こちら「春日井市」情報化本部 ニーズを汲み取る仕組みづくりなど「市民ファースト」でデジタル化推進に取り組む

NEW地方自治

2021.10.01

この資料は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊J-LIS」2021年9月号に掲載された記事を使用しております。
なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと使用しております。

こちら「春日井市」情報化本部
ニーズを汲み取る仕組みづくりなど「市民ファースト」でデジタル化推進に取り組む

名古屋市の北東部に位置する愛知県春日井市。今年度は、より組織横断的に施策検討に関われるようICT推進室を企画政策部デジタル推進課として再編。行政サービスのデジタル化推進を目指す。

(月刊「J-LIS」2021年9月号)

春日井市の紹介とデジタル推進体制

 春日井市は名古屋市の北東部に隣接し、鉄道や高速道路、空港等、利便性の高い交通網を有する快適な住環境と豊かな自然が調和したライフタウンとして、人口31万人を超える都市に発展してきました。

 当市では2017年4月、総務部情報システム課にICT推進室を設置し、AI-OCRやRPAの導入に取り組むなどICTの活用を積極的に行ってきました。近年では、日常生活においてデジタル機器が急速に普及する中、行政サービスにおいてもデジタルを積極的に取り入れるとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「新しい生活様式」への対応が求められています。そのため、本年4月、企画立案の段階から組織横断的に施策検討に関わることを目的として、ICT推進室を企画政策部デジタル推進課に再編し、行政サービスのデジタル化を政策的により一層推進するための体制を整備しました。

市民ファーストのサービスとするために

 春日井市では、これまでも市公式アプリ「春ポケ」や、AIチャットボットによる自動応答サービス「教えて!道風くん」などのデジタルサービスを運用するにあたって、市民ニーズを反映した市民ファーストの考えに重点を置いて取り組んできました。
 
 「春ポケ」では、利用者の登録内容をもとに、年代や住んでいる場所などの属性に応じて市の情報やイベント情報を絞り込んで配信しています。

 「教えて!道風くん」では、市民アンケートの結果や、市ホームページのアクセス状況、問い合わせの頻度等をもとに、FAQデータの追加や応答分野の拡充を図っています。2019年1月の公開当初は、未就学児の子育てに関する内容に応答分野が限られていましたが、アンケート等においてニーズの高かった住民票・戸籍・マイナンバー分野、就学児関連分野や、問い合わせが急増している新型コロナウイルス感染症関連分野等、対象の拡充を順次進めてきました。2021年度は、利用希望の声が大きいごみ分別の分野についても拡充予定です。

 また、より多様な手法で市民の方々の様々なニーズを汲み取るための仕組みをつくる必要性も感じています。そこで本年8月から、AIによるファシリテーション機能を有する意見集約システムを活用し、多人数が時間や場所を問わずに参画可能なオンラインタウンミーティングの実証実験を行っています。「これからの行政手続きのあり方」などテーマを設定して、オンライン上での意見交換と合意形成の有効性を検証しており、検証結果次第で、他分野への展開も検討していきます。

 マイナンバーカード(本年8月時点の市内交付率は36.2%)の活用については、2018年11月からカードの公的個人認証の機能を使った住民票等のコンビニ交付サービス等を開始しました。交付率は年々増加し、さらなる増加も見込まれることから、今後、各種証明のオンライン申請への拡充等も進める予定です。

 その他、窓口のキャッシュレス化をはじめ、より便利なサービスの実現を目指して検討を進めています。

「デジタル化推進の基本的な考え方」の策定

 当市では本年7月、デジタル化推進の目的と視点を明確にし、全ての職員が共有するための指針として、新たに「デジタル化推進の基本的な考え方」を策定しました。

 デジタル化の目的は、「市民の利便性の向上」と「市職員の労働生産性の向上」とし、全てのデジタル化がこの2つの目的の達成に向けたものであることを明確にしました。

 また、デジタル化を進めるに当たって、「業務改革」「業務そのもののあり方」「新しい生活様式への対応」を同時に検討しDXを推進するため「①デジタル化と同時に業務全体を見直すこと」、行政サービスの利用者や提供者だけでなく、デジタルが苦手な人を含め誰も取り残さないデジタル社会を目指すため「②デジタル弱者を始め全ての関係者に気を配ること」、市民ファーストのサービスの提供に向けて利用者や関係者から幅広い意見を取り入れ、市民ニーズに即したサービスを適切な方法で実現するため「③デジタル化に当たり多様な主体と連携・共創すること」を定めました。

今後の目標と課題

 現在、次年度の予算編成に先立ち全庁的な調査を実施し、「デジタル化推進の基本的な考え方」に基づき、各担当課の業務について、デジタル化の提案やサポートを進めています。

 しかし、デジタル化はあくまで手段であり、いずれの事業においても、事業そのものを市民ファーストにするという視点が、最も重要であると考えています。

 また、デジタル技術が急速に進展し、社会環境も目まぐるしく変化する中で、情報担当部署の職員のみでデジタル化を推進することには限界があり、今後、策定した指針をいかに市全職員に浸透させ、全庁的にデジタル化を進めていくかが課題であると考えています。全庁調査に加え、人事課と合同で実施するICT利活用推進研修や庁内報による発信など、あらゆる手段を駆使して、全庁的な連携のもとデジタル化を推進していきます。

地域情報及び行政情報(2021年8月1日現在)

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