連載 vol.97「つながる」力 組織は違えど、一緒に汗を流し、固い絆で結ばれた仲間との交流が活力の源【友澤宏之(愛媛・西条市職員)】
地方自治
2024.03.11
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2022年4月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
「仕事より、友人を30人増やしてきなさい!」
2013〜2014年度の2年間、文部科学省スポーツ青少年局(現スポーツ庁)へ出向を命ぜられたとき、当時の部長から言われた言葉である。正直、「仕事しなくていいの!?」と驚いた。が、今となってはその意味が心に染みるように理解できる。
出向中、オリンピック選手等の強化支援や国体業務に従事した。2013年は2020東京大会の開催が決定した年であり、業務は非常に濃いものであったが、業務上知り合った競技団体や大学関係者のほか、他自治体からの出向職員とも積極的に交流を深めた。
出向終了後は、2017年愛媛国体ハンドボール競技会の業務を担当し、共催市の松山市をはじめ、岩手県花巻市など多数の県内外他市町の仲間と出会うことができた。
この間、500枚以上の名刺を交換した。
組織は違えど、「2020東京大会・愛媛国体の成功」という同じミッションの達成に向け、苦難を乗り越えるために共に汗を流した先輩や同僚との間には固い絆が結ばれた。
今でも、日常的にSNS等で近況を報告し合い、また、当時の仲間が突然九州から来たり、私も福井等へ思い付きで出向いた際には、お酒を交わしながら絆を深めているが、仲間からはいつも刺激とパワーをもらっている。
一方、西条市の中では、中・四国初となる自治政策研究所や各種WG活動など、庁内の人材育成プログラムにも積極的に参加しつつ、町内会、PTA、消防団などの地域活動にも参加し、組織内外問わず、人との交流を大切にしている。
現在の私のミッションは、海外と西条市をつなぐこと。人生は常に勉強。一人では何もできない。今後も心の拠り処である「仲間」を多くつくり、仲間と一緒に覚悟をもって地域の課題を解決していくとともに、後輩にも数珠の珠(仲間)を集め、一本の糸でつなぐことの大切さを伝えていきたい。
国内外問わず、一緒に汗を流した仲間・友人との交流こそ、私の活力の源である。
(愛媛・西条市職員/友澤宏之)