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ガバナンス編集部

自治体最新情報にアクセス|DATABANK2023 月刊「ガバナンス」2023年4月号

地方自治

2023.04.28

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2023年4月号)

●衛星データを活用して「水道管凍結注意マップ」を作成

 愛知県豊田市(41万9200人)は、JAXAベンチャーである株式会社天地人と連携し、様々な人工衛星から取得した地表面温度データを活用した「水道管凍結注意マップ」を作成した。土地評価プラットフォーム「Tenchijin COMPASS」を使用し、内閣府宇宙開発戦略推進事務局の「課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」の一環として取り組んだもので、冬場における水道管凍結による漏水や断水の注意喚起を図るのがねらい。衛星データを活用して水道管の凍結リスクを評価する取組みは、全国自治体で初となる。
 水道管凍結注意マップでは、2021年12月~22年3月の4か月間に市内の地表面温度がマイナス4℃以下になった日数(1日、2日、3日以上)に応じて水道管の凍結注意度を3段階(濃淡の青色3色)で地図上に表示した。気温がマイナス4℃以下になると水道管凍結のリスクが高まるが、水道管のほとんどが地中に埋まっていることから地表面温度を表示したという。マップではPCやスマートフォンなどから居住地域等における水道管の凍結注意度を確認でき、自宅の水道管凍結防止対策に役立てられる。
 また、市のホームページでは、同マップとともに、タオルや布を蛇口に巻いてビニールテープで固定するなどの凍結防止対策や、凍って水が出ないときや水道管が破裂したときの対応策なども掲載している。
(月刊「ガバナンス」2023年4月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●IoT機器を活用したフレイル予防事業を実施

 福島県いわき市(31万4900人)では、IoT機器を活用することで歩行を見える化し、評価・アドバイスを行うことで、フレイルの早期発見・予防につなげる「IoT機器を活用したフレイル予防事業」を実施した。フレイルとは、康な状態と要介護状態の間の状態で、心身の活力が低下してしまっている状態のこと。
 市では、要介護認定率が年々上昇しており、全国平均や県内他自治体と比べて高い状況にある。また、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による外出自粛の影響などから、要介護リスクが高まるフレイル進行が危惧されている。今回の事業は、こうした状況を受けてのもの。2023年1月から3月までの間、地域包括支援センターや公民館など市内6か所で実施した。
(月刊「ガバナンス」2023年4月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●「川口プライド条例」を制定

 埼玉県川口市(60万5500人)議会は、議員提案で「大きな声で川口が大好きだと叫んでみませんか川口プライド条例」を制定した。
 「住みやすい川口を超えて、ますます選ばれるまち川口、いつまでも住み続けたいまち川口の実現を目指して、川口の魅力を掘り返し、見つけ直し、改めて知るとともに、高め、発信し、川口の魅力の認知を広げることで、多様な価値観を持つみんながひとつになれる川口プライドを育むこと」を目的とした条例で、「みんなに川口プライドを持つことを強く求めるものではなく、みんなの川口に対する思いを尊重する」、「みんなが自発的に行う川口プライドを高める行動を尊重する」ことを基本的な考え方としている。
 基本的な取組みとしては、川口の魅力を高める事業の推進、市内外に向けた川口の魅
力の積極的な発信などを行うとしている。
(月刊「ガバナンス」2023年4月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●公立夜間中学を開校

 千葉市(97万6300人)は、公立夜間中学として市立真砂中学校かがやき分校を2023年4月に開校した。公立夜間中学は、市町村や都道府県が設置する中学校において夜の時間帯等に授業を行う中学校で、卒業すると中学校卒業の資格が得られる。不登校など様々な事情によって十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した人や十分に義務教育を受けられなかった在留外国人などに、個々の学習歴や学力に応じた学習機会を提供するのが目的で、県内では3校目になる。
 同校は真砂中学校に隣接する教育複合施設「まさご夢スクール」の4階に、各学年1学級の3学級を設置。生徒の実態に合わせて週20単位程度の特別の教育課程を編成し、原則として昼間の中学校と同様の科目を履修。教科担任に加え、学習指導の補助教員や日本語指導教員など、全ての授業で複数の教職員を配置するほか、通学に不安を抱える不登校経験者や外国人の生徒に対応するため、養護教諭に加えスクールカウンセラーを配置するなど、手厚い支援体制を整備した。在学年限は原則3年間で、入学を希望する生徒の学習状況等を踏まえて相当の学年に入学する。全課程修了者には中学校の卒業証書を授与する。
(月刊「ガバナンス」2023年4月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●AIによるリスク予測などを活用した「子供の予防的支援構築事業」を実施

 広島県(278万8700人)では、AIなどを活用した「子供の予防的支援構築事業」を実施している。
 この事業では、県内モデル市町において、母子保健、生活保護、児童扶養手当、学校の健康診断など市町が保有する子供の育ちに関係する様々な情報を集約。それらの情報を対象に実施するAIを活用したリスク予測などを参考に、子供や子育て家庭が抱える児童虐待などの様々なリスクを早期に把握する。そのうえで子ども家庭総合支援拠点を中心に支援の対象者を決定し、ネウボラや学校といった関係者間で情報を共有し、予防的な支援を継続的に行う仕組みを構築する。
 モデル市町となるのは、府中町、府中市、海田町、三次市の4市町。この事業を通じて、子供の育ちにつながるリスクを早期に把握し関係者で情報共有して予防的支援を行うことにより、問題が未然に防止され子供が心身ともに健やかに育つことを目指している。
 ただし、県が子供の情報を管理するデータベースを一括して構築する取組みではなく、またAIが支援の対象者を決める取組みではないとのこと。
 府中町における取組みは2022年度デジタル庁「こどもに関する各種データの連携による支援実証事業」に採択された。
 予防的支援の仕組みは大きく以下の三つとなる。① 統合された情報やAIを活用したリスク予測結果を参考とし、子ども家庭総合支援拠点において支援対象者を決定。② 要支援児童については、年齢に応じてネウボラの保健師や学校のSSW(スクールソーシャルワーカー)と情報を共有し、リスクアセスメントを実施。③ 関係者での調査を踏まえて、定期面談、電話、訪問などの予防的な支援を継続的に行う。
(月刊「ガバナンス」2023年4月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●衛星画像データを活用して都市計画基本図を更新

 山口県山陽小野田市(6万900人)は、衛星画像データを用いた新たな手法による都市計画基本図の更新に取り組んでいる。都市計画基本図は、都市計画法第14条が定める都市計画の図書としての総括図、計画図及び計画書の基となる地形図のこと。
 市では、山口県の産業技術センターに設置されている「衛星データ解析技術研究会」の企業を含むプロジェクトチームとともに、2020年度の国の実証事業において、空中写真測量が主流である都市計画基本図の更新について、衛星画像データを用いることでコスト削減を図る新たな手法を開発するとともに、精度を満たすことを確認している。このほど国土地理院との協議を経て、適用範囲は限定的であるものの新しい測量技術として使用することが認められた。衛星画像データを活用した都市計画基本図の更新は全国初。
 新たな更新手法の実施地域は市の平野部全域で、衛星リモートセンシングデータを利用した都市計画基本図更新業務共同企業体(代表企業:(一財)リモート・センシング技術センター、構成企業:(株)エヌ・ティ・ティ・データ、中日本航空(株))が事業を受注した。
(月刊「ガバナンス」2023年4月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

●拉致問題の啓発推進条例を制定

 新潟市(77万9600人)議会は、議員提案で「拉致問題等啓発推進条例」を制定した。同条例は、拉致問題等について、市民に対し積極的な啓発を行うことにより、風化防止を図り、早期解決に資することを目的とした条例で、拉致被害者のみならず、「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案」も含めているのが特徴。市の役割として「啓発を効果的に進めるため、推進体制の充実に努めるものとする」という規定に基づき、全庁を対象とした拉致問題啓発推進会議を発足。同会議は、市長を議長とし、部区長以上の職員を委員として、危機管理防災局長を事務局長とした。開催頻度は年1回を基本とし、必要に応じて随時開催することにしている。
(月刊「ガバナンス」2023年4月号・DATA BANK 2023より抜粋)

 

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