連載 vol.100「つながる」力 ワークライフシナジー【井上貴至(山形市職員)】
地方自治
2024.04.22
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2022年7月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
住民に身近な基礎自治体で分野横断的に様々な課題を探求できる、そして現場から日本を良くするための提案もできる今の仕事は天職だと受け止めている。街を歩いても、旅をしても、本を読んでも、いつも、山形市がどうすればより良くなるか、山形市から社会に良いインパクトを与えられるか考えている。
自治体は地域独占なので全国の先進事例を容易に真似し、置き換えることができる。住民にとって最適な政策を実現するためには、全国の職員とつながり、アンテナを高くすることが効果的だ。また、民間企業の技術やNPOのネットワークなどを生かすことも不可欠である。
変化が激しい時代、多くのものは時間とともに急速に価値を失うが、つながりは時間とともに価値を増していく。そうした意味でも、つながりは重要だ。
では、どうすれば、良質なつながりをつくることができるのか。一対一で向き合う、相手の現場に飛び込む、予習・復習を大切にする、一緒に旅をする、自分から情報を発信する、勉強会を主催するなど様々な方法があるが、最も大切なことは、一人一人をリスペクトし、どう喜ばせるかという気持ちを持つことだ。仕事のほとんどは気持ちで決まる。気持ちが変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる。
ワークで得たつながりはライフも豊かにする。今も鹿児島県長島町で御縁をいただいた方々からは鰤やじゃがいも、デコポンが、愛媛県の方々からはみかんが届く。私からは旬のさくらんぼを贈っている。また、ライフで得たつながりがワークに生きることも多い。
ワークライフバランスは、労働を苦役と捉え、労働を少なくすることでライフを増やそうという考えが根底にあるようだが、それではワークがある限り幸せにはなれない。むしろ、ワークライフシナジーの方がしっくりくる。
住めば都、働けば天職。限られた期間だからこそワークもライフも満喫し、つながりを大切にしていきたい。
(山形市職員/井上貴至)