こちら「益田市」情報化本部 数々の“人”とのご縁にも恵まれ、いま、益田のDXをアツく盛り上げ中!

地方自治

2023.08.10

この資料は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊 J-LIS」2023年7月号に掲載された記事を使用しております。
なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと使用しております。

こちら「益田市」情報化本部
数々の“人”とのご縁にも恵まれ、いま、益田のDXをアツく盛り上げ中!

 

島根県最西端に位置する益田市では、地域情報化アドバイザー制度を活用した職員研修などを機にDX推進を本格的に始動。職員の心得「ますトラ10か条」を基に進めるDXの取り組みを紹介。

(月刊「J-LIS」2023年7月号)

益田市の紹介

 益田市は島根県の最西端に位置し、南に中国山地、北は日本海、その間を流れる一級河川高津川と、大自然に囲まれたまちです。高津川は、かつて水質日本一にも名を連ね、2019年には映画「高津川」の舞台にもなりました。

益田市がDXできる10の理由(わけ)

 さて、いま当市では、DXの“X”(改革)に重点を置いた「ますだトランスフォーメーション(通称「ますトラ」)」がアツく盛り上がっています。その理由を、ますトラに取り組む職員の心得「ますトラ10か条」とともにお伝えします。

①みんなでやろう
②使えるものは何でも使おう

 きっかけは2年前。島根県ICT総合戦略策定委員会に委員として参画された村上文洋氏(株式会社三菱総合研究所主席研究員)との出会いにさかのぼります。同じく委員として参画していた当市DX推進課長(当時は政策企画課行革推進室長)が、村上氏の講演での「DXとは意識改革と組織改革」との言葉に心を射貫かれ、総務省の地域情報化アドバイザー派遣制度を活用して職員研修を依頼。さらに、幹部にもDXを正しく理解をしてもらおうと、市長以下幹部と村上氏との意見交換会を行いました。

③シンプルにしよう
④上下左右でオフィシャルにしよう

 意見交換会が奏功し、トップのリーダーシップによるDX推進への機運が高まり、2022年4月、「行革推進室」は「行革・DX推進室」として2名体制となりました。

 まず着手したのは、方針策定と推進体制の構築です。方針では、「市民の利便性向上」「内部業務の効率化」「人材育成」と、シンプルに三つの柱を立てました。そして「書かない 行かない まわらない」をキーワードにした窓口改革をターゲットに設定しました。

 推進体制としては、市長の命を受けた副市長をDX推進本部長に据え、全庁各課から推進委員を1人ずつ選出して、部局横断の体制を構築しました。さらに、窓口関係課職員でワーキングチームを結成。これにより、トップダウン、ボトムアップ、部局横断と、上下左右のオフィシャルな体制が完成しました。あわせて、村上氏には当市DXアドバイザーを委嘱し、強力な推進体制のもと当市DXは始動しました。

⑤外を知ろう
⑥仲間をつくろう

 村上氏から最初にいただいたミッションは、外を知り、全国に仲間をつくるということです。そこで早速Facebookアカウントを作り、村上氏に友達申請。そこから次々とご縁が生まれ、瞬く間に世界が広がりました。

⑦課題を知ろう

 村上氏をきっかけとしたご縁の中で特筆すべきは、北海道北見市の「書かないワンストップ窓口」を横展開し、窓口改革伝道師として全国で活躍されている、埼玉県深谷市の齋藤理栄氏との出会いです。再び地域情報化アドバイザー派遣制度を活用して、齋藤氏に窓口改革への支援を依頼しました。

 ここで、齋藤氏から「システムより、課題を知ることが重要」とアドバイスを受け、窓口体験調査を実施。この体験により、窓口改革へのモチベーションが確固たるものとなりました。その後に行った埼玉県戸田市、埼玉県深谷市、三重県松阪市、北海道北見市への視察は、理想の姿を肌で感じる貴重な経験となりました。

⑧スピード感を大切にしよう

 当市では今年4月から、死亡に関する手続を1ヵ所で行う「おくやみ手続サポートサービス」を開始しています。これは、三重県松阪市の好事例を横展開してできたもので、同市の上村州史氏に監修いただき実現しました。このサービスは市民の方にも大変喜ばれており、当市の知名度アップにも貢献しています。

 また今年度は、書かないワンストップ窓口を実装すべく、デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプTYPE1)を活用して窓口改革に取り組んでいます。

 このように、短期間で数々のプロジェクトが実装できたのは、まさにご縁の賜物です。齋藤・上村の両氏には、2022年9月から当市窓口改革アドバイザーを委嘱しているほか、視察先で出会った方々とは今でも交流が続いており、事あるごとに情報交換を行うなど、かけがえのない財産となっています。

⑨アナログを大切にしよう

 とかくデジタルばかりが注目されがちなDXですが、当市のますトラは、前述のとおりDXの“X”に重点を置いています。意識改革のためのDX職員研修は既に全職員が受講し、アンケートでは、「DXとは業務改革だとわかった」「身近な業務の小さなことから改革をしていきたい」など、それぞれに確かな気づきをもたらしています。

 この気づきを大切に、できることからどんどん改革を進めるため、今年度は、「窓口改革から全庁改革へ」をテーマに、「DDX(できることからどんどんやろう)プロジェクト」を始動しました。推進本部長である副市長は、研修や会議など、あらゆる場面で絶えず職員に熱いメッセージを送り続けてくださっています。おそらく当市のDXで最もアツい人物といっても過言ではありません。

⑩3Qマインドを大切にしよう

 今年4月、「行革・DX推進室」は「DX推進課」となり、5名体制となりました。

 めざすのは、DXで市民も職員もハッピーになること。常に疑問を持ち(Question)、探求を続け(Quest)、質を高めよう(Quality)、そしてそれを、市民からのThank you(3Q)に繋げようと、日々挑戦を続けています。

地域情報及び行政情報(2023年4月30日現在)

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