連載 vol.109「つながる」力 「とちのきOM」復活のその先に【福田英臣(栃木市職員)】
地方自治
2024.09.09
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2023年4月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
2023年2月12日。この日、栃木県鹿沼市にある市民文化センターの一室は、関東一円から集まった30名超の自治体職員たちの熱気に満ちていた。そう、とちのきオフサイトミーティング(以下、とちのきOM)復活の日だ。
私たち地方公務員は、派遣などがない限り、他の自治体職員と交流する機会は意外と少ない。井の中の蛙にならないように、積極的に人脈を増やせる場を作りたい。そのような思いから、栃木県内の職員のつながりを作るプラットフォームとして、2017年にスタートしたとちのきOM。しかし、ここ3年間はコロナ禍のため活動休止。それ以前に築いてきた職員同士のつながりが、全て途切れてしまったかのように感じる3年間であった。
とちのきOMはこのまま終わってしまうのか。周りの方々からは心配の声もいただいた。しかしその一方で、コロナ禍だからこそ、同じ境遇にある職員同士が知恵と勇気を分かち合う場として、OMの復活を期待する声も多かった。
困難に直面した際に、自らの考えだけでは生み出せない解決の糸口を与えてくれるのは、新たな人脈によってもたらされる知識と経験である。職員同士のつながりこそが、私たちの未来を切り拓くという信念を持って、私たちはOMの復活に向けて走り始めた。さらに、関東各地のネットワーク活動の諸先輩方からいただいた、たくさんの熱い励ましのメッセージが、私たちの背中を力強く後押ししてくれた。
そして迎えた、とちのきOM復活の日。会場に集まった参加者はみな笑顔で、仲間との久しぶりの再会を喜び、交流を楽しんでいた。参加者アンケートでも「行政職員間のつながりを作る活動に感銘を受けた」との声をいただき、あらためてOMの存在意義を広く示すことができた。
コロナ禍以前に積み重ねてきた職員同士のつながりの輪が、こうして再び広がり始めた。つながりの深化が今後どのような化学反応を起こすのか、私たちも楽しみだ。未来に向けて、これからも着実にとちのきOMの歩みを進めていきたい。
(栃木市職員/福田英臣)