読者の皆さんに聴く!地方財務、私の活用法(1)

地方自治

2021.05.11

頼りになる充実の別冊付録
北海道総務部財政局財政課課長補佐 林下 千栄

『地方財務』2021年2月号

こんなところで使ってます

 『地方財務』は、毎年の地財対策や決算の概要等のタイムリーな情報から、学術的な企画や長期にわたる連載まで、バラエティに富んだ内容で、毎号楽しみにしている。また、『地方財務』の連載から生まれた名著も数多い。こうした「本体」はもとより、実務者にとって頼りになるのが、「別冊付録」である。

●地方債実務のバイブル
 毎年度発行される『事業別地方債実務ハンドブック』は、実務者の間で単にハンドブックで通じるほど、確固たる地位を築いている付録である。

 民法の概説書にダットサンと呼ばれる名著がある。小型で高性能な乗用車になぞらえたものだが、ハンドブックは、コンパクトでありながら地方債のメニュー毎の改正点から交付税措置までが一気通貫でまとめられており、まさにダットサンと呼ぶに相応しい。

 地方債は、新発債がなくなっても、償還や交付税措置が長期間にわたるため、一世代前の出来事を調べなければならないことがある。こうしたとき、ハンドブックは大いに力を発揮する。私が所属する課の書庫では、昭和の版から所蔵しているが、装丁や構成は現在とほぼ変わっていないため、どこを調べればよいかすぐ見当が付く。あまりの便利さに貸し出し希望が多いため、散逸しないよう、製本保存している程である。

●制度改正の解説書
 このほかにも、地方財政に関する重要な制度改正が行われた際に、付録が発行されることがある。後に単行本として刊行されることも多いが、当面の対応には、この付録が大いに力を発揮する。

 制度改正に直接携わった担当者が解説を執筆することが多いため、内容は新鮮かつ詳細であるし、関係法令はもとより、制度改正の背景となった研究会の報告書や、制度改正に伴い発出された諸通知等が巻末資料として掲載されることもあるので、コンパクトでありながら情報量が多く、これ一冊で様々な場面に対応できる優れものである。

これから期待したいこと―総目次の更なる活用を

 地方財政の実務は、基本的に毎年の予算編成や決算といった一年単位の仕事で、その時々の情勢を踏まえた判断が求められるが、中長期的には原因となる事象は違っても同じような状況に遭遇することがある。そうした局面で、かつてどのような判断をしたのかを頭に入れておくことは重要である。

 その際、便利なのが、毎年12月号に掲載される総目次である。総目次には、その年の記事と掲載月が整理されているので、調べ物の際には、総目次から入ると時間の短縮となる。まさに「悩んだら書庫に籠もる前に地方財務の総目次」である。

 これは、『地方財務』の基本的な構成が変わっておらず、かつ重要な出来事は必ずフォローされているからこそ可能な活用法であり、実務者としては、今後とも変わって欲しくない点である。

 これから期待したいこととしては、総目次が検索できるツールの誕生である。これまでの『地方財務』の記事が簡便に検索できれば、さらに蔵書の価値が高まるであろうし、調べ物に要する時間が飛躍的に短縮できること請け合いである。

 

林下 千栄
北海道総務部財政局財政課課長補佐:頼りになる充実の別冊付録

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