ご当地愛キャラ
ご当地愛キャラ vol.103 うけどん(福島県浪江町)
地方自治
2020.06.01
人と地域をつなぐ
ご当地愛キャラ vol.103
うけどん
福島県浪江町
\ひとことPR/
町の人気者のお米の妖精。モッチモチの体はなんでもくっつけることができる。元気がない人には、イクラの髪を1粒くれる優しい女の子。シャケの帽子は生きているので注意!! 大堀相馬焼のどんぶりに乗って今日も町をPR!
◆うけどん広場
https://ukedon.jp
タブレットから飛び出したお米の妖精は復興に取り組む町と町民をつなぐ
浪江町は、福島県の沿岸部である浜通りの北部に位置し双葉郡に属する。海、山、川に囲まれ、豊かな自然を誇り、大堀相馬焼やなみえ焼そば等の特産品でも知られる。
11年3月11日の東日本大震災と福島第一原発の事故によって、2万1000人の町民は全国に散り散りになった。その後、17年3月には、一部地域の避難指示が解除され、一部地域での居住ができるようになるなど復興への取組みが進められている。
町では14年度から、全国に分散避難した町民のきずなの再生や町からの情報発信強化を目的に、町民にタブレット端末を配布。そのトップ画面で、動いたりしゃべったりするのが、「うけどん」だ。「タブレットは機械的なので愛着をもてるキャラクターが欲しい」という要望から、町民の公募で誕生した。
うけどんは、町の請戸川を遡上する鮭の帽子に、イクラの髪の毛が特徴的なお米の妖精で、大堀相馬焼のどんぶりに乗っている。タブレットの中から浪江弁で呼びかけたり、ニュース記事を紹介したりと、操作に不慣れな町民にも身近に感じてもらえるよう、町民とタブレットをつなぐ役割を果たしてきた。16年からは、タブレットを飛び出し、復興なみえ町十日市祭などの地元のイベントにも登場。精力的に避難先の町民交流イベントにも参加するなど、地域のきずなの再生に尽力してきた。
その功績が認められ、18年10月には町のイメージアップキャラクターに就任。町外のイベントにも積極的に参加する他、公式Twitterの開設や、町HP「うけどん広場」の大幅リニューアルなど着々と活動の幅を広げ、注目度も高まってきている。自分の姿を見て、全国に散らばった町民が“浪江も元気にやっているんだ”と感じ、町と町民がつながれば──そんな思いでうけどんは、今日もPRに励んでいる。19年は、「ゆるキャラ®グランプリ2019」にも初参加し、福島県内1位と大健闘。長野県で行われた決選投票イベントでは、地元のテレビにも出演し、台風の被害が甚大だった長野県民や、浪江町から長野県に避難している50人余りの町民にエールを送った。
「今後も町内外のイベントに積極的に参加し、多くの人に町を知るきっかけを提供していきたい。また、うけどんの笑顔で町や町民がさらに元気になるように頑張っていきたい」(浪江町企画財政課情報統計係)
タブレットを利用した町民の「きずな再生・強化事業」
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震災によって全国に散らばった町民に向け、14年度からタブレットを利用した「きずな再生・強化事業」を実施。これまで普及のための講習などに取り組み、約7100台を配布している。15・16年度には、町民の声を元に分散避難した家族間での見守り機能の追加やスマホ対応などを行った。タブレット貸与は18年度で終了したが、引き続き自身のタブレットやスマホで利用している町民も多いという。
ココに注目!町民一人ひとりがクリエイター うけどんグッズは30点以上!
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うけどんのデザインはフリーで公開されており、個人・家庭など限られた範囲内であれば、自由に使用できる。商用利用に限ってもデニムバッグや木彫り人形など様々な「うけどんグッズ」が登場しており、その数は30点以上。町民一人ひとりがクリエイターとして日々新しいグッズを生み出している。町民が作ったグッズの一部は公式HP「うけどん広場」内で閲覧できる。
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18年10月から町のイメージアップキャラクターに。吉田数博町長から委嘱状を受け取る。
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「ゆるキャラ®グランプリ2019」では、初出場ながら全国35位、福島県内1位と大健闘。ゲーム対決では長野県の皆さんに元気を届けるため縄跳びに挑戦!
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ナンバープレートのモチーフにも。町鳥のカモメとともに復興をアピール。
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「復興なみえ町十日市祭」(2019年)では、同じく災害からの復興に取り組む熊本県のくまモンと共演。キレキレの「くまモン体操」を披露した。
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うけどんの絵描き歌も完成し、町の小学校でお披露目。みんなよく描けている。歌はYouTubeの町公式チャンネルで公開中。
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メディアの露出が増えているうけどん。福島中央テレビ「ゴジてれChu!」にも出演。生放送で心なしか緊張気味!?
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町を飛び出し、東京都内にも遠征(福島産直市:2019年)。
© Namie Town
写真提供/福島県浪江町