連載 コミットメント ── 他責から自責文化の自治体職員 第10回 「×(かける)」でつなげる──新たなるコミットメント【大石 誠(静岡市職員)】
地方自治
2022.01.07
本記事は、月刊『ガバナンス』2017年3月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会の修了生(マネ友)のメンバーがリレー形式で執筆します。
「×(かける)」でつなげる──新たなるコミットメント
早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会へ2013年度に参加した時のコミットメントに従い、自主研究グループ「しずマニ」を作り、部会に参加した仲間と人材マネジメントに関する夜間講座を開催したりしながら、対話する組織風土の普及に四苦八苦している。
ここ2年間は部会の静岡会場に運営委員として関わったことも相まって、自分の自治体の枠を越えた多くの仲間に出会った。彼らは自治体の規模にかかわらず、それぞれ異なる現状を抱えながらダイアログ(対話)をツールとして前のめりに取り組んでいる。そんな自分ゴトの自治体職員は、まさに「自責」の雰囲気を纏っているように感じる。普段、自分がいる場所以外の空気に触れ、“非日常”を感じることで「自分ももっとやらなければ」という気持ちが駆り立てられる。
運営委員を経験しながら感じたことは「自分の自治体だけが良ければそれでいい、わけじゃないんだ」ということ。さらに、東北まちづくりオフサイトミーティングとの絡みで実現した「静岡つながりづくりミーティング」のお手伝いをしたことで、「自治体の枠を越え広域での活動もできるんだ」ということを知った。今までは「できないのではないか」という漠然とした思い込み(ドミナントロジック)に支配されていたかもしれない。しかし、これからは「誰もやっていないこと=やらないほうがよいこと」ではなく、「誰もやっていないこと=チャレンジできること」としてさらに自責の範囲を広げていきたい。
他人や環境をできない言い訳にしているうちは自分の成長は望めない。たとえチャレンジして失敗したとしても、自分ゴトとして捉え、振り返り、そこから気づきを得て次への糧とすることができるはず。
自分は、他の方の役に立つコンテンツを持っている人同士や、組織同士をつなぐ役割を担っていきたいと思う。しかも「+(プラス)」でつなぐのではなく、「×(かける)」でつなげるように。
これが、自分の新たなコミットメントだ。
(静岡市職員/大石 誠)