連載 vol.46「つながる」力 「つながる」から「つなげる」へ 【渡邉秀太(新潟市職員)】
地方自治
2022.10.07
本記事は、月刊『ガバナンス』2018年1月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
つながることのメリットって何だろう?
入庁して13年。本コラムに執筆された多くの方と同様に、外に意識を向けながら業務外での活動にも取り組んできた。
庁内では、職員の自己啓発を目的に設けられている自主研究グループ支援制度を活用して「新潟せいさく所」「にいがた市士の陣」という二つの会を立ち上げて活動してきた。前者は毎月1回集まり、メンバー同士で業務内容を紹介・共有したり、改善提案を検討するグループ。後者は新潟市内で活躍している方をゲストに迎え、若手職員向けに講演を行うグループで、7年で30回開催し参加者は延べ1000人となった。
庁外では、地域の茶の間、地元自治会、福祉の交流勉強会、新潟巻地域の郷土玩具「鯛車」の復活プロジェクト、越後まちづくりOMなどに参画・協力。また、地元大学の先生を招いての社会人向け教養講座の開催や、新潟を知る体験ツアーの企画、そして、中心市街地の一角で、まちづくり研究や食の交流会などを行う場づくりを進めている。
活動を通して多様なつながりができた。担当以外の市役所の様々な業務を知り、地域で頑張っている人たちの問題意識を聞くことができた。思いを持って課題に向き合う人がいた。年代の近い仲間たちからも刺激を受けた。出会う人との交流や共感の中で新しい取組みも生まれた。「つながることのメリットって何だろう?」と考えると、私にとっては「インフォメーション」「モチベーション」「コラボレーション」という三つの側面で、とても大きなプラスになっていると感じる。情報、やる気、連携、これらは仕事でも活動でも重要な要素ではないだろうか。
そしてこれからは、「つながる」から「つなげる」ことに、より意識を向けたいと思っている。みんなは何に興味を持ち、何に困っているのか、ニーズは何か。横の連携、ニーズとニーズの組み合わせで、協働による課題解決や新しい発想での施策展開ができないか。しかし、まだまだこれから。苦しいときも、みんなで前向きに楽しく乗り切っていきたい。今後もつながりを大切にしていきたいと思う。
(新潟市職員/渡邉秀太)