連載 コミットメント ── 他責から自責文化の自治体職員 第8回 自責は自ら振り返り、そして前へ進む【増田真理子(静岡・御前崎市職員)】

地方自治

2021.11.18

本記事は、月刊『ガバナンス』2017年1月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会の修了生(マネ友)のメンバーがリレー形式で執筆します。

自責は自ら振り返り、そして前へ進む

 早稲田大学人材マネジメント部会に参加していた時期は、「組織を変えなくては!」と意気込んだが、当時係長にもなっていない自分たちの取り組みは組織変革につながらなかった。しかし、大きな変革ではなく、自分の業務の中に価値前提を落とし込むと、学んだことを取り組みとして展開できた。

 その一つに、地元高校生との協働による公共施設等総合管理計画に関する漫画作成がある。きっかけは異動してきたばかりの後輩の「この計画、難しくて誰も手に取りませんよね」という一言だった。「どうしたら分かりやすく伝えることができるだろうか?」と考え、「漫画だ!策定過程から高校生と協働することで、取り組みが身近になり自分事になる」という結論に達した。

 計画は作ることが目的ではなく、多くの市民が関心を持ち、取り組みの過程に参画することが最も大切だ。とはいうものの、当市には市民参画の基盤がない上、市役所内も担当業務外のことには関われない。しかし、そこで立ち止まっていては何も進まないので、「市民としてなら、できることがある!」と開き直り、市民発意でママ達が中心の「大好き御前崎」というグループを立ち上げた。「大好き御前崎」では、「20年後子どもが笑顔でいられる御前崎とは」をテーマにした3回のワークショップを開催し、ママだけでなく地域の人たちと一緒に話し合った。

 話せる場、スキル、人、つながりづくりが重要であるため、近隣の牧之原市のご厚意により、市民ファシリテーター講座やグラフィック講座にメンバーと一緒に出かけた。想いのベクトルが合う仲間との前向きな話は非常に心地よく感じた。今後も、「大好き御前崎」をメンバーとともに磨き上げていきたい。

 自責は自ら振り返り、そして前へ進む。そのため、人のせいにする他責よりもストレスが少なくスピード感がある。俗に言う、“早稲田かぶれの肉食系女子”かもしれないが、想いを持ち動き続けることで、いつか自責は人が真似したくなるスタイリッシュなファッションになると私は考える。

(静岡・御前崎市職員/増田真理子)

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