東西南北デジデジ日記 vol.31 今週の担当:【北】山形巧哉

地方自治

2022.05.19

東西南北のそれぞれで奮闘する現役自治体職員と元自治体職員4名によるリレー日記。タイトルに冠しているとおり、テーマはデジタルなれど、小難しいこと抜きに、多彩な切り口で「自治体×デジタル」を考えてみよう、な日記です。特別なスキルを持たなきゃじゃなくて、身近にできることが大切なんだな、なお話。

―――――2022年5月19日 Thu.―――――――

 

コミュニケーションね。コミュニケーションなあ。

前回の多田さん(vol.30)も書いていましたが、コミュニケーション、とっても大事だと僕も考えています。

考えているというか、役場内の仕事ってこれに尽きるのではないかなあ、とこの頃は感じています。

僕、自他ともに認めるコミュニケーションが苦手な人間でして(って書くと「えーっ!!」と言われるのですが、わかる人は「うんうん」とうなづくはず)、結構がんばって人づき合いしています。

20代~30代前半はそれが顕著で、私生活でも基本的には人と会うことを嫌がっていましたし、特に仕事や職場内の面では相当な壁を作っていました。
(ただ、なぜか、じいちゃんばあちゃんに対しては優しく(?)というか素直(?)になりやすかったんですけどね。笑)

 

自分が一番できるんだという錯覚、おごり

でも、なんでそんなに職場内で壁をつくっていたんだろうと考えてみると、おごりがあったのかもしれません。
あったのかもというよりもおごりだったのだと思います。

「自分のほうがものを知っている」
「自分のほうが技術力がある」
「自分のほうが…」
「自分のほうが…」

こう考えていくとダメなもんで、思考がさらに固まっていきます。

「なんでわかってくれないの」
「なんで僕の言うことを察してくれないの」
「なんでこんな簡単なことわかんないの」

自分で書いていても感じますが…、もう破滅的な思考ですね(笑)。

とはいえ、なぜこのような思考になってしまうのかを客観的にみてみました。
例えば人間関係に嫌になるだとか、例えば嫉妬に巻き込まれるだとか、例えば業務負荷が高すぎるだとか、要因はさまざまあると思うのですが、そこからなぜ「自分のほうができるんだ」という気持ちになるのかといえば、それは他者と交わらないことで肯定される術を失い、結果「自己肯定感の塊」になってしまうからなのでしょうか。

いやでも、自分のやっていることが正解なのかどうか常に不安だったな。うん。

どうしてもこういう考えをしていくとますます心の壁を高くしていくものです。

 

きっかけ

そんな僕も30代も半ばにさしかかったころ、とあるきっかけで、他業種の方々はもちろん、研究機関の方、そして他の自治体や国の機関の方々との接点ができはじめ、いろいろなお話を聞くようになります。

するとどうでしょう。
伸びに伸びていた鼻が華麗に折れていきます。

だって、世の中すごい人だらけなんですよ。
新しい道ができたことで、自分の思考がスッと流れていった感じがします。
どうしても同じ場所に居つづけると滞留がうまれ、同じような話しか聞かなくなり、気がつけば上司や同僚の悪口。

すると、リアルな場でのエコーチェンバーみたいな現象が起きてしまう。
自分一人でも「自分が」「なんで」「わかってくれない」と心の中で反響しはじめてしまっていたのかもしれません。

そしてそれが、現在自分がいる環境にちょっと変化が加わったことで一気に流れ始めた。

 

まあ座りなよ

やっぱりここに行き着いたか(笑)。

表面上はにこやかな状況ですが、結局僕も、一度作ってしまった壁により、自信の心に遺恨がある状態で職場を去ってしまった気もしています。

人事異動により新しい職場で希望に満ちている人、逆に、またここかと思っている人。
ちょっとうつうつとした気分になりがちな時期かもしれませんが、そんな時こそ落ち着いて、お茶でも飲みながらゆっくり座って考えてみるといいかもしれませんね。

先日、住民票を取り(!)に元職場へ行った際、
「山形くんってあんな仕事してたんだね。全然わかんなかった。ちゃんとデジタル化していったほうが本当にいいと思うわ」
と声をかけてくれた先輩がいました。
退職してからそう言われるのも嬉しいやら悲しいやら。
いや。嬉しさのほうが多いですかね。
やっと「他者から肯定された!」と本当の意味での自己肯定ができたのかも。

でも、そもそも、僕がちゃんと会話をすることで相互理解が深まり、ちゃんと僕の活動を理解してくれる、理解だけじゃなくレビューもしてくれる、自分の肯定感も高まりモチベーションも上がる、新しい取り組みや工夫が増える。
結果、住民サービスの向上にもつながっていたのかもしれません。

コミュニケーションをとって理解し合う。
どんな職場でも同じかもしれませんが、日々の業務に忙殺され、ただこなすだけになっているようならば、思い切ってデジタルを活用して、会話の時間だけでも作ってみてはいかがでしょ?

時間ができたからといって、新しい仕事を作ったり、自前でなんでもできるじゃんなどと業務量をあえて増やしたりしないようにだけは注意してくださいね(笑)。

それではまた次回。デジデジ。

 

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千葉大右・多田 功・山形巧哉・今村 寛

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