東西南北デジデジ日記 vol.71 今週の担当:【東】千葉大右 ◆【自治体DX】デジタル分野のゴール設定って?②

地方自治

2023.03.16

身近な疑問や切り口で「自治体×デジタル」を考える、執筆者4人によるリレー連載。vol.70からは最後のお題として、「デジタル分野のゴールはどこだ!?」をテーマにお届けしています。執筆陣による最後の鼓舞激励です!(※本連載は毎週木曜更新です)

―――――2023年3月16日 Thu.―――――――

 

えっ? 終わり!?

デジデジ日記、今回のターン(3月30日公開予定)で最終回なんですか!?
終わりは唐突にやってきますね。
いつなにが起きても後悔しないように、毎日を精一杯過ごしたいもんです。
人生なにが起こるかわかりませんから。

 

2025年という呪縛

最後のお題は「デジタル分野のゴールはいつか?」ですか。

現在自治体システムの標準化に関わっている皆さんは、2025年を強く意識していますよね。
今や呪縛と言ってもいいかもしれないくらい、我々には2025年が刷り込まれています。

でも、なんで2025年なんでしたっけ?
決めた人はこう言ってます。

  『これを機に自治体システム標準化を進めないと、何年にできるか分かりません。期限を外すと、ズルズル(先延ばしして)いってしまいます。役所の人はそういう理屈をつくるのはうまいです。』
出典:浅川直輝・長倉克枝「インタビュー菅 義偉 氏 第99代内閣総理大臣 衆院議員 デジタル庁発足に政治生命を懸けた 勧告権は思い切ってやったほうがいい」『日経コンピュータ』2022年11月10日号、43頁

核心をついてますね。
先送りは我々役人の本能行動ですから。
2025年の是非はさておき、期限を決めないといつできるかわからないというのは同意します。

自治体システム標準化でいえば、2025年はゴールではなくスタートラインだと思っています。

今決まっていることの全てが実現できたとしても、それは2040問題のスタートラインに立ったに過ぎないんです。
「自治体システム標準化ってなんのためにやってるんだっけ?」と疑問に感じることがあったら、それは「2040問題のスタートラインに立つため」だと思い出してください。

 

2040問題

2040年頃には団塊ジュニア世代が65歳以上となり、全ての自治体において若年労働力の絶対量が不足する状況になると言われています(自治体戦略2040構想研究会第二次報告)。

これを2040問題といいますが、これを克服するためには、既存の制度・業務を大胆に再構築する必要があるともいわれています。
つまり、2025年を期限とした自治体システム標準化は、2040年に向けた既存の制度・業務の再構築の第一歩であるといえるのです。

では、2040年が最終ゴールなんでしょうか。

個人的には2040年をゴールにしていたのでは間に合わないと思います。
きっと少なからず我々役人が先送りを続けるでしょうから。

したがって、2040年に課題を克服した状況とするためには、2030年にはある程度既存の制度・業務の再構築が済んでいる必要があると考えます。

自治体システムの文脈でいえば、標準化のほかにも住基ネット、LGWAN、情報提供ネットワークシステム等々があり、これら既存の仕組みが新しい制度・業務に合わせて最適化され、職員の業務負荷を下げ、今よりも少ない職員で無理なく住民サービスを提供できる下地が整っている。
そんな状況を2030年頃までに作り上げなければならないと思うのです。

およそ20年前の国家戦略はe-Japan戦略です。
あれからなにができてなにができなかったのか。
10年後、20年後には「できた!」という実感を得たいものです。

 

私事ではございますが

最後に皆さまにお知らせです。

私事で恐縮ですが、私は3月31日をもって船橋市役所を退職いたします。
在職29年、職場の評価は知りませんが、自分ではまぁがんばったほうだと思います。
できなかったことはたくさんありますが、やり残したことはなく、今は清々しい気分です。

今回こうした思い切った決断をしたのは、上に書いた事柄を実現したいという思いからです。
私は4月以降も引き続き行政のデジタル化に関わります。
デジデジ日記の読者の皆さまにおかれましては、これまで以上に行政のデジタル化に関心を寄せていただければありがたいです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

それではまたどこかでお会いしましょう。デジデジ~!

 

~次回の日記は3月23日(木)に更新予定です!~

 

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千葉大右・多田 功・山形巧哉・今村 寛

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