霞が関情報「地方財務」2020年2月号(ぎょうせい)

地方自治

2020.02.04

霞が関情報
「地方財務」2020年2月号

6.5%が指導体制の基礎整わず(文部科学省)

 文部科学省は、2020年度から必修化される小学校の「プログラミング教育」の準備状況・予定に関する調査結果をまとめた。それによると、全体の6.5%の教育委員会で、最低限必要とされる指導体制の基礎が整っていないことが分かった。

 都道府県ごとに指導体制にばらつきがみられるため、同省は、指導体制の基礎が整っていない自治体を対象にヒアリングを実施し、より詳しい状況を把握する。その結果を踏まえ、セミナーの開催や研修用教材の提供などを進める。

 調査は、2019年11月1日時点で、少なくとも各校で1人以上の教員が、実践的な研修を受けたり模擬授業などに取り組んだりしているかどうか、状況を把握するのが目的。小学校を設置する1746の全市町村教委を対象に実施した。

 調査結果によると、最低限必要な指導体制の基礎が既に整えられていると回答したのが73.5%で、実施予定の19.9%と合わせると、93.5%で19年度中に取り組みが完了する。

 ただ、都道府県別の集計値を比較すると、最高が茨城県や長崎県などの100%で、最低が73.7%の島根県となっており、ばらつきがみられる。

 論理的思考力を習得する学校でのプログラミング教育は、コンピューターを理解して上手に活用していく力を身に付けるために重要だとされている。学習指導要領にも位置付けられており、20年度から小学校で必修化される。

高齢者の労災防止で報告書(厚生労働省)

 厚生労働省の「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議」(座長・城内博日本大学理工学部特任教授)は「エイジフレンドリーな職場の実現に向けて」と題する報告書をまとめた。

 高齢者の労働災害防止に取り組むことは、すべての働く人にとって職場環境の改善につながると指摘。政府に、企業や関係者が実態に合わせて取り組めるように、作業や健康などの管理に関する具体的な対策を盛り込んだガイドラインを作り、活用するよう促している。

 有識者会議は、大学教授や労働組合の代表、企業の人事担当、医師らをメンバーに2019年8月に設置された。

 報告書は、事業者や労働者について、ガイドラインに盛り込む事項を整理。事業者には▽通路の段差解消や、身体機能を補助するパワーアシストスーツの導入などの職場環境改善▽雇い入れ時・定期の健康診断の実施といった健康や体力の状況把握▽運動・栄養指導、メンタルヘルスケアなど健康や体力の状況を踏まえた配慮▽安全衛生教育──などを求めた。労働者には、自らの健康づくりへの積極的な取り組みを勧めている。

 報告書はこのほか、国・関係団体の支援策として▽具体的な取り組みが進んでいない中小企業に対するコンサルティングを通じた支援▽高齢者を多く雇用している事業者などに対する国による助成──などを提案した。

 地域でも、職域保健と地域保健が連携し、労災防止や職場での健康づくりに関する情報が周知されるよう促している。

 内閣府の調査によると、65歳を過ぎても働きたいと考えている人の割合は5割以上になっている。一方、労働災害による休業4日以上の死傷者数のうち、高齢の労働者が占める割合は増加傾向にあり、18年には4人に1人が60歳以上だったという。

 また、血圧や血糖、脂質を含め、健診の結果が異常を示し、脳や心臓疾患につながるリスクのある割合は、全労働者の半数を上回っている。

42市町村が創生人材派遣希望(内閣官房)

 政府の「まち・ひと・しごと創生本部」などは、地方創生人材支援制度による人材派遣を希望する市町村に関する調査結果をまとめた。

 それによると、27道府県の42市町村が2020年度に派遣を希望している。このうち、常勤職の2回目の派遣を望んでいるのは24市町村だった。

 同制度は15年度から始まった。地方創生に積極的に取り組んでいる人口10万人以下の市町村に対し、希望に応じて国家公務員や民間企業の社員、大学の研究者らを原則2年間派遣する。常勤の副市町村長や地方創生担当の幹部職員といった、首長の補佐役として送り出している。

 同制度で、これまで227市町村への派遣実績がある。ただ、制度発足初年度は69市町村が手を上げたが、その後は減少傾向が続いている。

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