連載 vol.35「つながる」力 ネットワークとの出会いにより気付いたつながりの大切さ 【鈴木哲史(福島・本宮市職員)】
地方自治
2022.04.18
本記事は、月刊『ガバナンス』2017年2月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
飲み会から勉強会に、そしてキックオフミーティングへ
「とりあえず飲み会でもしようか」
この言葉のやり取りが「なんとなく」勉強会となり、キックオフミーティングとなった。そんなゆるやかなネットワーク「ふくしまOM(オフサイトミーティング)」を紹介しつつ、私の思う「つながる」力についてお話ししたい。
ふくしまOMは東北まちづくりオフサイトミーティング(東北OM)の福島県メンバーによって、2015年12月14日に郡山市ビッグアイでキックオフをした未だ日の浅いネットワークである。メンバーは自治体職員を中心に各種団体、NPO法人、自営業の方がおり、これまで「ジョセササイズ」(磐梯町)、「復興の現状」(南相馬市)、「まちづくり」(いわき市)をテーマに活動を行ってきた。一つひとつの内容が濃く、もっと多くの方に知って欲しいと感じるものだった。
このように県内の地道な活動を知ることで「誰もが気軽に自分の住むまちについて考えること」が一つのテーマである。それぞれの地区のメンバーが主体となって企画運営しており、基本的に内容も自由。「やりたいね」「いいね」で企画が走る。なんていい加減な団体と映るだろうが、現在はこれで良いと思っている。いずれ活動を重ねる中で変化していくだろう。
福島県は広い。県都・福島市まで高速を利用しても3時間を超える自治体もある。今後ふくしまOMが、広く県内の自治体職員とつながりを持ち、「遠方までは……」とためらう方々と学ぶ機会を創ることができたら嬉しい。その上でもっと深く、もっと広く志向する方にはふくしまOMを入口として東北OM、ひいては全国のネットワークに学びの場が「気軽に」用意されていることを知って欲しい。
私はUターンによって「村役場」に入庁し、学びの機会を知ることなく若連、消防団など地元に密着の生活だった。それが東日本大震災後の身を絞るような日々の中、偶然ネットワークと出会い、仲間とつながり、意識を高く持つことで乗り切れたと感じている。心が渇いた時、是非手を挙げて欲しい。その手を握り返す仲間が全国にいる。
(福島・本宮市職員/鈴木哲史)