【心の処方箋】仕事で失敗してしまったら?『若手公務員が失敗から学んだ一工夫』

地方自治

2025.03.19

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仕事で失敗してしまった…そんな時におすすめの本

知っていると仕事がはかどる 若手公務員が失敗から学んだ一工夫

知っていると仕事がはかどる
若手公務員が失敗から学んだ一工夫
編著者名:芳賀健人/著
     島根県人事課/監修
販売価格:2,200 円(税込み)
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仕事をスムーズに進めるための“仕事のベース”の教科書


「新社会人になったけど、まずは何からすればいいの?」
「ちょっとしたことを聞きたいけど上司や先輩が忙しそうで聞きにくい…。」
「だんだん仕事に追われてきている…。」
若手の皆さんはこんなお悩みありませんか?

本書では「若手時代にこういうことを教えてほしかった!」といった仕事のちょっとした工夫やコツをご紹介。
若手時代の “参考書” として置いておきたい一冊です。

今回は仕事で失敗してしまったときの “知っておくとラクになる、心の処方箋” を抜粋してお届けします。

こんな方におすすめ

・公務員1年目の方
・異動スグの若手公務員の方
・若手職員の研修担当者・管理職の方

CASE①仕事で失敗してしまった

 社会人1年目は、いろいろな壁・悩みにぶつかります。
 ここでは、1年目の皆さんが陥りやすい心の落ち込みに対し、少しでも気持ちが楽になればと、私なりの考えをお話ししようと思います。

(1)失敗の見方を変えてみる

 社会人になるまで、大きな失敗をしてこなかった方もいるかもしれま せんが、社会人になると、大小数え切れないくらいの失敗をします。
 もちろん私も、青ざめてしまうものから照れ笑いで済ませられるものまで、たくさんの失敗をしてきました。
 特に1年目は、経験もなく、わからないことばかりですので、多くの失敗をするでしょう。

 しかし、失敗をすることで、学ぶこともたくさんあります。
 そこで、若い方には、失敗をポジティブなものと捉えてほしいと思います。私自身も、若い頃に先輩から「失敗と質問は、若い頃の特権」と言われ、気持ちが楽になったのを覚えています。

 失敗するだけ、それをバネに多くのことを学び、それが皆さんの糧となっていくと考えれば、過度に失敗を恐れる必要はありません。
 「失敗=ダメなこと」ではなく、「失敗=成長への糧、より大きな失敗をしないための第一歩」と捉え、若いうちに多くの失敗をしてほしいと思います。

(2)失敗は抱え込まない・隠さない

 若い頃、あるイベントの準備をしていたとき、挨拶をしてもらう外部の方の予定を押さえられておらず、別の予定が入っていたことが直前に判明しました。
 すぐ上司に報告すべきでしたが、当時の上司は怖い方で、「何と報告しよう」と悩んでしまいました。朝に判明してから悩み続け、やっと相談したのが夕方。上司から「いつ連絡があったの?」と聞かれ、「今朝です」と答えると、「報告が遅い」と叱られました。
 その後は、上司の指示が出され、バタバタと外部の団体と調整を行い、無事、出席してもらえることになりました。そのときの上司は、怖かったですが心強かったです。

 こうした経験から、トラブルや失敗のときに切り出しにくい気持ちは、私もよくわかります。
 しかし、今考えると、やはり、抱え込んだり隠したりすることはせず、早めに相談するに尽きると思います。
 失敗した瞬間は「もうダメだ」と落ち込みますが、組織というのは強いもので、周囲・上司がカバーしてくれます。私もこれまで多くの失敗をしてきましたが、皆さんの助けを得て、なんとかなってきました。
 ただし、失敗を隠されてしまうと、周囲・上司はカバーができません。
 時間が経てば経つほど、人知れず状況が悪化することもありますし、そのぶん、対策としてとれる選択肢も少なくなっていきます。
 当事者も、叱られることを恐れるあまり、どんどん言い出しづらくなり、精神衛生上もよくありません。

 また、時間が経つと、今度は「なぜこうなるまで言わなかったんだ」と、隠したこと自体が責められます。不祥事の報道でも、「組織はいつから認識していたのか。認識したうえで放置していたのか」と問われることがありますね。
 加えて、隠したことで、皆さんがこれまで積み上げてきた信頼が崩れれば、それ以降の仕事がやりにくくなるかもしれません。

 そのため、失敗したときは、早めに上司に報告して指示を仰ぎましょう。
 してしまった失敗は仕方ありません。大切なのは、その失敗からどう立て直すか、そしてそこから何を学ぶかだと思いますので、意識してみてください。

(3)早めに気持ちを切り替えるには

 失敗すると、なんだかんだ、ヘコみますよね。
 かくいう私も、失敗するたびに自己嫌悪に陥ってしまう時期がありました。実は、今も結構引きずって、「あのとき、ああすればよかったな。なんで、あんなことをしたのだろう」と思い返すこともあります。

 落ち込むのはよくないと思いつつも、落ち込んでしまうのは人間ですし、仕方ないかもしれません。しかし、それが長期にわたると、精神衛生上もよくないですし、仕事にも影響してくる可能性があります。

 そのため、失敗をしたら、反省という意味での落ち込みはしつつも、早めにそこから回復して通常モードに戻るようにしたいですね。

 たとえば、私の場合は、通常モードに戻るために、 ・「 誰しも失敗はあるものだ」と、失敗した自分を「できない自分」として過度に責めず、許してあげる ・ 失敗の要因が自分でコントロールできないものなら、「自分のせいではない」と割り切り、背負いすぎない(ある種の諦めをつくっておく) ・「 なんとかなる」と気楽に考える(気持ちの余裕を持つ) ・ おいしいものを食べ、好きなことをし(ストレス発散)、睡眠をしっかり取る  といったことを考えたり、実践したりするようにしています。

 また、管理職になってからは、自分の気の持ちようが部下にも影響すると知り、一層気持ちの切り替えを心がけるようになりました。
 私も若い頃そうでしたが、上司が早めに失敗から切り替えられていると、部下も切り替えやすいですよね。

 失敗からの立ち直り方は、人それぞれと思いますので、一例として参考にしてみてください。

 

『 知っていると仕事がはかどる 若手公務員が失敗から学んだ一工夫』では
他にも次のような内容を読むことができます。
1年目は…
◆社会人の姿勢は形から入ろう
◆メモを取る習慣をつけよう
◆身を守るためにも「報連相」はしっかりと
◆スキルを見て盗もう
◆仕事で失敗してしまったときの気持ちの切り替え方
◆今の仕事がやりたいことでなくてもおもしろさを見いだしてみる
◆引継書に何を書くといい?

2部署目に異動したら…
◆「最初の○か月」どう過ごす?
◆「スピード」と「完成度・正確性」のバランスを意識しよう
◆自分の考えを持とう ほか

3部署目に異動したら…
◆スケジュールは相手の時間も大切に
◆職場外・後輩とのコミュニケーション
◆資料はラブレター ほか

知っていると仕事がはかどる 若手公務員が失敗から学んだ一工夫

知っていると仕事がはかどる
若手公務員が失敗から学んだ一工夫
編著者名:芳賀健人/著
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