【新刊】『やさしい公営企業会計 第3次改訂版』
キャリア
2020.10.30
法令出版社(株)ぎょうせいはこのたび、『やさしい公営企業会計 第3次改訂版』を発刊します。公営企業会計の初任者や担当となって間もない職員の方が、基本的な事項をコンパクトにわかりやすく理解できるような内容となっています。ここでは、本書の「はじめに」を抜粋掲載して、本書の狙いや対象となる読者についてご紹介します。(編集部)
公営企業会計の実務のために
地方公営企業は、昭和27年に地方公営企業法が施行されて以来、着実に発展し、上水道、下水道、病院、交通等の日常生活に欠かすことのできない重要なサービスの提供をはじめ、工業用水道、宅地造成等の地域開発のための基盤整備事業を通じ、地域住民の福祉の向上と地域社会の発展に大きな役割を果たしてきました。令和元年度末において地方公営企業を経営している団体数は1,784団体、事業数は8,222事業、そこに従事する職員数は33万1,167人、決算規模は16兆5,880億円となっています。
公営企業会計は企業会計方式を採用しているため、官庁会計には見られない様々な特徴があり、はじめて公営企業に勤務される方が短期間でその内容を理解することは大変難しいと聞いています。
そこで、新たに公営企業会計を担当することとなった方に向けて、その概略をできるだけわかりやすく解説したものが本書です。今回、消費税率(国・地方)の引上げを反映させた上で、再度「初任者が理解できるか」の視点で内容を見直しました。
地方公営企業は、少子高齢化や人口減少等による収益が減少傾向にある一方で、老朽化が進行している施設の更新投資や多発する災害に対する防災・減災への対策が求められています。公営企業をめぐる経営環境が厳しさを増す中で、経営基盤の強化等を図るため、各地方公営企業は「経営戦略」の策定が求められています。
また、簡易水道事業や下水道事業における地方公営企業法の財務規定の適用への対応など、経営・資産状況の「見える化」推進の基礎となるのが企業会計であり、財務諸表の活用です。
このように、公営企業会計に関する知識を有する職員がより一層求められています。
本書が公営企業会計の入門書として、地方公営企業に携わる方々にお役に立てれば幸いです。
令和2年11月
地方公営企業制度研究会