この記事は、地方公共団体情報システム機構発行「月刊Ｊ－ＬＩＳ」令和２年１２月号に掲載された記事を使用しております。
　なお、使用に当たっては、地方公共団体情報システム機構の承諾のもと掲載しております。

特集 いろいろ便利! LGWAN
働き方改革をサポート！　議事録作成 スマート書記 for LG
AIを活用した自動文字起こしで議事録作成にかかる時間を大幅に削減！
（月刊「J-LIS」2020年12月号）

エピックベース株式会社 代表取締役　松田 崇義

議事録作成にとても時間がかかっている

　全国の自治体からよくこのような相談を受けます。

　各自治体には議会はもちろんのこと、委員会や審議会、また庁内及び庁外関係者との打ち合わせなど多岐にわたる会議体があります。それぞれの会議体において議事録作成は平均でも会議時間の2〜3倍かけて作成されています。さらに一言一句文字起こしするような形式になると会議時間の何倍も時間をかけることも少なくありません。

会議の会話を自動で文字起こしすることで入力工数を減らす

　やはり議事録作成にかかる時間を減らすためには、「文字入力を減らす」ことが最も効果的な解決策になります。その解決策を実現したものが音声の自動文字起こしサービスです。「これまで使ってみたものの精度が…」という方も多いかと思いますが、昨今では、AIも進化しており、適切な音声データを取り込むことで高い精度を期待できるようになりました。またクラウドを活用したサービスも増えており、初期導入費用も下がっています。まさにこれからどんどんと全国の自治体に活用が広がっていくと思います。

LGWAN対応のスマート書記を提供開始

　当社では、上記のような課題を抱える自治体向けに、AIを活用した音声の自動文字起こしサービス「スマート書記 for LG」を提供しています。LGWAN環境内で使えるサービスは当社のみになります(令和2年10月1日現在)。

　LGWAN対応により「個人情報などの機密情報を含む」会議体でも安心して利用することが可能となります。

様々なシーンで活躍

　スマート書記 for LGでできることは主に3つです。

　１つ目は音声を自動で文字起こしすること、２つ目は文字起こしされたテキストの修正作業を簡単に行えること、３つ目は完成したテキストデータをダウンロードできることです。

　多くの自治体では、議事録作成のためにICレコーダーで音声を録音し、後で聞き直しながら作業をしていると思いますが、その音声データをスマート書記 for LGで取り込むと、音声データを文字起こしすることができます。また会議中にリアルタイムで文字起こしを行うことも可能です。そして文字起こししたテキストの修正作業も、1行ごとに音声を聞き直しながら作業を行うことが可能です。これにより、文字入力を減らしつつ、ICレコーダーの再生や停止を繰り返しながら文字を編集するという作業を大幅に簡略化することができます。

　現在、当社サービスを導入している自治体では主に、知事の定例記者会見の書き起こし、庁内で開催する委員会や審議会における議事作成に活用されています。それ以外にも議会の速報版会議録、ヒアリングや事業者プレゼンの書き起こしの議事録などでも利用が可能です。

なぜスマート書記が選ばれるのか

　スマート書記は、平成29年秋に徳島県との実証実験をきっかけに生まれたサービスです。それまで徳島県では知事の定例記者会見の書き起こし作業に10時間かかっていましたが、スマート書記を利用することで2時間まで削減した、という効果が出ました。また最近導入を決めた岡山県玉野市からは、当社サービスを選んだ理由として、「精度は他社製品も含めてそこまで差はなく、すでに自治体での利用実績があること、全職員が使うと想定した際の運用のしやすさ、そして編集画面の使いやすさで導入を決断しました」との声があがっています。

自治体にもDX（デジタルトランスフォーメーション）を

　令和2年は、企業だけでなく自治体でもDX（デジタル技術による業務効率化）の流れが一気に進んだ年になりました。どうやって進めるか、など悩まれている方も多いと思います。会議と議事録作成に使う時間は非常に多く、とても改善の余地が大きな業務です。DXを進めるうえで、まずは最も効果の出やすい議事録作成で業務の効率化を図ってみませんか。