連載 vol.18「つながる」力 「もっと地域に出なきゃ!」から始まった5人の県職員による「つながり」の軌跡 【倉根明徳(長野県職員)】

地方自治

2021.10.18

本記事は、月刊『ガバナンス』2015年9月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。

「もっと地域に出なきゃ!」から始まった5人の県職員による「つながり」の軌跡

 始まりはたった5人の県職員が発した「もっと地域に出なきゃ!」という言葉だった。これは、2013年4月からスタートした政策研究(職員研修)に集まった若手職員が、「魅力的な長野県にしていくには何が必要か」というテーマで議論を重ねる中で出てきた言葉である。その後、5人で県内の様々な地域活動に参加した結果、多様なつながりを生むプラットフォームが必要であるという結論に達し、同年12月、さらに5人の仲間を加えた10人の県職員で「信州イノベーションプロジェクト(SHIP)」を発足した。

 発足直後は、主に県内各地の地域活動をサポートしていただけだったが、活動を通じて民間や学生の仲間が増え始めたのを機に、14年6月から、様々な人が集まって、学び、交流する「オープンカフェ」という活動を始めた。「オープンカフェ」は毎月1回開催しているが、最近では告知から約1週間で40人の定員に達する人気ぶりで、刺激的かつ楽しい交流の場となっている。さらに、ここでの出会いをきっかけに、様々な活動からのコラボ提案も増え、日々活動の幅を広げている。

 「私」的な活動として始めたSHIPだが、最近では、知事が各地を回る「県政タウンミーティング」や、県主催のワークショップなどでファシリテーションを任されるなど、「公」的な場面でも活動する機会が増えている。さらに、今年4月からは、SHIPのネットワークを活用して多彩な講師陣を招く「県庁夜大学」も開始した。これは、主に県職員のスキルアップが目的だが、この活動を通し、組織内のタテ×ヨコ×ナナメのつながりを作りたいと思っている。その他、民間企業との交流をきっかけに県庁へ導入した「TABLE FOR TWO」(TFT)、TFTの取組みをきっかけに生まれたJICAとのコラボ企画「地球の料理教室」など、まさにSHIPが多様なつながりを生むプラットフォームになっている。

 たった5人の行動が、何百人のつながりを生み、様々な効果が出始めている。是非これからの長野県に期待して欲しい。

(長野県職員/倉根明徳)

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