連載 vol.27「つながる」力 「人間好き」が「つながり」となり、その「つながり」が仕事に生きる 【石橋 歩(大阪市職員)】
地方自治
2022.01.24
本記事は、月刊『ガバナンス』2016年6月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
「人間好き」が「つながり」となり、その「つながり」が仕事に生きる
元来、「人間好き」な私。多くの市民の方々とのふれあいを求め希望したのは市民サービスの現場だった。2010年の入庁時、望み通り市民サービスの現場である区役所の福祉窓口に配属となった。
と、ここまではよかったのだが、福祉については全くの素人だったため、猛勉強する羽目となった。良質な福祉サービスを提供するためには担当以外の知識も必要なことが分かり、持ち前の「人間好き」な性格を利用して、各担当の先輩たちに教えを請い、知識の習得に勤しんだ。今思えば、この行動が「つながり」づくりの原点だった。たくさんの先輩たちに可愛がっていただき、飲みに行くようになりその輪がどんどん広がった。
2年目のあるとき、ふと数年後の所属間異動のことが頭をよぎった。どんなに大好きな職場とはいえ、いつかは異動しなければならない。そのときのためにもっと知見を広げなければと思った。そこで今度は市の職員が集まる場へ顔を出すようになった。この行動によって出会った人の導きで、「自治体ガバナンス塾」に関わることとなった。
「自治体ガバナンス塾」についてはぜひともインターネットで検索していただきたいが、要は熱い思いをもった自治体職員の集まりである。毎年7月に「自治体ガバナンス塾セミナー」と銘打ってオリジナルのクロスロードゲームを行うことをメインとしたイベントを主催している。本業を抱えながらの準備はときに大変だが、多くの人と出会うことができ、「人間好き」にはたまらないイベント。また情報収集という二次的効果もあり仕事のパフォーマンスが上がる。
その結果なのか、気がつけば区役所時代は5年間で5部署も経験させていただいた。本当にたくさんの方々と仕事をし、様々な施策事業に携わらせていただいた。その経験が、今の異なる所属の法務担当として仕事をする上で役立っている。単に「人間好き」ということだけで、気の向くままやってきたことが「つながり」となり、仕事に生きている。なんとも一挙両得。これからも、このスタンスで歩んでいきたい。
(大阪市職員/石橋 歩)