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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2023 月刊「ガバナンス」2023年12月号

地方自治

2023.12.25

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2023年12月号)

●自治体の生成AIに関する情報を共有するポータルサイトを開設

 神奈川県横須賀市(39万800人)は、デジタルコンテンツの企画・制作・配信を行っているnote㈱と連携協定を締結し、自治体の生成AIに関する新たな情報を共有するポータルサイト「自治体AI活用マガジン」を開設した。生成AIの活用に取り組む自治体と垣根を越えて連携し、全国に向けて生成AI導入に関する情報や活用事例を広く発信し、共有するのがねらい。全国初の取組みで、サイト立ち上げ時点で、運営者の横須賀市のほか、生成AI先進自治体の東京都、宮崎県都城市、神戸市、茨城県つくば市、埼玉県志木市、東京都目黒区、三重県桑名市、千葉市、熊本市、埼玉県戸田市が参加した。
 ポータルサイトの構築・運営サポートと情報発信スキル向上の支援、生成AIに関するイベント企画などはnoteが担い、ポータルサイトの構築・運営と情報発信は横須賀市が行っている。ポータルサイトには参加自治体が投稿した生成AI活用に関する取組みの情報や担当者のAI活用コラムを掲載。参加自治体の投稿費用は無料で、サイトは自治体に限らず誰でも見ることができる。
 横須賀市は参加自治体を随時募集しており、同ポータルサイトをきっかけに、多くの自治体が生成AIの導入について、その是非も含めて検討し、将来的には全国の自治体がAIとうまく共存し、住民も職員もより幸せになる未来を目指していきたいとしている。
(月刊「ガバナンス」2023年12月号・DATA BANK2023より抜粋)

 

●グリーンスローモビリティの導入効果を検証して発表

 大阪府河内長野市(10万1800人)は、市内南花台地域で実施している高齢者移動支援の効果を千葉大学などと連携して検証し、千葉大学がその結果を学術誌に発表した。
 市は南花台団地再生モデル事業の一環として、買い物等の移動支援に向けて、19年12月からグリーンスローモビリティ(時速20km未満の電動カート)「クルクル」を運行している。その取組みによって高齢者の外出機会が増え、人とのつながりや心身への好影響が期待されているものの、それを裏付ける報告がなかったことから、電動カート利用高齢者の主観的変化を調査した。
 調査は、河内長野市、千葉県松戸市、ヤマハ発動機㈱、千葉大学予防医学センターが連携し、電動カートを運行している河内長野市南花台と松戸市2地区の65歳以上の電動カート利用者・非利用者599人を対象にアンケートで実施。高齢者の健康状態や暮らしの変化を答えてもらい、電動カートが健康や暮らしにどのような影響を与えているのかを検証した。その結果、利用者は、非利用者と比較し、①外出機会、行動範囲の増加は1.7~1.9倍、②家族・家族以外と話す機会、助け合い、地域活動参加は2.8~5.2倍、③楽しみ、生きがい、笑い、明るい気持ちの増加は2.1~2.6倍、にそれぞれ高まっていることが分かった。電動カートによる移動支援には、外出や人とのつながりなどに良い変化をもたらす“動く交流の場” 機能があり、地域課題解決の可能性が示されたことから、その成果が学術論文として23年10月の「老年社会科学」に発表された。
(月刊「ガバナンス」2023年12月号・DATA BANK2023より抜粋)

 

●子ども虐待対応のプロを育成する実践型大学院を開設

 山梨県(81万6300人)は、24年4月に子ども虐待対応のプロを育成する実践型大学院として人間福祉学研究科人間福祉学専攻修士課程を山梨県立大学に開設する。虐待対応や保育現場での虐待早期発見と子どものケアなどが行えるスペシャリストの養成を目指しており、定員は1学年5人の10人。
 同研究科修士課程では、子ども家庭福祉分野や保育・幼児教育分野、ソーシャルワーク分野などで活躍できる能力として、①虐待相談業務や心理的ケアの高度な知識と技能、②多職種と連携して虐待リスクのある子ども・家庭への包括的な支援体制を構築できる能力、③理論と実践を結びつけて新たな知見を導き出し、効果的な制度改革や政策等を提言できる能力の修得を目指す。昼夜開講制で働きながら学べる授業体制とし、授業は平日夜間(週2~3日)と土曜に行い、オンライン授業と対面授業を併用。子ども虐待領域を柱に、子ども理解領域、ソーシャルワーク領域の関連科目から幅広く選択履修できるようにし、児童相談所や児童養護施設等での実習・演習と専門的な指導助言を融合し、経験の理論化を図っていくのが授業の特徴。虐待対応のプロ育成に特化した大学院は全国初となる。
(月刊「ガバナンス」2023年12月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●もみ殻バイオマスによる地域熱供給事業に着手

 秋田県大潟村(3100人)は、米の収穫に伴って大量に発生するもみ殻を燃料にしたバイオマスボイラーによる地域熱供給事業を進めている。自然エネルギー100%の村づくりに取り組んでいる村は、環境省の脱炭素先行地域に選定され、その補助金を活用して同事業に着手した。もみ殻を燃料にしたバイオマス地域熱供給は全国初の試みとなる。
 ボイラーはもみ殻が排出されるカントリーエレベータ公社地内に設置。23年度に2基、26年度までに計4基を導入し、1基につき年間1500~2000tのもみ殻を燃料として熱を発生させ、片道3.5kmの熱導管を敷設して村内公共施設へ熱を供給する。また、もみ殻の焼却で生じる燻炭は、土壌改良剤として育苗の床土へ混合するなど農地へ還元する。熱導管敷設やボイラー棟の工事を進め、24年7月の稼働を目指している。
(月刊「ガバナンス」2023年12月号・DATA BANK2023より抜粋)

 

●職員向け「SDGsチェックリスト」を作成

 京都府亀岡市(8万7500人)は、職員向けにSDGsチェックリストを作成した。職員が業務に従事する際に、SDGsの視点を持つとともに、常に意識してもらうのがねらい。職員ポータルサイトに「SDGsチェックリスト」欄を設け、業務を実施する前に、チェックリストでその業務におけるSDGsの観点を確認してもらい、取り入れられることは取れ入れ、取り入れることができない場合も、その事項を認識してもらうことで、職員の意識を高めていく。
 現在、チェックすることができる項目は①発行物の作成、②イベントの開催、③会議を開催、④ホームページの作成/更新。例えば「会議を開催」を選択すると、「マイボトルの持参を呼びかけているか」「できる限りペーパレスを実現しているか」「男女比に偏りがなくなるよう努めたか」「子育てや介護など、様々な事情がある人も参加できる時刻に開催しているか」などの項目が表示され、職員はできている項目にチェックを入れて事務局に送信する仕組みだ。市としてもチェック項目を集計することで、どの項目が弱いのかを把握できる。職員からの意見などを取り入れながら、チェック項目を増やすなど随時改良していく予定だ。
(月刊「ガバナンス」2023年12月号・DATA BANK2023より抜粋)

 

●価格転嫁の必要性が見える「収支計画シミュレーター」の提供を開始

 埼玉県(738万5800人)は、価格転嫁の有無が今後の企業収益に与える影響をシミュレーションできる「収支計画シミュレーター」を作成し、無料で提供を開始した。
 同県では、エネルギー・原材料価格の高騰が長期化するなか、県内企業が適正に利益を確保し、賃上げの正のスパイラルにつなげていけるよう価格転嫁の円滑化に向けて取り組んでいるが、今回その一環として、適切な価格転嫁をしない場合、今後の収益にどの程度影響を与えるのかを理解し経営に生かすことができるよう、物価高騰に見合った適切な価格転嫁の程度を分析するツールを公開。同ツールの作成にあたっては、埼玉りそな産業経済振興財団と埼玉県中小企業診断協会が協力した。
 同ツールは、経営者自ら操作・分析ができるよう、一般的な表計算ソフトが用いられている。さまざまな業種に対応しており、価格転嫁をした(できた)場合と価格転嫁をしなかった(できなかった)場合それぞれの今後の5年間の売上高・経常利益推移がグラフで示されるなど、「どれくらい価格転嫁すればよいか」を視覚的に把握できる。
 実際の利用に際しては、入力方法を県の相談窓口でサポートする。県は、「価格交渉に役立つ伴走型支援」(中小企業診断士が支援を希望する企業を訪問し、価格交渉の課題の洗い出しなどで支援する仕組み。価格交渉に必要なノウハウの提供等も実施)と同ツールを併用することで、さらに効果が上がるとしている。
 県では、「収支計画シミュレーター」と併せて「価格交渉支援ツール」も無料で提供している。「価格交渉支援ツール」は、主要な原材料価格(1420品目)の推移を示す資料を簡易に作成することができ、日本銀行の公表データに基づいているため正確性も担保される。
 両ツールは県のWEBサイトからダウンロードできる。
(月刊「ガバナンス」2023年12月号・DATA BANK2023より抜粋)

 

●「自治体におけるChatGPT等の生成AI活用ガイド」を公開

 埼玉県戸田市(14万1300人) は、自然言語型の生成AIであるChatGPT等を自治体の業務に活用するための方法をまとめた「自治体におけるChatGPT等の生成AI活用ガイド」を作成・公表した。
 市では、自治体の業務における生成AIの活用方法を検討するとともに、リスク・危険性を把握し、安全に利用する方法を検証することで、自治体における業務改革の促進に寄与することを目的として「ChatGPTに関する調査研究事業」を実施。他の行政機関においても応用可能な知見となることが期待されるため、今回、同事業の成果をガイドとしてまとめた。
 ガイドは、ChatGPTをはじめとした生成AIの活用に取り組みたいと考えている自治体職員を主な対象としている。本編(基礎編、ルール編、活用編)と事例・資料編の2 部構成で、本編では、自治体がChatGPT等の生成AIを活用する際に必要となる情報を、事例・資料編では、「職員採用論文をChatGPTに書かせた場合」などの活用事例、調査研究事業で使用した資料等を掲載している。ガイドは、市のWEBサイトからダウンロードすることができる。
(月刊「ガバナンス」2023年12月号・DATA BANK2023より抜粋)

 

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