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【最新行政大事典】用語集―平成の大合併とは

NEW地方自治

2020.09.26

【最新行政大事典】用語集―平成の大合併

はじめに

 『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第1章 行政一般・地方自治」から、「定住自立圏」を抜粋して、ご紹介したいと思います。

平成の大合併

 「地方分権推進委員会」は、平成9年の第2次勧告で、国の構造改革の大きな柱の1つである「地方分権」を進めるには、その受け皿となる市町村の体力向上が必要であるとして、市町村の合併推進を勧告した。政府はこれを受けて、平成11年に市町村の合併の特例に関する法律(昭和40年法律第6号)を改正し、国がその7割を補てんする合併特例債を新設するなど、手厚い財政優遇措置を講じた。これにより、法改正前に全国で3,232あった市町村は、優遇措置の期限である平成18年3月には1,821まで減少した。国は、改正法を引き継ぐ形で、市町村の合併等の特例に関する法律(平成16年法律第59号)を制定し、国の補てん割合は4〜5割と引き下げた合併推進債を発行することとした。特例措置の期限である22年3月には、市町村数は1,727までに減少し、30年10月現在1,718である。このように、10年余で市町村数が約5.5割にまで減少したことが「平成の大合併」とよばれている所以である。

 合併の内容をみると、これまで広域連合や一部事務組合などの形で行政運営の協力関係があり、住民にとっても日常生活圏域となっていたエリアで、中心市が周辺町村を編入するというケースが全体の3分の2を占めている。一方、人口1万人未満の小規模町村は依然として約459ある。また、市街地が連担し人口密度の高い大都市部では、合併の進捗率は低い。

 合併の評価を総務省や合併市町村が実施したアンケート調査等でみると、メリットとしては、〔1〕分権化に対応した組織機構の充実(経営中枢機能が強化された、専門組織・専門職員を置くことができた、職員の政策形成能力が向上した等)、〔2〕財政基盤の強化(職員総数・人件費を削減できた、公共施設の利用圏域が拡大し、重複整備が避けられた等)、〔3〕住民サービスの維持(行き詰っていた福祉や子育て支援のサービスを維持・拡充できた等)、〔4〕地域イメージの向上などが挙げられている。

 デメリットとしては、〔1〕行政と住民の距離の拡大、〔2〕周辺部の衰退、〔3〕住民サービスの平準化による個別サービスの低下などが挙げられている。

 合併の効果についての住民アンケートでは、「合併後も変わらない」という回答が最も多いが、それ以外では「(やや)悪くなった」が「(やや)良くなった」を上回っている。

 これに対し総務省は、合併のデメリットとされるものを緩和・解消するため、「地域自治区」の制度化、支所等の設置と権限委譲、コミュニティ振興やICT活用等の推奨により、地域自治や住民サービスの推進を図ろうとしている。また、21年度からは、広域行政の新しい仕組みとして、「定住自立圏」を設けるなどの取組みを進めている。

 今後の基礎的自治体のあり方等の諮問を受けた第29次地方制度調査会は、その答申のなかで、「今後とも市町村の行財政基盤の強化が必要であるが、平成11年以来、全国的に行ってきた合併推進運動も、従来と同様の手法を続けていくには限界があり、合併推進運動は現行特例法の期限をもって一区切りとすることが適当である。今後の市町村における事務処理のあり方を考えるに当っては、市町村の多様性を前提にして、それぞれの市町村が自らの置かれた現状や今後の動向を踏まえた上で、その課題に適切に対処できるようにする必要がある。共同処理方式による広域連携や都道府県による補完など多様な選択肢を用意した上で、それぞれの市町村がこれらの中から最も適した仕組みを選択できるようにすべきである。また新たな連携の取組みとしての定住自立圏構想をはじめとする地域活性化施策を活用し、それぞれの市町村が基礎的自治体としての役割を果たすことが求められる。」としている(平成21年6月)。

*『最新行政大事典』2019年5月より。(NPO法人 フォーラム自治研究)
(有償版は本文に加え、法令へのリンク機能があります)

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