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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2020 月刊「ガバナンス」2020年8月号

地方自治

2020.08.28

自治体最新情報にアクセス DATABANK
月刊「ガバナンス」2020年8月号

●QRコードを活用して新型コロナ感染経路を見える化

 福島県いわき市(32万4200人)は、新型コロナウイルス感染症の感染経路の見える化を図るため、QRコードを活用した市独自の「あんしんコロナお知らせシステム」の運用を7月から開始した。国の緊急事態宣言解除後、感染第2波に備えながら社会経済活動との両立を目指す段階へ向けて、市独自の事業者向け緊急経済対策(第3弾)の一環として取り組んだもの。QRコードを活用した安全・安心の体制づくりを推進し、「感染防止いわきスタイル」の確立を図っていく。

 具体的には、①市が発行するQRコードを設置した協力店舗や公共施設等で、②来店者等がQRコードを読み取り、空メールを送付することで、アドレス、店舗、日時の情報を記録し、③新型コロナウイルス感染症の陽性者が発生した場合、同一時間に同一店舗等にいた来店者等へメールで連絡する――というのがシステムの流れ。接触の可能性がある来店者等に速やかに連絡し、保健所でのヒアリングに応じるなど適切に行動してもらうことで、クラスターの発生や感染拡大を防いでいく。

 市は、システムの普及促進を図るため、商工会議所や各商工会、各地区の飲食業組合や理美容組合などの関係団体に対して店舗等の参加協力を依頼するとともに、特にマスクを外す機会が多く長時間滞在する傾向のある飲食業や理美容業等の店舗を中心に参加協力を依頼している。また、不特定多数が比較的長時間利用する市の公共施設でも運用する。

 同システムに参加登録した店舗等に対しては、陽性者が発生し、来店履歴等から消毒が必要と保健所が判断した場合、店舗等の消毒に関する経費相当分として補助(補助率:10分の10、上限額:30万円)を行う。需要喚起策としてシステム運用開始後の一定期間、システム登録者に対する店頭での割引や店舗で使える利用券の贈呈なども実施する。

(月刊「ガバナンス」2020年8月号・DATA BANK2020より抜粋)

●地域おこし協力隊のネットワーク法人を設立

 兵庫県(557万600人)では、県の支援により、5月21日に「(一社)兵庫県地域おこし協力隊ネットワーク」が設立総会を開催した。県では4月1日時点で、国版地域おこし協力隊16市町87人、県版地域おこし協力隊(19年度創設)18市町32人が活動を展開しており、19年10月に県内の地域おこし協力隊任期修了者と地域おこし協力隊員の有志が任意組織「地域おこし協力隊ネットワーク」を設立。県や市町と連携し、①都市部での協力隊募集、②現役隊員の活動サポート、③地域の担い手としてネットワークを活かした地域づくり活動――を開始した。今回の一般社団法人化は、活動の信頼性・持続性の確保と自主事業の拡大を図るのがねらい。

 県と密接に連携した協力隊の法人は全国初。設立総会は、新型コロナウイルス感染状況下のため、web会議システムを活用して行い、代表理事には協力隊員OBの松木祥平氏が就任した。

(月刊「ガバナンス」2020年8月号・DATA BANK2020より抜粋)

●三井住友信託銀行、住友林業と森林信託事業を開始

 岡山県西粟倉村(1500人)は、三井住友信託銀行、住友林業と森林信託を開発し、日本初となる事業を開始した。

 村では山主から森林を預かり間伐などを行う「百年の森林(もり)事業」を進めているが、森林所有者の約4割が村外者で、今後も相続で都市部の所有者の増加が見込まれる。その中には、森林管理に無関心で、処分したいと考える所有者もおり、森林の荒廃が懸念されていた。そのため村は、三井住友信託銀行に森林信託導入へ向けた調査を委託し、3月に商品化した。

 この森林信託では、①山主が三井住友信託銀行(受託者)に森林を預け、②受託者は西粟倉村で山林経営を行う百森社に施業を委託、③同社は百森協同組合に木材販売を委託し収益を得て、それを受託者と村に分配し、④受託者は木材販売収益を山主等に支払うとともに、村に固定資産税を納め、⑤村は百森社に施業費負担金、受託者に信託報酬負担金を支払う――というのが主な流れ。山主は森林整備費用と固定資産税の負担が軽減され、また死亡した場合は受益権の移行で済むため相続手続きが簡便になるのがメリット。一方、村は新しい森林管理のモデルとして期待を寄せている。

(月刊「ガバナンス」2020年8月号・DATA BANK2020より抜粋)

●こどもの不払い養育費を立て替え

 兵庫県明石市(30万3100人)は、こどもの養育費緊急支援事業として、不払い養育費を市が立て替える事業を実施する。市では、こどもを社会全体で守り、健全に育む視点から、離婚等におけるこども養育支援に取り組んでおり、こどもが養育費を受け取れるように支援する。公的な立替制度の実施は全国初という。

 立替制度では、養育費の不払いがあった際に、市が本来養育費を支払うべき義務者に働きかけ、それでも支払いがない場合に、市が1か月分(上限5万円)に限り立替払いをした上で、義務者に対して督促を行う。対象者は、養育費の債務名義がある市内在住のこども。

 事業の流れは以下の通り。

①申込受付:債務名義などの必要書類を確認し、申込みを受付け。
②支払要請:義務者に対し、養育費を支払うように促し、支払いがない場合は市が立替・請求をする旨を通知。
③立替払:市が1か月分の養育費請求権を譲り受け、立替金を申込人指定の口座に振り込み。
④支払勧告:義務者に対し、債権譲渡の通知とともに、市に対する立替金の支払請求と翌月分以降の養育費の支払を勧告。

 受付期間は、8月31日まで。

(月刊「ガバナンス」2020年8月号・DATA BANK2020より抜粋)

●地域活性化及び再犯防止に向け網走刑務所と包括連携協定を締結

 北海道大空町(7200人)は、網走刑務所と包括連携協定を締結した。

 同町内の女満別・住吉地区では、網走刑務所住吉作業所を通じて、地域住民と受刑者・刑務所職員が交流を持っていた時期もあり、刑務所職員が地元農家から農作業の指導を受けたり、刑務所で生産された農作物等を地元の子どもたちに提供するなど良好な関係を築いてきた。今回の連携協定は、こうした再犯防止と地域活性化の両面での地域との共生関係を現代において改めて明確にするとともに、未来に向けてさらに発展させていこうというのがねらい。

 この協定に基づき、町は今後、国、北海道、網走市、東京農業大学等と連携し、同刑務所が所有する広大な森林や廃校となった小学校の校舎等の利活用事業を行っていくとしており、同事業に関心のある民間事業者等から情報や意見等の提供を依頼するRFI(Request For Information)を実施。民間企業から11件の事業提案があった。

 そのほか、町の公式キャラクターである「そらっきー」のグッズ等を刑務作業で製作してもらうなど、地域活性化及び再犯防止に向けた取組みを進めていくとしている。

(月刊「ガバナンス」2020年8月号・DATA BANK2020より抜粋)

●ろう者の情報支援でテレビ電話相談窓口を開設

 福井県坂井市(9万2000人)は、新型コロナウイルス対策の一環として、ろう者の情報支援のためのテレビ電話相談窓口を開設した。ろう者が手話での問い合わせができるよう、LINEのビデオ通話を活用したもので、社会福祉課職員(手話通訳・ろう者)が午前8時45分から午後5時まで対応している。メールなどの文字でのやりとりは時間がかかることから、ビデオ通話での窓口を開設することにした。

 また、ろう者向けの冊子を作成し、新型コロナウイルスに関する報道でよく見られる言葉の説明や、感染の予防、感染の疑いがある場合の手順などを分かりやすく説明。LINEのQRコードを掲載し、ビデオ通話につながるようにした。

(月刊「ガバナンス」2020年8月号・DATA BANK2020より抜粋)

●市独自の電子申請サービスで特別定額給付金の申請を受付け

 静岡県三島市(11万400人)は、特別定額給付金の給付申請について、申請書送付による郵送受付、政府が整備したマイナポータルを用いた電子申請に加え、市独自に整備した電子申請サービスによる受付を行っている。マイナンバーカードを持っていない市民でもオンライン申請ができるのが利点で、迅速な給付に向けた電子申請システムの提供によって市民サービスの向上を図っている。

 市独自の電子申請サービスは、静岡県内の住民がイベント参加申込みなど様々な手続きが行えるよう県内の市町が共同で導入している「しずおか電子申請サービス」を活用したシステム。世帯主本人のみ申請可能で、入力フォームにメールアドレス、電話番号、世帯主氏名と生年月日、住所、給付対象者氏名、受取口座の金融機関名と口座番号などを入力し、本人確認書類と受取口座通帳の画像などを添付して送信する。受付時間は、平日10時〜17時45分と19時30分〜21時、土日・祝日10時〜17時。申請を開始した5月1日から6月18日までの約1か月半の電子申請による受付状況では、マイナポータルによる申請1435件に対し、しずおか電子申請サービスによる申請は7045件に上っている。

(月刊「ガバナンス」2020年8月号・DATA BANK2020より抜粋)

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