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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2022 月刊「ガバナンス」2022年12月号

地方自治

2022.12.22

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2022年12月号)

●議会でタブレット端末の本格運用を開始

 福井県(77万4600人)議会は、9月定例会から議員1人に1台ずつタブレット端末を貸与し、本格運用を開始した。
 同県議会は、議会のICT化を進めるため20年7月に各会派から推薦された議員で構成するワーキンググループ(WG)を議会改革検討会議の下に設置。タブレット端末を使ったペーパーレス会議システム(資料等の電子化)メールやチャット等のコミュニケーションツール(議員と議会局の連携強化)、委員会や協議等の場のオンライン形式による開催、常任委員会のインターネット中継の導入について検討を続けてきた。21年には、WGメンバーにタブレット端末を貸与し、ペーパーレス会議システムやメール・チャットの試験運用を実施。今年度6月定例会において議会基本条例と委員会条例の一部を改正し、オンライン形式による委員会の開始を可能とする条件や必要となる機器を整備。8月にタブレット端末の使い方やペーパーレス会議システムを用いた議会資料の閲覧方法などを学ぶ議員研修会を開き、9月定例会から本格的に運用することにした。
(月刊「ガバナンス」2022年12月号・DATA BANK2022より抜粋)

 

●性の多様性に配慮した取組みを見える化する「アライチャレンジ企業登録制度」を開始

 埼玉県(739万3800人)では、性の多様性に配慮した取組みを進める企業の状況を指標により見える化し、LGBTQの人たちが働きやすい環境づくりを促進するため、「アライチャレンジ企業登録制度」を開始した。同制度では、LGBTQは「性的マイノリティを表す総称」、アライは「LGBTQを理解し、支援している人、または支援したいと思う人のこと」と定義している。
 一般的にLGBTQの多くは差別や偏見を恐れ、当事者であることを隠し生活しており、「見えないマイノリティ」と言われている。LGBTQにとって働きやすい環境づくりには企業の協力が不可欠だが、どのような取組みが支援となるのか分からないなどの課題が企業側にあり、働きやすい環境づくりはまだ十分に進んでいない。
 そこで県は、アライチャレンジ企業登録制度を通して、県内の企業にアライとして性の多様性に配慮した様々な取組みにチャレンジしてもらい、LGBTQが働きやすい職場づくりの促進を目指していく。
 取組みの指標は8項目、40指標からなる。例えば「基本的な方針:SOGI(性的指向や性自認)に基づく差別を行わないことなど、性の多様性を尊重する方針や姿勢を社内外に広く公開している」の項目では、「社内規定等への方針の明記」「方針を明文化して打ち出し、自社Webページ等で社内外へ広く公開」など4つの指標が示されている。
 対象となるのは、県内に活動拠点を有する企業・事業所で、指標のうち1以上の指標に該当することなどが登録要件となっている。有効期間は登録日から3年間。また、登録後も新たな取組みがあれば、随時追加の登録申請が可能となる。
 県では同制度に関するQ&Aを作成、登録企業の取組み状況と合わせてWebサイトで公開している。
(月刊「ガバナンス」2022年12月号・DATA BANK2022より抜粋)

 

●オンライン型結婚支援センターを開設

 滋賀県(141万8900人)は、10月1日、結婚を希望する人々のめぐりあいを応援するため、オンライン型結婚支援センター「しが・めぐりあいサポートセンター『しが結ゆい』」を開設した。同センターの会員になると、AIを活用したマッチングシステムを利用できるうえ、希望に応じて、センターのコーディネーター(相談員)から助言や支援も受けられる。
 会費(2年間の活動費)は1万5000円。入会(登録)の要件は、以下の3つのすべてを満たす人としている。
1)県内在住・在勤または滋賀県に興味や移住希望がある人
2)独身の人(本籍地のある市町村発行の独身証明書で確認する)
3)年齢が概ね50歳までの人(未成年者および22歳以下の学生は除く)
 登録希望者は、「しが結」のHP(https://shiga-yui.jp/)から仮登録を行い、本人確認面談(オンラインか対面)の後、本登録を行う。県では、オープンより随時、県内各所で出張会員登録会も開催しており、登録をする前に婚活についての相談をしたい、AIマッチングの流れを知りたい人の来場を促している。
(月刊「ガバナンス」2022年12月号・DATA BANK2022より抜粋)

 

●「複数分野データ連携による共助型スマートシティ推進事業」を実施――食・農など6分野で市民サービス提供開始

 福島県会津若松市(11万7000人)は、デジタル田園都市国家構想推進交付金(Type3)に採択された「複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」のうち、一部のサービスの提供を10月から開始した。
 事業の実施主体は、同市、会津大学、約90の会員企業・団体で構成されるスーパーシティAiCTコンソーシアム、地域の企業・団体など。産学官連携により、「食・農」などの6分野でデータ連携と付加価値の創出につながる市民向けデジタルサービスを実装する。10月から先行運用を開始したサービスの主な内容は以下の通り。
○ [食・農分野]需給マッチングサービス
○[観光分野]産業観光を起点とした観光DX
○[決済分野]地域課題解決型デジタル地域通貨
○[ヘルスケア分野]医療データベース構築、遠隔医療の拡充
○[防災分野]位置情報を活用したデジタル防災
○[行政分野]行政手続き連携による“書かない” 手続きナビ
 たとえば、[食・農分野]の「需給マッチングサービス」では、農産物の生産者と、宿泊施設・介護施設・飲食店など地域の実需者とのマッチングを行うサービス「ジモノミッケ!™」を提供開始。複数の生産者・消費者をつなぐ流通経路を最適化し、理想的な配送を実現するサービスも提供する。
 また、[行政分野]の「行政手続き連携による“書かない” 手続きナビ」では、マイナンバーカードの本人確認機能を活用して、転入・転出・転居に伴う各種手続きのオンライン一括申請の受付を開始。今年度末には、対象手続きをさらに拡大し、市民が同じ情報を何度も提供しなくてもよい申請手続きの実現を目指す。

●県立大学キャンパスでスマートストアの実証実験を実施

 秋田県由利本荘市(7万5000人)は、秋田県立大学、東日本電信電話秋田支店、テルウェル東日本、みちのくキヤンテイーンと協力し、スマートストア・システムを用いた無人運営の実証実験を同大学本荘キャンパス内で実施している。
 働き手不足の解消、感染症対策の非接触ニーズ、小売店撤退地域における買い物弱者への支援などを視野に置き、誰もがいつまでも安心して暮らすことができる田園都市づくりの策として実施するもの。店舗は移動やリユースが可能なコンテナ型店舗を採用。NTT東日本によると、自治体・大学によるコンテナ型スマートストアの実証実験は全国で初めて。
 主な実験内容は、大学キャンパスへの無人店舗の設置、学校売店運営事業者による無人店舗の運営、県立大学との購買・顧客行動データを用いた店舗運営でのデータ活用。実証実験は10月20日から2か月間実施する。
 スマートストアは、販売・レジ要員を置かず、入店から商品選択、セルフレジ決済、退店までを利用者のスマートフォンのみで完結する仕組み。防犯カメラ、入退店ゲート、入店履歴分析等によりセキュリティを確保し、専用アプリにより入出店管理と買い物をコントロールする。
(月刊「ガバナンス」2022年12月号・DATA BANK2022より抜粋)

 

●特定妊婦等へ居場所提供などの支援を実施

 熊本県(175万8800人)は、予期せぬ妊娠、経済的課題、知的障害などを理由に支援を必要とする妊産婦等(特定妊婦等)に対し、居場所提供などの支援を行っている。特定妊婦等支援臨時特例事業として実施しているもので、特定妊婦等が安心した生活を行えるようにするのが目的。
 具体的には、特定妊婦等が通所や入所により安心して生活できる居場所を提供し、妊娠・出産、出産後の生活に関する不安などに対して相談支援を行うとともに、看護師等の専門性を活かした助言等や医療機関など関係機関へのつなぎの支援を実施する。実施場所は母子生活支援等で、支援コーディネーター(管理者)、看護師、助産師、保健師、母子支援員などを配置して支援。実施事業所は児童相談所・市町村・医療機関・母子生活支援施設・就業支援機関等の関係機関と情報共有・連携して支援に当たる。
 事業実施に当たっては、特定妊婦等の支援に必要な関係機関の連携を図る連絡協議会を開催するとともに、特定妊婦等の支援ニーズを把握するための実態調査やヒアリングを行う。実施期間は23年3月31日まで。
(月刊「ガバナンス」2022年12月号・DATA BANK2022より抜粋)

 

●医療圏域を越えて市民病院を再編統合

 兵庫県三田市(11万4200人)は、三田市民病院と同市に隣接する神戸市北区に開設されている済生会兵庫県病院を再編統合して新たな病院を整備する。22年3月の「北神・三田地域の急性期医療の確保に関する検討委員会」の報告書を踏まえ、三田市・神戸市・済生会兵庫県病院の三者で協議した結果、整備することになったもので、三田・北神地域の急性期医療の充実を図るのがねらい。三者で「三田・北神地域の急性期医療確保方策」を発表し、その内容を踏まえて三田市は基本的な方向性を整理した基本方針を策定した。両病院は医療圏域が異なっており、医療圏域を越えた再編統合は全国的にも例がないという。
 新病院は、三田市民病院と済生会兵庫県病院の中間地点付近の神戸域に整備し、病床規模は400~450床の予定。新病院の設置者は三田市で、済生会兵庫県病院が運営者(三田市からの指定管理を予定)となり、神戸市は北神地域の急性期医療確保のための財政支援等を行う。
 整備に当たっては、整備費の3分の2を三田市が、3分の1を社会福祉法人恩賜財団済生会支部兵庫県済生会が負担し、神戸市が用地を確保する。また、神戸市は、三田市の実質負担額のうち、救急医療及び周産期医療にかかわる病床分を対象に、両病院の入院患者総数に占める神戸市民の入院患者の割合を支援する。
 運営費は同会が負担し、三田市は救急医療や周産期医療などの政策医療等についての同会に対する指定管理料を負担。神戸市は救急医療及び周産期医療に関する収支不足額相当額を対象に、前年の神戸市民の入院患者の割合に応じて同会を支援していく。
 22~24年度に用地の調査と確保を行うとともに基本構想・基本計画を策定し、25年度以降に設計・工事を進めて、28年度の開院を目指していく。
(月刊「ガバナンス」2022年12月号・DATA BANK2022より抜粋)

 

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