行政大事典
【最新行政大事典】用語集―公共施設等の適正管理の推進とは
地方自治
2020.08.02
【最新行政大事典】用語集―公共施設等の適正管理の推進
はじめに
『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第7章 財政・予算」から、「公共施設等の適正管理の推進」を抜粋して、ご紹介したいと思います。
1 意義
公共施設等の老朽化対策が課題となる中で、公共施設等最適化事業費の拡充を図る。公共事業最適化事業費は、集約化・複合化事業、転用事業、除却事業を対象としているが、これらに加えて長寿命化対策、コンパクトシティの推進(立地適正化)及び熊本地震の被害状況を踏まえ、庁舎機能の確保(市町村役場機能緊急保全)を追加するなど、内容を拡充し新たに「公共施設等適正管理推進事業費」を平成29年度に創設した。平成30年度では、集約化・複合化事業など従前の事業に加え、ユニバーサルデザイン化に要する経費を新規に追加した。平成31年度は、長寿命化事業の対象を拡充(橋梁、都市公園施設等)し、地方財政計画上の計上額は4,800億円とした。
2 事業期間
平成29年度〜平成33年度(5年間)
但し、市町村役場機能緊急保全事業は、緊急防災・減災事業の期間と合わせ、平成29年度〜平成32年度(経過措置として、平成32年度までに実施設計に着手した事業については、平成33年度以降も現行と同様の地方財政措置を講ずる)
3 地方財政措置(公共施設等適正管理推進事業債)
① 集約化・複合化事業
【対象事業】延床面積の減少を伴う集約化・複合化事業
【充当率等】充当率:90%、交付税算入率:50%
② 長寿命化事業
【対象事業】(公共用建物)施設(義務教育施設を含む)の使用年数を法定耐用年数を超えて延伸させる事業
(社会基盤施設:道路・農業水利施設・河川管理施設・砂防関係施設・海岸保全施設・治山施設・港湾施設・漁港施設・農道)所管省庁が示す管理方針に基づき実施される事業
【充当率等】充当率:90%、交付税算入率:30%(財政力に応じて30〜50%)
③ 転用事業
【対象事業】他用途への転用事業
【充当率等】充当率:90%、交付税算入率:30%(財政力に応じて30〜50%)
④ 立地適正化事業
【対象事業】コンパクトシティの形成に向けた長期的なまちづくりの視点に基づく事業
【充当率等】充当率:90%、交付税算入率:30%(財政力に応じて30〜50%)
⑤ ユニバーサルデザイン化事業
【対象事業】公共施設等のユニバーサルデザイン化のための改修事業
バリアフリー法に基づく公共施設等のバリアフリー改修事業
【充当率等】充当率:90%、交付税算入率:30%(財政力に応じて30〜50%)
【期間】平成30年度〜平成33年度
⑥ 市町村役場機能緊急保全
【対象事業】昭和56年の新耐震基準導入前に建設され、耐震化が未実施の市町村の本庁舎の建替え事業等
【充当率等】充当率:90%(交付税措置対象分75%)、交付税算入率:30%
*地方債の充当残については、基金の活用が基本
⑦ 除却事業
【充当率】90%(平成28年度までは75%)、交付税参入率:0%
4 事業要件
・①〜⑦全て公共施設等総合管理計画に基づいて実施される事業であること
・①、②、③、⑤の一部については、個別施設計画に位置づけられた事業であること
・④については、立地適正化計画に基づく事業であること
・⑥については、個別施設計画に基づく事業であって、建替え後の庁舎を業務継続計画に位置づけるものであること
(資料)総務省資料
[関連項目]公共施設等総合管理計画