連載 vol.68「つながる」力 私の大切にしていること ── 三人による作戦会議 【平野真夕(青森・三沢市職員)】
地方自治
2023.05.18
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2019年11月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
私には、全国に同志がいる。その中に、新たな世界へ進むことを決めた大切な仲間がいる。
それまで他人と関わることが苦手だった私は、自分の気持ちを誰かに正直に伝えることもせず、理解者はいないと、どこかあきらめていた。そんな私が東北OMで活動するようになり、私はあなた方と出会い、徐々に変わりだした。つながることを恐れなくなった。
そんな私が大切にしていること、それは三人で行う「作戦会議」である。福岡市職員の今村寛さんによる「出張財政出前講座&SIM(ULATOION)ふくおか2030」を企画した時も、人材マネジメント部会での自主勉強会、グラフィック・ハーベスティングのチームも、きっかけや所属する組織、顔ぶれは違うけれど、始まりは、いつも三人。私にとっては、この「作戦会議」こそが、何よりも大切なプロセスなのだ。
「三人寄れば文殊の知恵」、そして「三本の矢」。「平凡な人でも三人集まって相談すれば、すばらしい知恵が出る」、「一本では脆く折れてしまう矢も、束になれば頑丈になる」という言葉。どちらも「三」という数字が使われている。
三人が集まり、対話をする。自分一人では、ごく限られた経験や知恵しかないし、時に大多数の意見に影響されてしまうかもしれない。しかしそれを誰かと共有することで、新しい視点や価値観、そして知識を得て、ニーズや目的などといった大切なことが明らかにされ、その呼びかけがパワフルなものとなっていく。三人の関係とプロセスを共に創り上げていくことにより増していく力強さ、そこから生まれ機能するネットワーク、そしてアクションという集合知から生み出される化学反応のおもしろさと、仲間と共創していくプロセスに醍醐味を感じている。
これからも私たちは、それぞれのフィールドで、何がベストなのか、時に迷いながら毎日を過ごすだろう。しかし、切磋琢磨し合える仲間、距離は離れていても身近に存在を感じられる仲間、あなた方との時間は非常に有意義だ。
だから私は「作戦会議が好き」なのだ。
(青森・三沢市職員/平野真夕)