霞が関情報|「地方財務」2019年6月号(ぎょうせい)
地方自治
2019.09.19
(「地方財務」2019年6月号)
女性議員増で報告書(内閣府)
内閣府は、「諸外国における政治分野への女性の参画に関する調査研究報告書」を公表した。有識者による調査研究会が内容を検討した。
政治分野で女性議員を増やしていく方法として、政党や政治団体に対する公的助成金の配分を調整し、政党に女性候補者擁立のインセンティブを与える海外の取り組みが参考になるとしている。
報告書は、2019年1月現在で、女性議員が占める割合について、日本の衆議院では10.2%であり、参議院では20.7%であると説明。同月時点で、世界の女性の国会議員(下院)の議員率ランキングをみると、日本の衆議院は世界193か国の中で165位であり、経済協力開発機構(OECD)諸国では最下位に位置していると指摘した。
また英国の保守党のキャメロン党首(前首相)やフランスの共和国前進のマクロン党首(大統領)が、どちらも女性議員増加を願う自らの姿勢をビデオメッセージで効果的に発信していると指摘。党首の姿勢を明らかにする必要性に言及した。
各政党の女性候補者が一定の割合に満たない場合、政党助成金が減額されるといった、女性議員を増やすことを目的とする制度を改めて検討するよう促した。
温室効果ガスは12億9200万トン(環境省)
環境省は、2017年度の温室効果ガス排出量の確定値を公表した。日本での総排出量は、二酸化炭素(CO2)に換算すると12億9200万トンとなり、前年度の13億800万トンに比べて1.2%減った。減少は4年連続となった。
実質GDP(国内総生産)当たりの温室効果ガス総排出量は、13年度以降5年連続で減った。
排出量が減少した理由について同省は、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーの導入拡大や原子力発電所の再稼働等によって、エネルギーの国内供給量に占める非化石燃料の割合が増加したことなどを挙げている。
CO2の排出量の内訳は、工場などの「産業部門」が、前年度比で1.5%(630万トン)の減だった。自動車などの「運輸部門」が、同じく1.05%(210万トン)の減。ただ、灯油や都市ガスなどの消費に伴う排出量が増えた結果、「家庭部門」は、同じく0.6%(100万トン)の増となった。
総合職申し込み11.8%減(人事院)
人事院は、国家公務員採用総合職試験(大学院卒・大卒程度)の2019年度の申し込み状況をまとめた。将来の幹部候補生として、中央省庁などで政策立案に携わる総合職の申込者数は1万7295人で、前年度に比べ11.8%減った。
総合職全体の採用予定者数は約700人となっており、政策課題討議試験や人物試験を経た上で、6月25日に最終合格者を発表する予定だ。
男女別にみると、女性の割合は前年度比で2.7ポイント増えて全体の37.9%と過去最高になった。
試験区分の系統別にみると、「法文系」が1万2904人で前年度に比べて1646人(11.3%)減った。「理工系」は3209人で同543人(14.5%)の減。「農学系」は1182人で、同125人(9.6%)減少した。
ホームレスの全国実態調査(厚生労働省)
厚生労働省は、ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)の結果をまとめた。それによると、2019年1月現在で確認された全国のホームレスの数は、4555人で前年に比べて422人減った。
調査は、ホームレスの自立支援に関する施策に役立てるのが目的で実施された。東日本大震災の影響で調査をしていない福島県の大熊、双葉の2町を除いた全市区町村が、巡回での目視によって確認した。
ホームレスが確認されたのは275市区町村で、前年と比べて9.1%減った。男女別の内訳は、男性が4253人、女性が171人、不明が131人だった。
都道府県別にみると、東京都が最も多く、1126人だった。次いで大阪府1064人、神奈川県899人となっている。
ホームレスが確認された場所は、都市公園22.7%、河川30.3%、道路18.7%、駅舎5.2%で、前年度から大きな変化はなかった。