東西南北デジデジ日記 vol.64 今週の担当:【西】多田功 ◆【自治体DX】デジタル化の取り組み、1年目、2年目、3年目~の心得③◆

地方自治

2023.01.26

「自治体×デジタル」を多彩な切り口からゆるっと考えてみる、現役&元自治体職員4名によるリレー日記。「デジタル化の取り組み、1年目、2年目、3年目~の心得」をテーマに、執筆陣がいろいろな視点から経験談をお伝えしています。(※本連載は毎週木曜更新です)

―――――2023年1月19日 Thu.―――――――

 

2023年のスタート

2023年が始まりましたね。
ゆっくりと年末年始を過ごされた方、そうでなかった方、ちゃんと過去の記事を読み返していただきましたでしょうか。
まだ読んでないよ〜という方は、今年を良い年とするためにもvol.1から読み始めていただくことをオススメします。
 *バックナンバーはこちらから

 

デッカイギ

新年早々、行政デジタル改革に取り組まれている皆さんにとっての大きなイベントが開催されました。
前回(vol.63)、千葉さんが書かれていた「行政デジタル改革共創会議」略して「デッカイギ」です。

神奈川県横須賀市で2日間開催されたデッカイギですが、これまでオンラインでは面識があったもののリアルで初めてお会いする方やはじめましての方とお会いすることができ、何十年も前から知っているかのようにいろんな話をすることができました。

会場で発表された中身についてはチャタムハウスルールが適用されているため言及することはできませんが、あれだけ多くの参加者が一堂に会する機会はコロナ以降なかなか開催できませんでしたから、「共創」の機運が一気に高まった時間でした。

これまでの情報交換は、自治体職員と政府・官公庁職員との『直接対話型』プラットフォーム「デジタル改革共創プラットフォーム」において行われていましたが、相手の顔が見えず、また、事業者が参加できませんでした。
お互いの顔を知る場としての「デッカイギ」開催は、デジタル改革共創プラットフォーム活用に大きな一歩になったのではないでしょうか。

 

どうする家康

今回の天からの声は「デジタル化の取り組み、1年目、2年目、3年目~の心得」だそうです。
これを聞いた瞬間「どうする??」と思ったわけです。

「どうする」といえば、今年のNHK大河ドラマは「どうする家康」です。

なんの脈絡もなく大河ドラマを出したわけではありません。
2022年末まで「鎌倉殿の13人」をやっていて、去年の今頃は今年の大河ってどうなるんだろう、鎌倉時代なんてほとんど知識ないぞ…と思って見てたわけですが、番組が終了した12月末には、鎌倉時代の初期の出来事を振り返ることができました。

時代劇やドラマは、あらかじめ筋書きが決まっていて、特に大河ドラマは、どのあたりでイベントが起きるかは歴史が証明しているので、そこを大きく外れることはできません。
仕事においても、振り返ると「この時期にこんなことやったな」ということは思い出せる範囲で記すことはできても、やっている最中はどうしたらいいかわからないものです。

ましてや、決まった事実があるわけではありませんから、その都度やり方の工夫が求められます。
大河ドラマでは、主人公の幼少期から始まるケースが多いですが、いきなり成功体験ばかりが並ぶのではなく、たくさんの失敗を繰り返しながら歴史に名を残すストーリーが多く描かれています。

そんな中、vol.62の山形さんはドラクエか!!! というようなタイトルで1〜3年目にやっていくべき手順を書き、vol.63の千葉さんは、「1年目=予算化、2年目=構築、3年目=運用」と千葉さんの経験から「仕込みが大事」であることを書いてくれてます。

僕の場合、入庁17年目に突如として情報部門に配属されたわけですから、お二人が書いてくれていたことを当時読んでいたらどれだけ心強かったことか…。
当然ながら、お二人が書かれていることが全てではありませんが、とても参考になる事項です。

 

伝えたいことと伝わっていること

配属当初、ネットワークのことなんてさっぱりわかりませんから(今もか…)、子どもの送り迎えで車の中で待っている間、ネットワークの本を読んで勉強してました。
あと、意外に思われるかもしれませんが、日本語の文章の書き方について勉強したのもこの時期です。
専門用語が多い中、事業者の方にやってもらいたいことを明確にするために、伝え方や書き方などについて時間を割いて勉強したのを覚えています。

「相手に伝えたいことと相手に伝わっていることは異なる」ということを思い知ったのもこの時期でした。

これまで仕様書を書くことをやったことがなかったわけですから、テクニカルなことを覚えながらも、文章表現の勉強をしてました。
vol.30でも書きましたが、事業者の方とのコミュニケーションは非常に大事で、「最終的にはこうしてほしい」と正しく伝えないと、齟齬が発生して「思っていたのと違う〜」となってしまいます。
会話だけのコミュニケーションも大事ですが、文章化して可視化することの重要性もこの時期に勉強しました。

その成果があったのかどうかは、デジデジ日記の文章を見ていただいて…ということにしておきましょう(汗)。

 

スマートシティの取り組みにおいて

そして、入庁20年目に事件が勃発するわけです。
そう、スマートシティの取り組みのはじまりです。

これまで聞いたことのないような単語が突如としてやってきて、何をどうしたらいいのかわからない。
今でこそスマートシティの国内事例は増えましたが、当時は参考にできるものが全くない中で補助事業の実施責任者になりました。

振り返れば、スマートシティ事業があったから今の自分があるのですが、取り組み1年目は本当に大変でした。
9月に補正予算を計上し議決を受けた直後、年度初めから決まっていた東京都立川市にある自治大学校への研修過程への派遣。
寝泊まりしていた自治大学校の宿舎で朝早くから仕様書を書く日々を過ごし、3か月間にわたる自治大学校派遣から帰ってきた12月末から打ち合わせ開始、構築までを進め、翌年2月末にサービスイン…。
当時の上司には非常にご迷惑をおかけしたものの、無事(!?)今に至るわけです。

こういった誰もやったことないものが来たときにどうすればいいのか。

そういったときの心得として言えるのは、中の人だけに留まらず、外部からアドバイスしてくれる人とつながりを持つことだろうと思います。
アドバイスしてくれる人が専門家である必要はありませんが、冷静に物事を判断し客観的な助言をしてくれる方がいると心強いです。

ひょっとすると、それが「デジタル改革共創プラットフォーム」なのかもしれません。
デジタル改革に関する情報提供や意見交換のほか、情報共有等に活用できるので、こういった場で助言を求めるのもいいのでしょうね。
「これはどうなっているんですか」ではなく、「こんな考えでやってきていますが、よりこうすればいいと思います」といったアイデアを出し合いながら、多くの人の共創により、よりよいデジタル社会を作っていけるのではないでしょうか。

まだ参加されていない自治体職員の皆様、ぜひデジタル改革共創プラットフォームへご参加ください!
それではまた来週、デジデジ!!

 

~次回の日記は2月2日(木)に更新予定です!~

 

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千葉大右・多田 功・山形巧哉・今村 寛

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