東西南北デジデジ日記 vol.20 今週の担当:【南】今村寛

地方自治

2022.02.24

東西南北のそれぞれで奮闘する現役自治体職員と元自治体職員4名によるリレー日記。タイトルに冠しているとおり、テーマはデジタルなれど、小難しいこと抜きに、多彩な切り口で「自治体×デジタル」を考えてみよう、な日記です。デジタル化は少しずつでいいし、こんな面にも少しずつ目を向けてみませんか、という【南】の今村さんからのお話。

―――――2022年2月24日 Thu.―――――――

 

できることから できるところから

「ドラえもんがつくる未来はありません。
我々がドラえもんをつくり、未来を作りだすのです。」

DXを語るうえで忘れることができない金言が編み出されました。
では誰がどうやってドラえもんをつくるのか。

千葉さんは、特定の部署でドラえもんをつくるのではなく、それぞれの業務でそれぞれのドラえもんをつくることを提唱されました。
多田さんは、趣味のジャズの話に振り切ったかと思いきや、デジタルな取り組みは小さな成功体験の積み重ねだと書いています。
山形さんは、行政も頑張っているんだけど、少し古かったり足りなかったりということを少しずつ変えていこうと書いています。

そう。できる人から、できることから、できるところから。
では、どこからどんな風に手をつけていきましょうか。

 

「お役所仕事」をやめさせろ

「お役所仕事」とは、形式的で時間がかかり、実効の上がらない仕事ぶりのこと。

組織の縦割り、窓口のたらいまわし、杓子定規な回答、融通の利かない対応など、我々公務員の仕事ぶりはよく市民やマスコミからこのように揶揄されます。
決められた枠を踏み越えることのないよう自分がやらない理由を巧妙に探し、法令順守や公務の公平性などの理屈を盾に、相手方の要請に真正面から向き合わない術はまさに伝統のお家芸。

私たち公務員ですら、役所の中で仕事をしていてこの壁にぶち当たり、同業者ながら辟易することがあり、ひょっとすると公務員試験の科目になっているのかとさえ思います(笑)。

「お役所仕事」をしてしまう公務員諸氏もそんなに馬鹿ではありません。
問題なのはわかっているけど改善のための行動ができないのです。

 

標記の件については添付の通りです


他の部署から送ってきたこの手のメールにいら立ったことはないですか?

送付されたメールの本文を開いただけでは用件がわからず、添付ファイルを開いてみるとメール本文に書ける程度のテキストデータ(例えば会議の開催日時、場所、議題など)が書いてあり、これくらいの情報量ならメール本文に書いてくれたらファイルを開くワンクリックが要らなくなるのに、といつも思います。

実はこれ、役所では当たり前に行われていることですが、役所の外では嫌われるビジネスマナーの例なのです。

 

どうしてこんなことが起きるのか

役所では情報伝達を文書で行うことが大原則。

定められた書式に則り、内容や体裁について上司の決裁を取って組織として意思決定したものを書面交付することが前提ですので、メールは電話や口頭での連絡と同様に送付する本人の個人的な意思表示に過ぎません。

送付先に気を遣って公文書の内容をメール本文に要約転記する際に、内容を改変し、誤解を招いてしまうかもしれない。そのリスクを回避するために「標記の件については添付の通りです」としか書かないという文化が普及定着したのではないか、と私は推察しています。

ちょっとした気遣いで送り手、受け手の双方がお互い気持ちよく仕事ができ、送り手側の少しの工夫が多くの受け手の手間を省くことにもつながるはずなのに、それができない公務員。
何とかならないでしょうか。

 

役所の常識は世間の非常識

私たち公務員は、一つひとつの組織は小さくても、国、都道府県、市町村という大きな括りの中で、公務員ムラという閉ざされた世界に安住してしまっています。

その中で当たり前とされている“常識”の底なし沼にどっぷりとはまり込み、気が付かないうちにたくさんの過ちをしでかしているというのが実感です。

役所の“常識”に囚われて気づかないことが原因で起こる行政と市民のすれ違いをなくすためには、私たちの仕事ぶりがどう思われているのか、市民の皆さんに見えているもの、わからないと感じていることなどについて忌憚なく語る機会があれば、と思います。

 

これって「お役所仕事」なの?

先ほどのメールの例のように、少しの工夫で改善できる、こんな些細な例はきっと山ほどあることでしょう。

その少しの工夫がデジタルの技術によって可能になるのなら、それがDX。

それぞれの部署で積み上げる小さな成功体験が、職員の意識を変え、デジタル技術への抵抗感を薄め、やがては最新の技術をも駆使した「ドラえもん」をつくることにつながっていきます。

大事なのは気づくこと。感じること。このままでいいのかと疑うこと。

そのために必要なのは、公務員ムラの外に出て「これって「お役所仕事」なの?」と気軽に話せる友達をつくり、じっくり語り明かすことかもしれません。

コロナ禍が収束したら皆さんお付き合いくださいね! デジデジ!

 

 

★2018年12月『自治体の“台所”事情“財政が厳しい”ってどういうこと?』という本を書きました。

https://shop.gyosei.jp/products/detail/9885

★2021年6月『「対話」で変える公務員の仕事~自治体職員の「対話力」が未来を拓く』という本を書きました。

https://www.koshokuken.co.jp/publication/practical/20210330-567/

★そのほか、自治体財政の話、対話の話など、日々の雑感をブログに書き留めています。

https://note.com/yumifumi69/

 

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千葉大右・多田 功・山形巧哉・今村 寛

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