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ガソリン暫定税率廃止|最新法律ウオッチング

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2026.02.11

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最新法律ウオッチング 第139回 ガソリン暫定税率廃止

※2025年12月時点の内容です。

◆租税特別措置法及び東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律

 2025年10月に召集された臨時国会において、ガソリンの暫定税率を廃止する租税特別措置法等の一部改正法が成立した。

 ガソリン(揮発油)には、揮発油税法に基づく揮発油税と、都道府県・市区町村に財源を譲与するための地方揮発油税法に基づく地方揮発油税が課されるが、1974年4月から、道路財源を確保するため、租税特別措置法に基づき、暫定的にこれらの税率に上乗せをした税率(暫定税率)の揮発油税・地方揮発油税が課されてきた。2009年には、これらが一般財源化され、上乗せの根拠を喪失したとの指摘もなされたが、その後も暫定税率による課税が続いてきた。

 2025年の通常国会において、物価高により国民生活がひっ迫しているとして、当時の野党7党が議員立法として暫定税率を廃止する法案を衆議院に提出し、法案は、当時の野党が多数の衆議院では可決されたが、当時の与党が多数の参議院では、審議未了となり、廃案となった。

 2025年7月の参議院議員選挙により参議院でも与党が少数に転じたことを受けて、当時の与野党6党間で合意がなされ、同年中のできるだけ早い時期に暫定税率を廃止することが確認された。

 2025年8月に召集された臨時国会において、この合意を確実なものとするため、当時の野党7党が議員立法として暫定税率を廃止する法案を再度衆議院に提出し、法案は、同年10月に召集された臨時国会において、衆議院で与野党共同により修正された上で、参議院でも可決されて成立した。

租税特別措置法等の改正

●ガソリンの暫定税率の廃止

 租税特別措置法に基づき、当分の間、特例として、揮発油1キロリットルにつき、4万8600円の揮発油税と5200円の地方揮発油税が課されていたところ、この特例を廃止することとした。これにより、揮発油1キロリットルにつき、2万4300円の揮発油税と4400円の地方揮発油税が課されることとなり、ガソリン1リットル当たり25.1円の税負担が軽減されることとなった。

 また、租税特別措置法では、連続する3か月における各月の揮発油の平均小売価格がいずれも1リットルにつき160円を超えることとなったときに税率の特例を停止するという「トリガー条項」も設けられていたところ、これも廃止することとした。

 さらに、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律では、東日本大震災の復旧・復興の状況等を勘案し別に法律で定める日までの間、「トリガー条項」の適用を停止する規定を設けていたところ、これも廃止することとした。

●軽油引取税に関する措置

 国は、地方税法附則の規定に基づく軽油引取税の当分の間の税率の特例について、財源の確保、流通への影響、地方財政への配慮等に加え、運輸事業振興助成交付金の取扱い等の軽油引取税に特有の実務上の課題に適切に対応した上で、軽油の卸売価格の抑制を目的として国が交付する補助金に代えて、2026年4月1日に廃止するものとし、必要な措置を講ずるものとした。

●安定財源の確保の方針

 国は、税率の特例の廃止のための安定財源の確保については、
①徹底した歳出の見直し等の努力による財源の確保を前提としつつ、法人税関係特別措置の見直し、極めて高い所得に対する負担の見直し等の税制措置を検討し、2025年末までに結論を得ること
②道路やこれに関連する社会資本の保全の重要性、物価の動向等、温室効果ガスの排出の量の削減等に関する目標との関係にも留意しつつ、安定財源を確保するための具体的な方策を引き続き検討し、1年を目途に結論を得ること
③地方の安定財源の確保については、これらの税制措置による地方の増収額を活用するほか、具体的な方策を引き続き検討し、速やかに結論を得ること、その際、安定財源の確保の完成までの間において、地方の財政運営に支障が生じないよう、地方財政措置において適切に対応すること
との方針に基づき検討を行い、結論を得るものとした。

●施行期日

 この法律は、一部を除き、2025年12月31日から施行される。

国会論議

 国会では、暫定税率の廃止による地方財政への影響について質問があり、政府から、2026年度以降の影響額として、軽油引取税について約4800億円の減収、地方揮発油税を財源とする地方揮発油譲与税について約300億円の減収を見込んでおり、約5100億円の減収に対する安定財源の確保が重要な課題であり、今後の税制改正や地方財政対策において、地方の安定財源の確保に向けて努力をしていくとの説明がされた。

 

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