クローズアップ マイナンバー制度plus 第12回 マイナポータルでできること
地方自治
2024.04.16
この資料は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊J-LIS」2023年11月号に掲載された記事を使用しております。
なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと使用しております。
クローズアップ マイナンバー制度 plus
第12回 マイナポータルでできること
デジタル庁 総務省
1 はじめに
マイナポータルは、デジタル庁が開発・提供しているオンラインサービスです。行政機関の間で利用者本人のマイナンバー制度に関わる情報照会・情報提供が行われた記録が閲覧できるほか、お住まいの市区町村の行政手続の検索やオンライン申請、行政機関等が保有する自分の情報の取得・閲覧、行政機関等からのお知らせを受け取ることなどが可能です。また、簡単に行政手続ができるように申請書類作成時の入力を支援する機能や、申請に必要な情報を連携する機能なども有しています。
今回は、マイナポータルの概要や、日常生活に関係する機能を中心にご紹介いたします。
補足 マイナンバーとマイナンバーカード、マイナポータルについて(図-1)
●マイナンバーとは
「住民票をもち、日本に住んでいるすべての人」ひとりひとりに紐づけられた12桁の番号です。国の行政機関や地方公共団体などが、法令又は条例で定められた行政手続を行う場合に限って利用するものです。
●マイナンバーカードとは
氏名、住所、生年月日、性別などが記載された顔写真付きのプラスチックカードです。マイナンバーカードには、券面に記載された事項以外の機微な個人情報は保存されていません。また、マイナンバーカードは自分で申請して作成します。
●マイナポータルとは
国民ひとりひとりが、オンラインで様々な行政サービスを受けることができる政府公式ウェブサイトです。一部の機能のご利用には、マイナンバーカードが必要です。
2 マイナポータルでできること
(1)引越しの手続(転入・転出の申請など)
2023年2月6日から、「引越し手続オンラインサービス」が始まり、引越しをする際の転出届の提出が、マイナポータルを通じてオンラインでできるようになっています。従来の引越しの手続では、転出元の市区町村の役所等で、転出届を提出し、転出証明書を受け取った上で、転入先の市区町村の役所等において、転出証明書とあわせて転入届を提出する必要がありました。マイナポータルを利用すれば、転出届の提出や、転入届の提出を行う際の来庁予定の連絡をオンラインで済ませることが可能です。
(2)年金の手続(国民年金の加入、免除・納付猶予申請など)
マイナポータルでは、国民年金1)の加入や、保険料の免除・納付猶予等の手続を行うこともできます。また、マイナポータルとねんきんネット2)を連携させれば、年金記録・見込額を見ることも可能です。
1)国民年金(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/index.html
2)ねんきんネット(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/n_net/
(3)パスポートの手続(切替申請など)
マイナポータルからパスポート(旅券)の更新(切替申請)もできます。マイナポータルで切替申請を行うことで、旅券事務所に行くことは原則として受け取り時の一度だけになります。また一部の窓口では、新規申請や記載事項変更の申請もオンラインで申請できるようになっています。これらの申請は、現時点では戸籍謄本を郵送(簡易書留)により提出する必要がありますが、2024年度中に戸籍情報との連携が実現することによって、戸籍謄本の郵送は原則不要になる予定です。
(4)地方公共団体に対する各種手続
マイナポータルを通じて、お住まいの地方公共団体の子育て・介護に関する行政手続の検索や、オンラインでの申請ができます。例えば、児童手当に関する手続や保育施設等の利用申込などの子育てに関する手続や、要介護・要支援認定の申請などの介護に関する手続ができるようになっています。申請可能な手続はお住まいの地方公共団体により異なりますので、マイナポータル「手続の検索・電子申請」より詳細をご確認ください3)。
3)行政手続のオンライン化(デジタル庁)
https://www.digital.go.jp/policies/administrative_procedures_online
(5)診療・薬剤・医療費・健診情報の確認
「わたしの情報」で、ご自身の診療情報、過去に処方された薬剤の情報、医療保険の医療費に関する情報、健診情報(特定健診情報や後期高齢者健診情報)の確認を行うことができます。
診療や医療費に関する情報については、受診した医療機関等の名称や、医療費の総額、保険者の負担額、窓口での負担額などの確認が可能であるほか、確定申告における医療費控除の手続において、マイナポータルとe-Taxを連携させることで、医療費通知情報の自動入力が可能となっています。
薬剤情報については、過去に処方された薬剤の名称や用法用量、実際に調剤された数量の情報を取得できるほか、ジェネリック医薬品への切替えによる削減可能額を知ることも可能です。
健診情報(特定健診情報、後期高齢者健診情報)については、2020年4月以降に受診した直近最大5回分の健診情報を取得できます。健診情報を経年比較し、血圧や血中脂質などの健診項目の数値の変化を確認すれば、自身の健康の管理に役立てることが可能です。
(6)各種お知らせの通知
マイナポータルは、行政機関からのお知らせが届くほか、マイナポータルからオンラインで行政手続を行った際に、申請状況の変更や申請先からの連絡内容更新があった場合に、プッシュ通知が届くようになっています。この機能を活用して、国民年金保険料の免除・納付猶予の対象となる方に申請事項が記入済の案内をマイナポータル経由でプッシュ通知して、簡単にオンライン申請ができる機能を提供しています4)。
4) プッシュ通知/スマートフォンを使ってプッシュ通知を受けとる(マイナポータル)
https://img.myna.go.jp/manual/03-13/0185.html
3 マイナポータルを利用するには
マイナポータルを利用するには、マイナポータルアプリのインストール後、利用者登録が必要です5)。ログインには、数字4桁の暗証番号(利用者証明用電子証明書のパスワード)が必要です(図-2)。また、一部のスマートフォンをご利用の方は、必要な設定を行うことで、スマホ用電子証明書の利用もできます。
5)利用者登録の手順のご案内
https://myna.go.jp/SCK0101_03_001/SCK0101_03_001_Reload.form
4 おわりに
今回は、マイナポータルの概要と、日常生活に関係する機能を中心にご紹介いたしました。マイナポータルはほかにも、法人設立ワンストップサービスや、e-Taxを利用した確定申告で、控除証明書等をオンラインで一括取得する機能なども提供しています。また、デジタル庁では、現在のマイナポータルにある機能を見つけやすく、アクセスまでの手間を減らすことができるよう、継続的にデザインをリニューアルしています(マイナポータル実証版7))。
7)マイナポ―タル実証版
https://www.digital.go.jp/policies/myna_portal/validation
今後もマイナポータルは、できることが広がり、便利になっていきます。地方公共団体の皆様におかれましても、引き続き、住民の方へのマイナポータルの利便性周知につきまして、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。