連載 vol.63「つながる」力 なんでも「巻き込まれてみる」ことのススメ 【泉谷偲乃(大阪・大阪狭山市職員)】

地方自治

2023.04.04

目次

    本記事は、月刊『ガバナンス』2019年6月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
    所属等は執筆(掲載)時点のものです。
    ※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。

     私は大阪狭山市の職員だが、2017年度、18年度の2年間は大阪府の市町村課に出向していた。この頃から、「ご縁があるってこういうことを言うんだな」と感じることが多く起こるようになった。

     府庁では、以前飲み会で一緒だった人と同じ職場になったり、とった電話の相手が学生時代のアルバイトの先輩だったり。とにかく、「なんでここにこの人が」という出会いやつながりをやたらと見つけた。

     『ガバナンス』も府庁に行ったことで読むようになったが、自分の文章が掲載される日が来るとは思わなかった。そう、今回この連載を書いてみないかと声をかけてくださった、山形市の後藤好邦さんとも不思議なご縁で、私が佐賀県の知り合いのもとを訪ねたら、その前日に同じ場所に後藤さんが来ていたというのがきっかけだった。その後、後藤さんが大阪に来られる機会に直接お会いすることができたが、その場で知り合った吹田市の方と、後日府庁の仕事で再会するなんていうこともあった。

     私はこれまで、「人脈を広げたい」と思って自ら積極的に行動を起こしてきたわけではない。ただ、仕事でも遊びでも地域の活動でも、「行ってみない?」「一緒にやろう」というお誘いがあれば、自分に声をかけてくれることが嬉しくて、積極的に乗るようにはしている。そうしてきたことが、ご縁が新たなご縁を呼んでいるような、今の状態につながっているのかなと思う。

     「つながる力」には「巻き込み力」と「巻き込まれ力」の2種類あって、たぶん私は、「巻き込まれ力」のほうが強い。人を巻き込み、自らつながりを作っていく人はもちろんすごいけれど、目の前の流れに乗ってみるというのも、つながりを広げる一歩だ。

     今あるつながりが次はどんな出会いを連れてきてくれるのだろうと、最近は楽しみにしている。これからも積極的に「巻き込まれ」て、つながりを広げていくために、まず、目の前のご縁を大切にするとともに、どんなことでも「この人と一緒にやりたい」と思われるような人を目指そうと思う。

     

    (大阪・大阪狭山市職員/泉谷偲乃)

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