行政大事典
【最新行政大事典】用語集―地方創生推進交付金とは
地方自治
2020.05.27
【最新行政大事典】用語集―地方創生推進交付金
はじめに
『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第6章 国税・地方税」から、「簡易課税制度(消費税)」を抜粋して、ご紹介したいと思います。
1 意義
平成27年度中に各地方公共団体で策定した地方版総合戦略に基づき、具体的な地方創生事業を本格的に実施する観点から、平成28年度に創設された交付金である。地方の個性を尊重し、活気あふれる発意に基づく地方公共団体の先駆的取組を支援するものとし、地方創生の深化のための新型交付金である。地方公共団体が地域再生法に基づく地域再生計画を作成し、認定された事業に対し交付される。
2 地方財政措置等
(1) 予算規模
平成31年度当初予算では引き続き1,000億円を確保し、補助率1/2である。事業費ベースで2,000億円程度見込み、事業内容としてソフト、ハード両面から取り組む。
(2) 財政措置
〔1〕 新型交付金の性格は、国庫補助金で地域再生法による法律補助である。
〔2〕 地方創生交付金の地方負担に対する地方財政措置として、次の措置が講じられる。
・ソフト事業 約50% → 普通交付税により措置
残り50% → 特別交付税により措置
・ソフト事業に密接に関連するハード事業
地方債(一般補助施設整備等事業債)の対象となり充当率90%。交付税措置率は30%(地域活性化事業債並)を予定。
3 対象事業
(1) 事業タイプ
〔1〕 先駆性のある取組(先駆性タイプ)
・㈰官民協働、㈪地域間連携、㈫政策間連携のいずれの先駆的要素も含まれている事業
・事業期間 5か年度以内
〔2〕 先駆的・優良事業の横展開(横展開タイプ)
・先駆的・優良事例の横展開を図る事業
・事業期間 3か年度以内
*ハード事業は、ソフト事業と密接に関連するものを対象で、その場合も対象事業の50%を目安とする。
(2) 使途の制限
対象事業は、使途の制限がかかっており、他の国庫補助事業の対象となる可能性のある事業や、職員の人件費、特定個人・法人への給付経費は対象外である。
4 配分方法
(1) 1事業あたりの交付上限額(事業費ベース)
〔1〕先駆性タイプ
都道府県 : 6億円 市町村 : 4億円 中枢中核都市 : 5億円(H31年度新設)
〔2〕横展開タイプ
都道府県 : 2億円 市町村 : 1.4億円 中枢中核都市 : 1.7億円(H31年度新設)
(2) 審査
配分決定にあたっては審査が行われる。〔1〕は外部有識者の審査、〔2〕〔3〕は事務局によりそれぞれ審査を行う。
5 効果の検証
次の仕組みにより、事業効果を検証する。
〔1〕事業ごとにふさわしい具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定し、PDCAサイクルを整備すること。
〔2〕事業年度ごとに、外部有識者や議会の関与等も含め効果を検証すること。
〔3〕地方公共団体は、効果・検証の結果を公表するとともに、国へ報告すること。