こちら「三春町」情報化本部 「行政のDX」と「まちのDX」の視点を持った「三春町DX推進計画」を策定。コミュニティ維持を重視したデジタル化を目指す

NEW地方自治

2024.08.13

この資料は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊J-LIS」2024年6月号に掲載された記事を使用しております。
なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと使用しております。

こちら「三春町」情報化本部
「行政のDX」と「まちのDX」の視点を持った「三春町DX推進計画」を策定。コミュニティ維持を重視したデジタル化を目指す

 

阿武隈山系の西裾に位置する福島県三春町は、2023年に「三春町DX推進計画~PROJECT-DX-MEGO~」を策定。
町の歴史にちなんだ「愛姫」をDX推進のAIキャラクターにするなど広報面も重視しつつ、住民に使ってもらえるデジタル化を目指していく。

(月刊「J-LIS」2024年6月号)

三春町の紹介

 三春町は福島県のほぼ中央に位置し、郡山市から東へ約9㎞、阿武隈山系の西裾に位置する小さな町です。

 本町には、日本三大桜の「三春滝ザクラ」があり、他にも約1万本の桜があることから「桜のまち」として知られています。

 また、戦国武将田村氏が三春に城を構えたことから、三春町は城下町として発展してきました。そのため、今なお多くの神社仏閣や蔵などが町の中心市街地に点在しており、三春城主田村清顕公の一人娘である愛姫(めごひめ)は、伊達政宗の正室としても知られています。

「PROJECT-DX-MEGO」の推進

 本町では、町民サービスの向上や職員の業務効率化を図る計画として、2023年に「三春町DX推進計画~PROJECT-DX-MEGO~」を策定しました。

 本計画では、町のPRキャラクターである「愛姫」を「ヒト」と「モノ」、「サイバー空間」と「現実空間」をつなぎ、DXを推進する役割のAIキャラクターと位置づけ、「DX-Motto Envision Gratify(Glitter)On~デジタルで、もっと満足してもらえる(きらめく)ことをイメージしよう!~」をキーワードに、「行政のDX」と「まちのDX」のそれぞれについて、町職員が住民目線に立って、みんなに愛され、使ってもらえるデジタル化を目指していく計画としています。

電子文書管理・ビジネスチャットの導入(行政のDX)

 行政内部の情報化施策として、庁内LGWAN系ネットワークの無線化を構築しています。職員の事務用パソコンもタブレットとしても利用できる2in1型のパソコンへの入替えを推進し、2023年度には文書管理システムを導入するなど、内部事務資料印刷等に職員の労力と費用を掛けずに意思決定の迅速化が図れるよう、ペーパーレス化と電子決裁の推進に取り組んでいます。

 また、職員間の連絡手段として、これまでは各課において独自にLINEグループなどの連絡網を構築していましたが、ビジネスチャットツール「LoGoチャット」を2022年度から本格導入し、通常時や災害時における職員間の連絡手段として利用しています。

 災害や火災時には、防災担当部署だけでなく、首長を含め、福祉、税務、住宅関連等の他部署を含むグループを作成し、現地の情報を共有できる仕組みを構築しています。

 LoGoチャットは、すでに多くの自治体で導入が進んでいることから、近隣自治体と共同調達によるスケールメリットを出すための取り組みも進めています。

町公式LINEの運用(まちのDX)

 2019年にLINE公式アカウントが「地方公共団体無償プラン」として提供が開始されたことを受け、本町では、同年にLINE公式アカウントを取得し、翌年7月から正式に町民向けの情報発信ツール「三春町公式LINE」として運用を開始しています。

 現在の町公式LINEの登録者数は、約1万人です。本町の人口が約1万6,000人、世帯数が約6,000世帯ですので、スマートフォン等を利用している世帯には、概ね登録いただいているものと考えています。

 新型コロナウイルスのワクチン接種予約にLINEを利用できたことが、町民の皆さんに登録いただけた大きな要因の一つです。今では、行政から町民の皆さんに対して、最も効果的に情報を発信することができるデジタルツールとなっています。

デジタル広報の推進(まちのDX)

 本町では、町公式LINEによる情報発信と合わせて、町広報紙「みはるが好き」のデジタルブック化を推進しています。ホームページ上でのPDF形式の掲載と比較し、ダウンロードの手間が省かれ、スムーズに広報をご覧いただける環境となっています。

 また、広報紙だけでなく、毎月町内会で回覧いただいているチラシもデジタルブック化しており、回覧板が回った後でも回覧文書を見ることができます。町内会に参加しておらず、広報紙や回覧板が配布されない住民の方や町外の方にも広く目を向けてもらうことができるきっかけにもなっています。

 デジタルブックは、簡易型として「ちいき本棚」、多機能型として、10言語にも対応できる「カタログポケット」の二つのツールを利用しています。

もっと、きらめくデジタル化を

 地域の人口減少と高齢化が進む中で、コミュニティの維持と住民の支えあいがより重要になってきています。

 本町では、今後、町内会とのデジタル技術を活用した新たな相互連絡体制の整備やLINEのチャットボット機能を活用した子育て施設予約やゴミ出し情報の発信など、日常生活に密着した取り組みを実施していく予定です。

 職員一人ひとりが、町民の皆さんがもっと満足し、笑顔がきらめくイメージをもって、デジタル化を進めていきたいと考えています。

地域情報及び行政情報(2024年5月1日現在)

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特集:自治体におけるAIの活用

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