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ガバナンス編集部

自治体最新情報にアクセス|DATABANK2025 月刊「ガバナンス」2025年2月号

NEW地方自治

2025.03.05

●教育用タブレットによる児童見守りサービスを先行実施

 熊本県荒尾市(4万9600人)は、NTTコミュニケーションズ㈱とともに、市立の桜山小学校と緑ケ丘小学校において、LTEモデルの教育用タブレットを活用した登下校中の児童の見守り等を行う取組みを先行実施している。データや新技術を活用した先進的都市サービスの実装に向けた実証事業を支援する国土交通省の「スマートシティ実装化支援事業」に採択され、両者が21年度以降に実証実験を行って共同で検討し、保護者や学校現場等へのヒアリングも踏まえて進めている取組み。児童が登下校中に事故や事件に巻きこまれないよう有効な見守り方法を確立し、安心して暮らせるまちを目指すのがねらい。
 具体的には、文部科学省のGIGAスクール構想により市が児童1人に1台配備したタブレットを活用し、保護者と児童の同意を得てタブレット端末のGPS機能で取得した児童の位置情報に基づき、

▽児童の登下校状況通知(登校時に学校敷地内に入った場合の登校通知、下校時に学校敷地外に出た場合の放課通知)▽児童の現在地・行動履歴の把握 ▽保護者が設定した登下校エリアから児童が外れた場合のアラート通知
――を保護者のスマートフォンへ提供。また、児童の位置情報を基に、学校への出欠遅刻情報の取得が可能なことから、教職員の日々の出欠情報の確認・管理に関わる業務の削減につなげる機能も提供する。これらの機能は、㈱NTTドコモのモバイル回線を通じて、NTTドコモの教育機関向けサービス「ウェブでお知らせ」への追加機能として開発・提供したもの。
 市は、先行実施した2小学校でのサービスへの保護者等の反応や評価などを確認しながら、25年度の市内全小学校での本格導入を目指していく。教育用タブレットの位置情報機能を活用した児童の見守りサービスは全国初の試みになるという。
(月刊「ガバナンス」2025年2月号・DATA BANK 2025より抜粋)

●「若者ケアラー実態調査」を実施

 東京都港区(26万6300人)は、「若者ケアラー実態調査」を実施した。区は18歳未満のヤングケアラーの実態を正確に把握して必要な支援につなげるための実態調査を22年度に行い、その結果に基づいて配食支援などに取り組んできた。今回の実態調査は、国が24年6月に「子ども・若者育成支援推進法」を改正し、支援対象を「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義して、新たに18歳からおおむね39歳までの支援を求めていることを受けて行った。家族のケアの状況をはじめ、就職や結婚などライフステージへの影響など、若者ケアラーの実態を調査し、その結果を踏まえ、さまざまな困難を抱える若者ケアラーへの切れ目のない支援につなげる。
 調査は、18歳~39歳の区内在住者1万人を無作為抽出し、24年12月中旬に調査票を郵送して実施。家族の介護や世話を現在行っているか、過去に行った経験があるか、その場合の問題などについて質問し、25年1月7日までに返信用封筒での郵送かインターネットで回答してもらった。調査結果は25年3月頃にホームページで公表する予定で、それに基づき具体的な支援策を検討する。
(月刊「ガバナンス」2025年2月号・DATA BANK 2025より抜粋)

●県内スポーツ情報が入手できるWEBアプリを開設

 埼玉県(737万8600人)は、県内のスポーツチームと連携し、観戦や応援に役立つ情報を県内外へまとめて発信するWEBアプリ「すぽったま!」を公開している。
「すぽったま!」には、プロ野球の埼玉西武ライオンズやJリーグの浦和レッドダイヤモンズをはじめ、県内の野球やサッカー、ラクビー、バスケットボール、バレーボール、卓球など全21チームが参加。参加チームの試合日程や最新ニュース、ファン向けイベント情報などをまとめてチェックできるほか、お得なチケット情報が入手できる。また、試合観戦スタンプラリーに参加すると抽選でプレゼントがもらえる特典も用意している。
「すぽったま!」はスマートフォンやタブレット、PCからブラウザ経由で閲覧可能なWEBアプリケーション。スマートフォンではアプリストアからのダウンロードは不要で、ブラウザからアクセスした後に簡単な手順でホーム画面に追加して閲覧できる。
 URLは、https://spottama.pref.saitama.lg.jp/。お得なキャンペーン情報などが受け取れ、スタンプラリーにも参加できる「すぽったま!」LINE公式アカウント登録も行える。

すぽったま!ロゴ

すぽったま!
https://spottama.pref.saitama.lg.jp/

(月刊「ガバナンス」2025年2月号・DATA BANK 2025より抜粋)

●AR技術を活用した防災訓練機器を導入

 京都府綾部市(3万1500人)は、AR(拡張現実)技術を活用した防災訓練機器「テストセンセイAR」を導入した。市内の事業所、自治会等に出向して実施する防災訓練や防火講習会において、AR技術を用いた訓練を行うことで、より現実に近い体験を通して市民の消火能力・判断力・対応力の向上、防火防災意識の醸成、安全・安心なまちづくりを図ることがねらい。高齢者を対象とした防災訓練にも役立てることを計画している。
 導入したのは、ARヘッドセット1台、消火器型コントローラー1個、モニタディスプレイ1台、その他周辺機器一式で金額は計149万6000円。体験者はARヘッドセットを装着し、連動する消火器型コントローラーを操作する。今いる現実の部屋などの風景にデジタル情報の炎と煙などが重ね合わせて表示されるため、リアリティのある消火体験が可能。火災時に煙が充満していく様子も再現されるので、避難訓練にも活用できる。体験者に見えている画像は、同時にモニタディスプレイに中継される。
 同機器による訓練を希望する場合、実施者は原則、実施日の14日前までに市消防本部予防課まで申し込み、実施方法について両者で協議することにしている。
(月刊「ガバナンス」2025年2月号・DATA BANK 2025より抜粋)

●「スマート保育事業」を始動 ~保育士がより子どもと向き合える環境づくり~

 大阪府寝屋川市(22万5700人)は、25年1月4日から、公立保育施設において「スマート保育事業」を開始した。保護者の利便性向上と保育業務の効率化による保育の質の向上がねらいで、対象となるのは、公立保育所4施設と公立認定こども園2施設。
 同事業では、㈱コドモンの保育ICTサービス「CoDMON」を活用し、

▽登降園管理の自動化(保護者のスマートフォンで二次元コードを表示。二次元コードリーダーにかざすことで登降園時間を自動で記録。記録した登降園時間に基づき延長保育料を自動的に集計・管理)▽書類作成の効率化(タブレット端末を活用し、指導案や写真付きのお便り等を作成。タブレットは職員がいつでも利用できるよう各クラスに1台以上配備)▽保護者と施設間の連絡のスマート化(CoDMON上で欠席・遅刻連絡を一本化。不審者情報・災害時緊急連絡の配信、行事予定等を保護者がスマートフォンで随時確認できるようになるなど、情報発信・共有の円滑化)
に取り組んでいく。

㈱コドモンの保育ICTサービス「CoDMON」
二次元コードで登降園管理を自動化。

(月刊「ガバナンス」2025年2月号・DATA BANK 2025より抜粋)

●自治体対象「予算編成手法アンケート」の結果報告書を作成

 一般社団法人新しい自治体財政を考える研究会(代表理事:定野司)は、24年12月、「令和7年度予算編成手法アンケート分析結果報告書」をまとめた。同会は、21年に任意団体として設立し、22年に一般社団法人化。行財政の知識・経験が豊富なプロ“財オタ” たちを中心に、各地の現職・元職の自治体職員らが協働し、「幸せな合意形成」を達成するための予算編成の業務フローなどを研究。専門誌『財ラボ』の発行や、持続可能な自治体運営に関する調査、個別自治体の研修支援などを行っている。25年1月現在、会員数は654。
 今回報告書をまとめた「令和7年度予算編成手法アンケート」は、会員から「自治体運営・財政手法等の先進的事例」や「査定方式の状況・実態」の共有を求める声が聞かれたことから、財政に関する知見や実態を調査し、必要なノウハウを自治体の垣根を越えて共有することを目的に実施した。調査期間は24年9月27日~10月18日、方法はインターネット・メール・FAX、対象は1788自治体、回答数は462 、回答率は25.8%。
 質問項目は、「予算全体のシーリング率(圧縮率)は」「原課(部局)からの過大な予算要求(前年度予算を超過するなど)を回避するために、財政課として工夫している取り組みは」など現場の課題に即した内容。報告書では、質問項目ごとにグラフや分析コメント、事例を添えて結果をわかりやすく整理した。報告書は同会WEBサイトの会員限定ページから無料ダウンロードが可能。また、調査で得られた回答をふまえ、原課と財政状況を共有する際に活用できる「予算編成図解テンプレート」を独自に作成。同じく会員限定ページから無料ダウンロードできるようにした。会員登録は無料。

一般社団法人新しい自治体財政を考える研究会
https://new-zaiseikenkyukai.com/

(月刊「ガバナンス」2025年2月号・DATA BANK 2025より抜粋)

●庁内の人財活用に「iマッチング制度」を導入

 群馬県伊勢崎市(21万2200人)は、庁内における人財活用の新たな仕組みとして、「iマッチング制度」を導入した。意欲と適性がある人財を求めている所属と、能力を発揮したい職員をマッチングして、人財の有効活用と組織の活性化、職員のモチベーションの向上を図ることがねらい。「i」には、「伊勢崎」「自分自身(アイ)」「助け合い」の三つの意味を込めた。
 iマッチング制度の具体的な事業分類は次のとおり。

【iマッチング型人事異動(ジョブ×チェンジ)】  ①庁内公募型人事異動制度:募集側の所属が求める職員像を全庁的に公開。希望者は、自身の経験やスキル等を考慮して応募する。  ②庁内フリーエージェント型人事異動制度:職員自らがフリーエージェント宣言(登録)をし、各所属に「自分の強み」などをPRする。①②ともに、キャリア自律を推進していくための制度で、マッチング結果は「人事異動」として反映する。
【iマッチング型庁内派遣(ジョブ×チャレンジ)】   ③「おたがいさま」職員公募制度:業務繁忙期や特定のプロジェクト、担当職員の育児休業取得で職員補充が必要な時などを想定。募集側の所属が求める職員像を全庁的に公開し、マッチングを図る。  ④「庁内複業・庁内インターン」制度:職員自らが自己のキャリアビジョンを形成し、「自分のやってみたい仕事」「自分の経験」等について申し込み。現所属の業務以外の業務を経験する場を設け、職員のキャリア形成、能力開発を支援する制度。③④ともに、マッチング結果は「庁内派遣」として反映する。
 これらの仕組みを通じて、職員自らが住民福祉の増進のため自分の強みを発揮できる仕事に取り組み、エンゲージメントの向上につなげることを目指している。
(月刊「ガバナンス」2025年2月号・DATA BANK 2025より抜粋)

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