026年6月時点の内容です。
国家情報会議設置法
2026年2月に召集された特別国会において、国家情報会議設置法が成立した。
昨今の国際環境は複雑で厳しいものとなっており、サイバー攻撃、偽情報の拡散、影響工作、国際テロといった様々な脅威に加え、経済安全保障や先端技術をめぐる国家間競争も深刻な情勢にあるとされる。
政府は、そのような中、深刻な脅威が顕在化するまで待つのではなく、能動的にその兆候を把握し、危機を未然に防いでいくためには、政府の情報部門において質の高い情報をできるだけ多く収集し、これを集約、分析した上で、意思決定に資する形で政策部門に提供するというインテリジェンス機能が極めて重要であるとして、その司令塔を強化するため、内閣に国家情報会議を設置する法案を国会に提出し、成立した。
国家情報会議設置法
●国家情報会議の設置
安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急の事態への対処その他の我が国の重要な国政の運営に資する情報の収集調査に係る活動を「重要情報活動」、公になっていない情報のうちその漏えいが我が国の重要な国政の運営に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動(これと一体として行われる不正な活動を含む)であって、外国の利益を図る目的で行われるものへの対処を「外国情報活動への対処」とした上で、これらに関する重要事項を調査審議する機関として、内閣に、国家情報会議を置くこととした。
●国家情報会議の所掌事務
国家情報会議は、①重要情報活動に関する基本的な方針、②外国情報活動への対処に関する基本的な方針、③重要情報活動の推進や外国情報活動への対処に際し配慮すべき内外の情勢についての基本的な認識・評価、④重要情報活動の対象となる事案のうち特に重要なものや外国情報活動への対処に係る特に重要な事案の総合的な分析・評価等について、調査審議することとした。
●国家情報会議の組織
国家情報会議は、内閣総理大臣をもって充てる議長と、議員で組織することとした。議員は、内閣法により臨時に内閣総理大臣の職務を行うとしてあらかじめ指定された国務大臣、内閣官房長官、内閣府の金融についての特命担当大臣、国家公安委員会委員長、法務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、防衛大臣をもって充てることとした。
また、議長は、特定の事案に関し、特に集中して調査審議する必要があると認める場合には、議長、内閣官房長官、当該事案に関係する者として議長が指定する議員によって、当該事案についての調査審議を行うことができるほか、必要があると認めるときは、議員以外の国務大臣を、議案を限って、臨時に会議に参加させることができることとした。
●国家情報会議への資料提供等
内閣官房長官や関係行政機関の長は、国家情報会議に対し、国家情報会議の調査審議に資する重要情報活動や外国情報活動への対処に関する資料・情報を適時に提供するとともに、議長の求めに応じて、国家情報会議に対し、重要情報活動や外国情報活動への対処に関する資料・情報の提供や説明その他必要な協力を行わなければならないこととした。
●国家情報局
内閣法を改正し、内閣官房に国家情報局を置き、国家情報局が重要情報活動や外国情報活動への対処に関する企画立案・総合調整、内閣の重要政策に関する情報の収集調査、国家情報会議に関する事務等をつかさどることとした。なお、内閣情報官に関する規定は、削られることとなった。
●施行期日
この法律は、公布の日(2026年6月3日)から6か月以内に施行される。
国会論議
国会では、国家情報会議や国家情報局に情報収集のための新たな権限を付与するものではないか、個人情報やプライバシーの保護といった人権保障の仕組みを法律に設ける必要はないかとの指摘がされた。これに対し、政府からは、国民から情報を取得することを容易にする新たな権限を国家情報会議、国家情報局にも各インテリジェンス関係機関にも新設したり拡充したりするものではない。また、個人情報やプライバシーの保護については、政府が行政事務を遂行するに当たって、憲法に保障された国民の権利利益を尊重し、個人情報保護法などの関係法令に定められたルールに従うことは当然のことであり、各省庁の情報活動も、こうした原理原則にのっとりながら、これまでと変わらない権限の範囲内で、所管大臣の監督の下、適正に行われるものである。以上から、人権保障の仕組みを法律に設けることとはしていないが、政府として、国会から求めがあれば適切に説明していくとの説明がされた。





















