【特別企画】自治体DX最前線 チャットツールでコミュニケーション力を高め業務の負担軽減と効率化を図る

地方自治

2022.07.28

『月刊ガバナンス』2022年8月号

 全国自治体でデジタル化・DXが推進される中、組織内外のコミュニケーション・情報共有ツールとして株式会社トラストバンクの「LoGoチャット」を導入する自治体が増えている。LGWANとインターネットの両方の環境から特別な設定なしで使える国内初の自治体向けクラウド型チャットツールだ。福島県会津若松市と神奈川県寒川町議会の活用状況と導入の効果などを紹介する。

自治体向けビジネスチャットで迅速な連絡や情報共有を実現し業務遂行の円滑化と効率化を実現――会津若松市

 スマートシティを推進している福島県会津若松市は、部署内外での迅速な意見交換・情報共有を図るためにLoGoチャットを活発に活用している。様々なトークルームを設け、市長や幹部職員をはじめとした全所属で活用され、日常業務に不可欠なツールとなっている。

外出先での連絡手段として有効

 福島県会津若松市は、人口減少・少子高齢化による課題解決へ向け、ICTを活用したまちづくりとして「スマートシティ会津若松」を推進している。ICT関連産業を集積したオフィス「スマートシティAiCT(アイクト)」を開設して雇用を創出していることをはじめとして、医療や子育て、教育、防災、観光、農業など幅広い分野へのICT・デジタル技術の導入によって、市民生活の向上と地域活性化を図ることがねらいだ。

 デジタル化による行政サービスの向上と業務効率化も推進しており、その一環としてトラストバンクのLoGoチャットを導入。迅速なメッセージのやり取りや情報共有が行える自治体専用のビジネスチャットツールで、市役所内のスムーズなコミュニケーション体制を構築している。

「情報システム部門は打ち合わせや情報機器のトラブル対応などで職員が席を外していることが意外と多い。その間に受けた問い合わせの内容や対応状況を共有するため、5年前にオープンソースで公開されていたチャットシステムを所属内で試用したことが始まりでした。メールでの連絡は1件ずつ開封して確認する必要があり、やり取りの経過の把握が大変なので、チャットのほうが効率的ではないかと考えたんです」と情報統計課主査の栗城健太さん。

 だが、庁内ネットワークに構築したので基本的に自席でしかチャットの内容が確認できず、利用は限定的だった。ほぼ同時期に行われた自治体ネットワーク強靭化への対応に伴ってインターネットから分離され、クラウドで提供されるサービスを容易に導入できなくなったこともあって、所属内での試用の域を出なかった。そのような中、LGWAN-ASPサービスとして提供されインターネットともシームレスに使えるLoGoチャットに注目。2020年に無料トライアルを開始した。

職員から高い支持

 無料トライアル段階では、希望する所属にもアカウントを発行して利用してもらった。20年はコロナ禍対応の分散勤務などでコミュニケーションが取りづらくなったため、その代替ツールとして職員に紹介した。

「LoGoチャットのトライアル期間は長い上、機能やアカウント数の制限もなく使用することができ、その間にチャットの利便性が口コミで広がりました。特に新型コロナウイルスの感染状況を即座に共有するため、管理職クラスから利用が広がっていったのも利用拡大に寄与したと思います。トライアル終了時点で職員約1000人のうち半数がアカウントを所有している状況でした」と栗城さん。操作研修会等は行わなかったが、既にプライベートでチャットに慣れ親しんでいたこともあって導入はスムーズだった。LGWAN-ASPとして提供され、セキュリティ要件が満たされているのも利点で、21年の本格導入へ向けて予算化する時点では、「チャットツールがないと仕事ができない」という声が聞かれるほど浸透していたと話す。


福島県会津若松市情報統計課主査・栗城健太氏。

 職員からは、「時間を気にせず、気軽に連絡や返事ができる点がいい」「オフィシャルな連絡ツールとして、外出先からも職場と連絡できるので頼りになる」「グループチャットが行えるトークルームによって相談しやすく、また、それらのやり取りが履歴で共有できるのでメールより便利」などの声が寄せられている。

 利用シーンは様々で、例えば、情報統計課では、情報機器やネットワークなどでトラブルが生じた場合に写真を送ってもらって、事前に状況を確認することにも活用している。

「電話では状況が把握しづらいことがありますが、画像を見ながらやり取りしていくうちに解決すれば、現場へ赴く必要がなくなります」

 遠隔地と状況の伝達や情報共有がリアルタイムで行えることから、災害など緊急事態での対応にも力を発揮すると栗城さんは期待を寄せる。現に他自治体では、災害時の避難所運営にチャットを活用し、避難物資の在庫確認などが迅速・的確に行えたという事例も報告されている。

自治体同士がつながる心強い存在

 LoGoチャットでは、LoGoチャットを利用している全国の自治体職員と意見交換・情報共有できるLoGoチャットユーザーグループ(UG)が存在することも大きな魅力だ。UGではテーマ別のトークルームが開設され、自由に参加できるので、全国規模の相談や情報収集の場として有効に機能している。

「通常、他の自治体へ問い合わせる場合は、事前に担当と思われる部署へ電話で連絡し、担当者の承諾を得てから依頼文書を添えてアンケート調査票等を発送して、回答をもらう流れになります。気軽に相談しづらく、手間と時間もかかっていました。また、正式な文書のやり取りになるため、実際の担当者の考えや捉え方といったニュアンスは伝わってきません。それに対し、私の参加するUGのトークグループでは『こんな製品の提案があったのですが、使っているところありますか?』『こういう設定がしたいのですが、うまくいかないので、同じような設定をした経験はありませんか?』といったフランクかつアバウトな投げかけに対し、全国の自治体から様々なリターンがあります。こういったやり取りは日常的に行われており、後から参加したメンバーも確認できるので、気軽に質問や発言をしやすい雰囲気があります。新型コロナウイルス対策のワクチン接種の対応では、UGでの情報共有が非常に役立ったという話も聞いています。これほど容易に全国の自治体に向けて相談できるUGは、非常に心強い存在になっています」と栗城さんは話す。

 その上で、LoGoチャットの今後の展望については、「庁内では多くの職員に利用されているものの、所属ごとの活用状況にはばらつきがあり、電話での問い合わせも多いのが現状です。私自身もあまり交流のない職員へのいきなりのチャット送信には抵抗を感じることもあるので、『まずはチャットで』という空気づくりを進めていきたいです。チャットツールによって職員の業務効率化を図り、住民サービスの向上につながっていけばと考えています」と意欲をみせている。

全議員への一斉連絡に活用し情報伝達の負担を軽減。活発な意見交換にも期待――神奈川県寒川町議会

 神奈川県寒川町議会は、スムーズな議会運営を図るため、町議会議員と議会事務局職員にLoGoチャットを導入している。一斉連絡による迅速な情報伝達が可能になったのが利点で、全体や委員会、会議ごとのトークルームで情報共有や意見交換に活用し、議会活性化を図っている。

情報伝達の負担軽減に導入を検討

 神奈川県寒川町議会事務局では、議員への連絡は電話やメールで行ってきた。だが、電話では議員一人ひとりに連絡する必要があり、つながらない場合もあることから、多くの時間を費やしていた。その上、情報内容を正確に理解してもらえず、時に「言った、言わない」の問題も生じていた。また、メールでは既読かどうか判断できないこともあり、情報が正確に伝わっているかを改めて確認する手間もあった。その課題解決へ向けて導入したのが、トラストバンクのLoGoチャットである。

「執行部が導入を検討していたことから議会事務局でも導入の方向で検討を進め、議員への説明等を経て導入することになりました。各議員は既に議会事務局から貸与されているタブレット端末を使用していたことから、導入には特段の反対意見はありませんでした」と議会事務局副主幹の鈴木純一さんは振り返る。

 LGWAN環境に特化したLoGoチャットはセキュリティが担保されており、個人のSNSアカウントは使用せずに議会事務局でアカウントやグループが管理できる点にも注目。パソコンのほかスマートフォンでも使用でき、誰が既読か確認できる機能で連絡調整の負担が軽減されることも導入の決め手となった。

 2020年に無料トライアルで試行導入し、21年度から本格導入して利用を開始した。

特にルールを設けず自由に利用

 運用においては、議員と議会事務局が参加する組織と議会事務局職員のみが参加する組織に分け、議員全18人と議会事務局職員5人にアカウントを配布。議員全員のタブレット端末のほか、議員個人のスマートフォンにもモバイルアプリをインストールし、自宅や外出先でも連絡や情報交換できるようにしている。

「導入に当たって、議員のタブレットのセットアップは事務局で行い、個人のスマートフォンには各自でインストールしてもらいました。トライアル開始時に操作方法等の簡単な説明は行いましたが、SNSを利用している議員も多かったため導入はスムーズでした。既読状態が確認できるので事務局からの連絡に対する確認した旨の返信は不要とした以外は、特にルールを設けず、自由に利用してもらっています」と議会事務局主任主事の牧田道則さんは話す。

 具体的な活用では、トークルームを作成し、事務局から各議員への会議日程の案内で利用しているほか、ファイル共有ソフトに資料をアップロードした際の連絡や災害時の連絡、意見照会などでも活用している。

トークルームによって労力は大幅に軽減 

 意見や情報のやり取りが行えるトークルームは、全議員と議会事務局職員の全体共有用トークルームのほか、各常任委員会や特別委員会、議会運営委員会、広報広聴委員会などの委員会ごと、代表者会議や災害対策会議といった会議ごとに分けて作成している。

「トークルーム作成の際のルールは特に定めていません。議会事務局職員は基本的にすべてのルームに参加し、情報共有ができるようにしています。会議の日程調整は全体共有用トークルームで開催日を案内し、既読状態を確認した上で、必要に応じて個人に連絡しています。議員との連絡をグループトークで行うことで、労力は大幅に軽減されました」と鈴木さん。トークルームでの活発な意見交換にも期待を寄せている。


神奈川県寒川町議会事務局副主幹・鈴木純一氏(右)と同主任主事・牧田道則氏。

議員からも好意的な受け止めの声

 LoGoチャットによって、議員に対して一斉連絡による迅速な情報伝達ができるようになるとともに、送信履歴が残ることから連絡漏れや聞いていないといったトラブルも解消された。

 また、議員のほとんどが自身のスマーフォンにもインストールしていることから、タブレットを持ち歩いていない場合でも連絡が可能となったことも利点。災害時の安否確認などにも有効に活用できると事務局では考えている。

「個人のスマートフォンでも使用できることから、情報の即時性が向上した」「簡単なやり取りはLoGoチャットで調整ができるので便利」「グループごとに情報共有が図れるようになった」と議員からも好意的に受け止めてもらっている。

「LoGoチャットの導入を機に携帯電話をスマートフォンに切り替える議員もいました」と牧田さんは導入の確かな手応えを感じている。

セキュアで使い勝手の良い機能を備えたコミュニケーションツール――トラストバンク担当者に聞く


株式会社トラストバンク
取締役 兼 パブリテック事業部長
木澤真澄さん

 適切なITツールやシステムがないことから、職員間の連絡がタイムリーに行えず、情報共有が徹底されていない。そのため、職員間のコミュニケーションが円滑でなく、業務負担が増している――そのような課題解決に向けて開発したのがLoGoチャット。その特徴・利点としては3つのポイントが挙げられます。

① 電話やメールよりも迅速かつ効率的に連絡でき、情報の蓄積も容易。LGWANとインターネットでシームレスに利用できるので、テレワーク時の連絡や災害時の庁内と避難所間の情報連携、緊急時の連絡手段としても活用できます。

② メッセージの既読・未読表示や複数ファイルの送信、送信ファイルの無害化機能など、セキュアで使い勝手の良い機能を備え、情報共有スピードは一気に向上。誰もが使いこなせる操作性の良さも大きな特徴です。

③ 全国1万4000人以上の自治体職員とつながるLoGoチャットUG(ユーザーグループ)というコミュニティがあり、他の自治体との交流・連携を図ることができます。

 そして、導入前に効果を実感できる6か月間の無料トライアルを1自治体1回限り設け、アカウント数や使える機能が制限なく試行体験できます。その結果、多くの自治体から有効性が評価・支持され、約半数の自治体にご利用いただいています。

 LoGoチャットの機能開発においては、自治体の皆様からの様々な要望を踏まえ、随時検討しています。より便利に使っていただけるアップデートに努めていきたいと考えています。


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企画提供

株式会社トラストバンク
問い合わせ先 :logo_support@trustbank.co.jp

 

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