連載 vol.25「つながる」力 私事のつながりが仕事に生きる 【齊藤 望(青森・平川市職員)】

地方自治

2022.01.10

本記事は、月刊『ガバナンス』2016年4月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。

私事のつながりが仕事に生きる

 子どもが生まれると地域との距離はグッと近くなる。保育園や幼稚園の父母会、パパ・ママサークル、子ども会、PTAなど、子どもをハブとして多くのコミュニティにつながることができるからだ。

 地域で活動する男性のことを指して「イキメン」と呼ぶ。僕の「イキメン」としてのデビューは子どもが生まれたことがきっかけだった。「地域のことは自分がやらなくても誰かがやるだろうし、自分が関わらなくても地域は回っている」、そう他人事のように思っていた。

 地方公務員という立場を抜きにして、一人の市民として自分が生活している地域で、地域の一員として活動する。よくよく考えてみれば当たり前のこと。誰かがやってくれているから地域は回っていたのだ。子どもが生まれてから一家の世帯主として、生まれ育った地域の自治について考え始めた。初めて町内会の総会に出席したときにはショックを受けた。出席者のほとんどが顔見知りの60歳代以上の方たちで30歳代は僕だけだったからだ。自分が暮らす地域に根を下ろし、根を張ることの重要さに30歳を過ぎてから気がついた。

 地域と関わることは、そこに暮らす生活者とつながることだ。僕は町内会の会計と庶務を任され、若い稀有な存在として重宝されている。子どもが小学生になり、PTAに参加するようになると会長を任された。PTAで築いた同世代とのつながりでは、子育ての悩みから日常生活のことまで共感することが非常に多く、特にママ友とのおしゃべり(情報交換)ではママならではのストレートな声を集めることができた。

 子どもたちが導いてくれた地域活動は、つながりが連鎖することでそのエリアを拡大し、現在は「ファザーリング・ジャパン東北(仙台市)」、「弘前こどもコミュニティ・ぴーぷる(弘前市)」という二つの子どもに関わるNPO法人の理事を務めている。

 私事のつながりが仕事に生きる。つまり仕事以外のつながりで得た人脈、情報、共感が形となって仕事で生きている。そのために今日も地域を歩いている。

(青森・平川市職員/齊藤 望)

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