【リレー連載】「自治体×デジタル」を考える 東西南北デジデジ日記

千葉大右・多田 功・山形巧哉・今村 寛

東西南北デジデジ日記 vol.68 今週の担当:【西】多田功 ◆【自治体DX】デジタルサービスをつくったあとは…③

地方自治

2023.02.23

「自治体×デジタル」を多彩な切り口からゆるっと考えてみる、現役&元自治体職員4名によるリレー日記。今ターンはサービスの広め方をテーマにお届けしています。タイムリーな話題を切り口に、「広まる」のか「広める」のかを考えます。(※本連載は毎週木曜更新です)

―――――2023年2月23日 Thu.―――――――

 

新たな体制に向けて

もう2月も中盤に差し掛かり、令和4年度も終わりに近づいてきました。
来年度の施政方針が決まり、新たな組織、新たな人員体制に向けて準備が進んでいることと思います。
3月になると人事異動の内示を心待ち(!?)にされている方もおられるのも年度末ならではといった光景ではないでしょうか。

そうはいいながらも、まだ2月!
今年度やり残した仕事がたくさんある方も多いと思いますのでラストスパート、一気にがんばりましょう!

 

ChatGPT

皆さん、「ChatGPT」は試されました??
2022年11月にアメリカのOPEN AI社がリリースした、人工知能(AI)を使ったチャットボットなのですが、一気に広まりましたね。
なんと、100万人のユーザー獲得にたったの5日で到達したようで、2月現在、全世界で1億人のユーザーがいるそうです。
(ちなみに、他のサービスの100万人ユーザー突破所要日数は、Facebook=310日、YouTube=260日、Spotify=150日、Instagram=75日、iPhone=74日だそうです)

これまでの検索エンジンと違い、質問に対して、人のように会話をし幅広い質問に答えることができるようで、無料版だとアクセスが集中していてなかなかつながりにくかったりしますが、革新的なサービスとなることは間違いなさそうです。

 

東西南北デジデジ日記とは

試しに、ChatGPTに「東西南北デジデジ日記とは」と尋ねてみました。

「東西南北デジデジ日記」は、インターネット上で公開されている日記ブログのひとつです。作者である「でじデジ」さんが、2002年から2005年までの約3年間にわたって、自分の日常生活や思考、趣味などについて綴ったブログです。
「デジデジ」という名前は、作者の愛称「でじ」に「デジタル」を掛け合わせたもので、当時のインターネット文化にあった「○○○日記」という形式を踏襲しつつ、個性的な表現やオリジナルの造語、スタイリッシュなデザインなどが話題となりました。
「東西南北デジデジ日記」は、その後もアーカイブとして公開され、多くの読者に愛されています。また、ブログの成功をきっかけに、「でじデジ」さんは作家やイラストレーターとしても活躍し、広く知られるようになりました。

…まぁ、こんな感じです。

内容の合っているところ・合っていないところはそれぞれあるものの、それなりに文章として返されてきますので、ファクトチェックが必要であることは感じていただけますでしょうか。

これじゃ使えないじゃないか~と思われる方も多いと思いますが、Excelの計算式を作ってくれたりもするので、こういったサービスが進化することで、ますます便利な世の中になっていくのかもしれませんね。

 

広まるのか広めるのか

ChatGPTのサービスを使っていて思い出したのですが、2年ほど前にはClubhouseというアプリによって、招待枠の取り合いみたいなことも起こったこともありました。

サービスの希少性によって話題となり、招待枠を持っている方に対し、いろんな方から声がかかるといった現象もありましたね。

「東西南北デジデジ日記」を読んでくださっているユーザーの皆さんは、こういったサービスを試してみるタイプですか? それとも試さないタイプですか?

新商品や新しいサービスが出てきたとき、現状維持を選んでいませんか?

うまくいかなかったらどうしようって思いがちかもしれませんが、試せば試したなりの可能性が広がります。

失敗したとしても、新しいサービスなので誰にもそんなに気づかれない(笑)。
試してダメだったり合わなかったりすればやめればいいだけですが、それすら気づかずに自分自身の可能性を狭めるのはもったいなくないですか?

なぜ、新しいサービスをやったときになかなか広まらないのでしょう。
vol.67において千葉さんはオンライン申請が使われない理由として「周知不足」を挙げられ、vol.66において山形さんは「デジタル広報力」を高めることを挙げておられました。

ChatGPTやClubhouse、古くはFacebookやTwitterといったサービスは、多くのユーザーが試してその便利さを体感したから自然と広まっていったのだと思います。

一方で、行政サービスは、試すケースがあまりない、便利なサービスはまだまだ出てきてないといった点での違いはありますが、頼るは広報やHPといった旧来型の「広める」手法が時代に合っていないのかもしれません。

 

デジタルならでは可能性

加古川市では2020年10月より参加型合意形成プラットフォーム「Decidim」を全国に先駆けて導入しました。

この原稿を書いている2月中旬現在1,570人ものユーザーに参加いただいています。
本家スペイン・バルセロナ市(人口約162万人)では2016年にサービスを開始し、15万人近くのユーザーが参加していますので、加古川市は足元にも及びませんが…。

しかしながら、Decidimというプラットフォームのおもしろいところは、過去に参加されたユーザーに対し、全く異なる話題について情報提供がなされます。
例えば、スマートシティ構想策定に対する意見やアイデア募集に参加いただいた方に、全く異なる話題である子育て施設の愛称募集の投稿について案内がなされることで、全く興味関心がなかったであるはずのユーザーにも施設の建設状況やイベントの案内が届くこととなります。

この手法が正しいわけではありませんが、これまでのリアルのワークショップだけでやっていた場合は、そのワークショップに参加したあと、別のワークショップへの案内は難しかったように感じています。
Decidimでは、リアルのワークショップに参加するまでに、現在の情報を共有しあらかじめ参加者に前提情報をインプットすることも可能です。
そして、ワークショップ終了後もデジタルツールによって、当日参加できなかった方にも情報共有がなされるとともに、参加した方はワークショップで得た経験をもとに新たなアイデアを書いていくことが可能となります。

いわゆるプッシュ型サービスの一例かもしれませんが、サービスを利用したい、便利だと思ってもらえるものを提供できるように工夫していきたいですね。

それではまたデジデジ!

 

~次回の日記は3月2日(木)に更新予定です!~

 

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