連載 vol.38「つながる」力 「つながりの力」を手に、「ひとつなぎの大秘宝」を求めて 【八野 裕嗣〈はちの ゆうじ〉(大阪・貝塚市職員)】
地方自治
2022.05.16
本記事は、月刊『ガバナンス』2017年5月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
初めて「つながりの力」を目の当たりにした6年前
私が初めて「つながりの力」を目の当たりにしたのは6年前。岩手県北上市で開催された第5回全国都市改善改革実践事例発表会を見学に訪れた時のことであった。参加者の方々の街への熱い想いや新しい挑戦への称賛、貪欲に吸収しようとする姿勢。当時の自分には衝撃的で、そんな人たちとつながりを持ちたいと強く思った。
あれから6年。毎年参加しているうちに、全国の仲間たちとつながることができた。私にとって全国大会は互いの熱い想いを確認し、情報を交換し、モチベーションを高められる同窓会のような場となっている。
役所はまだまだ挑戦には消極的であるが、そもそも公務員の身分保障は街のために職員が挑戦することを応援するために存在するのであって、仲間の存在はその本分を明確に思い出させてくれる。仲間の後押しのおかげで、本市でもAKB「心のプラカード」の動画を作成することができた。また、情報交換でいただいた「鉄道むすめ」のアイデアも市内を走る水間鉄道にて実現することができた。
あの日、北上に行っていなければ到底実現できなかった成果である。私が愛してやまない漫画ONE PIECEに次のようなシーンがある。「俺は剣術が使えねえ!航海術も持ってねえし、料理も作れねえ!嘘もつけねえ!俺は助けてもらわねえと生きていけねえ自信がある!」「お前に一体なにができる!」「お前に勝てる!!」──これこそ「つながりの力」そのものではないかと感じる。一人のできることは限られているが、「勝てる」得意分野を持つ人も少なくない。「つながる」ことで「できる」ことが飛躍的に増えるのである。
今後、私は大阪になかったオフサイトの場を作ることにも関わっていきたいと思っている。「つながる」ことで「できる」ことが多くなった人は必ず家族や役所や街に幸せをもたらすと確信しているからである。つながりの連鎖が起きれば、幸せの連鎖が起きる。それはまさに日本に眠る「ひとつなぎの大秘宝」ではないか。さあ、「外」へ出よう。素晴しい出会いが待っている。
(大阪・貝塚市職員/八野 裕嗣〈はちの ゆうじ〉)