ご当地愛キャラ
ご当地愛キャラ vol.115 たかたのゆめちゃん(岩手県陸前高田市)
地方自治
2021.09.01
人と地域をつなぐ
ご当地愛キャラ vol.115
たかたのゆめちゃん
岩手県陸前高田市
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2012年誕生。陸前高田市ゆめ大使。市の子どもたちの応援団長としても活動している。頭の形は市章がモチーフ。特技はダンスで、16年に開催された「ゆるキャラ®ダンス選手権」では、グランプリを受賞。
◆たかたのゆめちゃんホームページ
https://yume-chara.com/
夢・希望・幸せを届ける復興への願いの結晶
岩手県の東南端、三陸海岸の南の玄関口として、宮城県との県境に位置する陸前高田市。11年3月11日に発生した東日本大震災は、市に甚大な被害をもたらした。震災から間もなく10年となる現在も、新しい中心市街地の再生など、官民連携で復興事業が進められている。
復興を願うすべての人に夢と希望を持ち続けてもらうために、シンボルとなるマスコットキャラクターを作成する「夢☆キャラプロジェクト」が11年8月にスタート。全国公募の中から、市内小中学校の児童・生徒の投票で翌12年1月に誕生したのが「たかたのゆめちゃん」だ。
ゆめちゃんは、復興の象徴「奇跡の一本松」の上に住んでいる妖精。頭の星は、希望の光で満ちていて、子どもたちを安全なところへ導いてくれる。耳は、津波で消失した高田松原の松をイメージ。市内に多く自生する椿の花のバッグに入っている夢・希望・幸せを皆に届けるため、また市の情報発信のため、日々、背中の羽根で全国を飛び回る。市の魅力や歴史を詰め込み、震災で傷ついた市民に癒しと親しみやすさを感じてもらえるキャラクターとなった。
誕生後、すぐに人気者となったゆめちゃん。子どもが大好きで、保育所のクリスマス会といった市内のイベントでは、子どもたちや市民と心温まる交流を続けている。首都圏を中心に物産イベントなどにも出演し、市の「いま」の発信や特産物の紹介、観光PRなど大使としての活動にも精力的だ。またイベントごとに衣装を変えるなどファッションにも敏感で、ゆめちゃんの衣装を見るためにイベントに来る人も多いという。19年3月からは、東日本大震災の教訓を伝える出張活動「ゆめちゃんの子どもぼうさい教室」をスタートし、各地で人気のイベントとなっている。
こうした幅広い活動が実を結び、地元岩手で決選投票が行われた「ゆるキャラ®グランプリ2020 THE FINAL」で、見事1位を獲得。市民やファンの「ゆめ」の一つが結実するとともに、全国に陸前高田市の存在を改めてアピールした。昨年は新型コロナの影響で思うような活動ができなかったが、ライブ配信等にも挑戦するなど新たな取組みにも意欲的。背中の羽根を休めるのはまだまだ先になりそうだ。
「ゆめちゃんをきっかけに陸前高田市を知り、ファンになってくれたら嬉しい」(陸前高田市観光交流課)
復興の象徴「奇跡の一本松」
ゆめちゃんの住所は「奇跡の一本松」の上。ここはかつて日本を代表する景勝地で、約7万本の松林「高田松原」だった。防潮林として度重なる津波からまちを守ってきた高田松原は、東日本大震災で全てが消失。残った奇跡の一本松も海水により深刻なダメージを受け、12年5月に枯死が確認された。その後、屋外展示に耐えうる保存処理を施され、復興の象徴としてまちを見守っている。
オンラインで全国から祝福!「お誕生日会&グランプリ報告会」
毎年1月に開かれるゆめちゃんのお誕生日会。今年は、新型コロナウイルスの影響でオンライン配信となった。当日は、くまモン(熊本県)やふなっしーなどからのお祝いメッセージ動画でスタート。おおふなトン(大船渡市)やうけどん(福島県浪江町)といった近隣のご当地キャラクターが、ゆめちゃんに花束やケーキをプレゼントし、歌に合わせ踊りなども披露した。
今回が最後の開催となる「ゆるキャラ®グランプリ2020 THE FINAL」(20年10月)で、見事グランプリを受賞。東北勢初の快挙を成し遂げた。
被災エリアを、市の花の椿で彩る「レッドカーペット・プロジェクト」の植樹会(20年11月)。ゆめちゃんもスコップを持って一面の椿畑を夢見る。
市のブランド米「たかたのゆめ」の稲刈り式にて。お友達のしんじょうくん(高知県須崎市)も遠方から駆け付けてくれた(20年10月)。
岩手県大船渡警察署から一日署長を委嘱(19年11月)。誇らしげな様子。
市民総参加型のスポーツイベント「チャレンジデー」では、参加者たちと体操にチャレンジ!
どこに行っても人気者。市民とパチリ。
高田小学校の児童が「ゆめちゃん音頭」を踊って、ゆるキャラ®グランプリの優勝をお祝い(20年11月)。
写真提供/岩手県陸前高田市