連載 vol.78「つながる」力 つながりの「化学反応」 【原 康徳(鳥取・境港市職員)】
地方自治
2023.08.04
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2020年9月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
人とつながるというのは、つまりは多くの人の情報やスキル、アイデアなどがつながることであり、そこから創造されるコトやモノには無限の可能性が広がっていく。
私自身、2015年度から5年間所属した農政部署時代に大きな転機を迎えた。近隣各市町村職員対象の人財育成研修で一緒になったグループのメンバーと、地域づくりの話で意気投合。研修後もつながりを継続し、現在では自治体や県境をも超えた広域でのネットワークを形成して、自主勉強会や自主イベントの開催をするまでに発展してきている。また、自分の住む中国地方エリアでの研修や、千葉県の市町村アカデミー、滋賀県の全国市町村国際文化研修所での研修にも参加し、全国の同志とつながりができた。普段はなかなか会えないがSNSを中心につながりを継続している。
地域活動の面では、農政課に配属後、同級生が農家であることを知り、久々に再会し話をしているうちに農業の話で意気投合、その場で自主活動グループを結成した。その後、市内や近隣のまちの若手農家が集まり、さらには県の農林部署やJAの若手職員など、農業現場に熱い想いを持った有志が集うグループとなり、農業に関する人財や情報がつながるまさに農業のプラットフォームを形成している。そしてこの活動をSNS等で発信していくことによって、多くの人に情報が行き渡り、農業分野に関心のある人から情報や企画がもたらされる。
具体例をいくつかあげると、ふるさと納税の返礼品、農産物の規格外品を使ったご当地カレー、農産物PRポロシャツなどの開発につながった。実はこれらの企画が実際に形になった要因の一つに、前述した研修等で出会った職員やその知人の飲食店経営者などのキーパーソンとの出会いがあり、つながりの力を非常に実感している。
職場でも地域でも、その人の持つ情報やスキル、アイデアなどがつながることによって、様々な化学反応が起きる。今後もその化学反応を楽しみに、人とのつながりを継続、発展させていきたいと考えている。
(鳥取・境港市職員/原 康徳)