災害時を生き抜くためのサバイバル術―日頃から心掛けたいこととは?

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2019.04.10

知っておきたい危機管理術 第9回 災害時を生き抜くためのサバイバル術

『地方財務』2013年8月号

 マグニチュード7・5の首都直下型の大地震が首都圏を襲ったと仮定しよう。老朽化した屋内にいれば建物が倒壊し、命を落とすことになるかもしれない。運よく助かったとしても家屋の下敷きになり脱出できないかもしれない。大声で助けを求めても、他の人々も同じような状況にあり、誰も助けにきてくれない可能性も高い。

 このような状況下でどのように生き抜くのか。自分で何とか生き延びるサバイバル術を身につけることが重要だ。

災害時の生存率を高める日頃の備え

 生死の岐路は最初の数十秒から数分の間である。東日本大震災という未曾有の経験をしたのにもかかわらず、最低限の事前の対策を忘れてしまっている人が意外と多い。想定外のことが起こるのだから、予備対策を考えたところで無駄である、運命だと思ってあきらめるという人が、年配者を中心にいる。しかし、運を天に任せるよりは、非常事態に生き残る可能性を少しでも高めて欲しい。

 建物の耐震度などの脆弱性を再点検し、家具等を固定しよう。阪神・淡路大震災での死亡原因は家屋の倒壊による圧死が88パーセントであったことを想起しよう。「今日できることを明日に伸ばすな」を実践しよう。危機管理では、体験から得られたノウハウを学びすぎることはない。枕元に懐中電灯を置く、非常用のリュックサックを枕元や玄関先につるす、玄関のドアが開かなくなった場合に備えてハンマー等を置いておく、近くに鍋があれば頭の保護になる等々。

 津波の発生時の波には、それほど顕著な波形や力はない。しかし、岸に近づくにつれ、予想をはるかに超えたり、震度の割には大津波となる場合がある。1993年の奥尻島では、震度5の地震発生後5分もたたないうちに20メートルを超える大津波が襲った。すぐに津波が襲ってくる状況下ではテレビの地震情報を待って行動したのでは間に合わない。海底が震源地の場合、震度が弱くても大津波が発生することがあり、即座に少しでも高い場所に逃げることが肝要である。

救急車がこない!

 災害時、多少のパニックになるのは当たり前で、思考を停止しないことが重要になる。

 災害時は、救急車の出動要請が爆発的に増加する。救急車はこないものと考えるべきだ。停電のため交通手段が混乱したり、救急無線の基地局が機能不全となるかもしれない。このようなときには住民同士の助け合いが大事になる。このため、普段からのコミュニケーションが重要だ。近所同士で利用可能な車やオートバイで負傷者を一刻も早く病院に運び込む。最悪の場合、自分ひとりで応急処置を講じる覚悟も必要だろう。運よく救急車が駆けつけてくれる場合、緊急性と目的地の適切な説明がポイントになる。第1に、119番に「救急です」と明確にいう。第2に、住所、氏名、近くの目立つ建物や看板を知らせる。第3に、どうしてどの程度のけがをしたか、現在どのような状態かを簡潔に説明する。第4に、屋外に案内人を置く旨を伝え、案内人が目立つ標識を持って外に立つ。

家族で話し合いを

 災害は時を選ばない。家族は、会社や外出していて、ばらばらなのが一般であろう。そのため、家族同士であらかじめ集まる場所や連絡方法を決めておく。原始的だが確実なのは、近所の○○小学校の大きな木の下にメモを入れた缶やマジックで状況を書いた石を埋める等である。

 もう一つ大事なことは、家族内の役割分担をあらかじめ決めておくことである。家に残されたのが祖父母等の弱者である場合、誰が保護するのか。予定された者が不在の時は、誰が代役を果たすのか。代役は2人以上にして、優先順位を決めておくことが重要だ。

 東日本大震災以後、被災者に対する法的支援も整備されつつある。だが、政府は自然災害による被災者個人の生活を根本から回復するための支援までは考えてくれない。自分の資産は自分で守る意識を持つ。万が一に備え地震保険に加入する。

外国でのトラブルに備える

 最後に外国での対応について考える。警察に犯人と間違えられて逮捕された場合、無駄な応答を避けることが肝要である。パスポートを所持していれば、○○便で○日について○ホテルにいて街を見学していただけだという。ラチが明かない場合には、通訳を手配してもらい、その間に日本の大使館・領事館と連絡を取るべく最善を尽くす。事前に日本政府の出先機関の連絡先メモを用意しておくと良い。また、ホテルチェックイン後は、非常階段の所在を確かめる。多くの国では「911」が緊急時番号であるが、その国の緊急時の通報方法を確かめておくことも大切だ。

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