こちら「都留市」情報化本部 “人間中心”の地域DXが都留市の未来を変える!「ひと集い 学びあふれる 生涯きらめきのまち つる」の実現を目指して
地方自治
2024.05.30
この資料は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊J-LIS」2024年4月号に掲載された記事を使用しております。
なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと使用しております。
こちら「都留市」情報化本部
“人間中心”の地域DXが都留市の未来を変える!「ひと集い 学びあふれる 生涯きらめきのまち つる」の実現を目指して
山梨県東部に位置する都留市は、豊かな自然環境に恵まれ城下町の面影を残す人口約3万人の小都市。
「都留市デジタル人材育成基本方針」を策定し、山梨県東部の三市三村で共同人材研修を開催するなどDX人材の育成にも力を注いでいる。
都留市と情報政策担当の紹介
都留市は山梨県の東部に位置し、三ツ峠山などの個性ある山々に囲まれた豊かな緑と、“平成の名水百選”に選ばれた清らかな水の溢れる自然環境に恵まれた城下町の面影を残す人口約3万人の小都市です。
また、本市は小都市でありながら、公立大学法人都留文科大学をはじめとして市内に三つの高等教育機関を有する約3千人の学生が学ぶ教育のまちでもあります。
なお、本市の観光親善大使である「つるビー」がおススメする観光情報をX(旧Twitter)などで紹介しています。
情報政策担当は、2009年12月に消防庁舎の建替えに伴い、災害リスク対策として、これまで本庁舎・地下でほとんど日の当たらない執務室から、新消防庁舎に移設、陽の光が燦々と降り注ぐ環境の中で、ネットワーク、システムの維持管理、セキュリティ対策、自治体・地域DX推進などを職員一人ひとりが健康的かつ生産性高く、日々の業務を行っています。
DX推進に対する取り組み
本市では、2023年3月に「都留市DX推進方針」を策定しました。現在、この推進方針に沿って、自治体システムの標準化・共通化、手続のオンライン化などの取り組みを着実に進めています。
具体的な事業としては窓口での証明書発行手数料支払いのキャッシュレス化、コンビニエンスストア等における証明書等自動交付サービス「都留市公式LINE」を入口とした体育施設のオンライン予約、水道の使用開始・中止の手続き、各種行政手続・相談等予約など、多様な業務変革に取り組んでまいりました。
また、全庁的・横断的な推進体制として、若手職員を中心とした「DX推進プロジェクトチーム」を設置し、デジタル技術やデータを活用して、市民の利便性を向上させることと、業務効率化を図り、人的資源を行政サービスのさらなる向上に繋げていくことの二つに主眼を置いた行政DXを行っています。
自治体・地域デジタル人材の育成
デジタル人材は、DX推進の担い手として注目されていますが、官民問わず、少子高齢化が進む中で、DX人材の確保は喫緊の課題となっています。
このため本市では、職員を対象として、DXの推進・デジタル化の前提となる基礎知識の習得ととともにICT活用能力の向上を図るため、2023年2月に「都留市デジタル人材育成基本方針」を策定し、本基本方針に基づいた研修プログラムを実施しています。
2023年度においては、e-ラーニングだけではなく、BPR、デザイン思考などの集合研修を開催するなど、庁内全体のDXマインドの醸成を図っています。
また、本市を含む小規模な自治体では、コストや、情報システム部門の職員のスキルに依存するなどの理由により、質の高い継続的な集合研修の開催が難しい状況であるため、山梨県東部に位置する、都留市、大月市、上野原市、道志村、丹波山村、小菅村の三市三村の共同開催による、「デジタル人材育成研修」を開催しました。
研修では、異なる自治体からの参加者がグループとなってディスカッションをすることで、異なる経験やノウハウが共有されます。
また、より多くの視点からの学びを得られたり、意見交換ができるため、深い学びとなり、参加者からは継続的に研修を開催してほしいなどの声をいただいています。
また、一方で、地域全体でDXを推進するためには、市民みずからが身近な暮らしや地域の課題を、デジタル技術等を活用しながら解決し、生活や行政サービスの質を向上させる取り組みである「シビックテック」が重要であると考え、2023年9月から2024年3月まで、市民参加型の「都留シビックテックスクール」を開講し、市民、学生など、約20名の方が、課題からアイデアを生み出す手法を学び、地域課題を解決する企画を作成するなどのテーマに取り組みました。
デジタルデバイド対策
本市のデジタルデバイド対策としては、デジタルデバイスの利用を通じて、視覚障がい者の方が自信を持ち、情報へのアクセスやコミュニケーションの能力を向上させること、また、健常者も一緒に学ぶことで、デジタルによる共生社会を築くための第一歩を踏み出すことを目的として、2024年1月に「視覚障がい者と共に学ぶタブレット体験会」を開催しました。
視覚障がい者向けのアプリなどを体験するもので、参加者にとっても貴重な体験となったと同時に、職員にとっても、ユーザー目線で考えることが重要なアプローチであることを再認識する場となりました。
まとめ
今後も自治体DX推進監の強力なリーダーシップのもと、情報政策担当が旗振り役として、行政だけでなく、地域の課題に寄り添いながら、テクノロジーによる解決策を導くとともに、地域全体にDXマインドを浸透させ、DX化に資する事業を推進してまいります。